被害者のAさんが住んでいた総世帯数179戸のタワーマンション
ライブ配信終了後、Aさんは自宅であるタワーマンションの一階部分に併設されているコンビニへ向かった。コンビニから出てきたAさんに、果物ナイフを持った被告が話しかけた。2人の様子は、マンション施設に設置されていた3台の防犯カメラに映像として残っていたという。その様子を、検察側は次のように説明した。
「被告人がAさんに話しかけたあと、Aさんは走って逃げ出した。Aさんが転倒すると、被告人はAさんを捕まえ、髪を掴みサブエントランスまで引きずって移動した」
その防犯カメラ映像が、法廷内で再生された。傍聴人は見ることができない。裁判員らが眉をしかめて映像を確認するなか、和久井被告はいっさい表情を変えず、鋭い眼光でモニターを見つめていた。
目撃者が撮影していた「殺害時の動画」
検察官が続ける。
「Aさんは手にしていたトートバックを投げたが、被告人はAさんをサブエントランスまで30秒ほど引きずった。何度か言葉を交わした後、少なくとも15回、Aさんに向かってナイフを振り下ろしました」