高身長を活かしてきた松下奈緒

高身長を活かしてきた松下奈緒

高い身長が活かされてきた 

 女優・松下奈緒のブレイクは、2010年度前期の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』(NHK)のヒロインを演じてから。それまで8時15分開始だった“朝ドラ”が8時スタートとなり、続いて『あさイチ』が始まった、NHKとしては大改編が行われた際の1本目の作品で、同じく大ブレイクを果たした向井理の女性人気も相まって、新たな“朝ドラ”ファンを獲得するきっかけにもなった作品だ。ちなみに主題歌の『ありがとう』も、いきものがかりのナンバーで、東京音楽大学音楽部音楽学科ピアノ専攻卒業で、ピアニストとして音楽番組からも多くのオファーを受け続けている松下は、このときもピアノによるカバーを行っている。 

 加えて、高身長を活かしたモデルとしての仕事も多かった松下。特にラグジュアリーブランドの着こなしは、本業のモデルのそれを上回っていると関係者から評判を呼び、セレブな読者が多いファッション誌の表紙やグラビアを何度も飾っていたものである。 

 だが、その高身長がその後の作品を選んでしまっていたのも事実だろう。プロフィールには174cmとあるが、『大追跡~』で175cmの相葉と並ぶと、松下の方が大きく見える。 

 思えば、『ゲゲゲ~』で身長182cmの向井と共演していたときは見事なバランスだったのだが、例えば2016年、『往復書簡~十五年後の補習』(TBS系)で、171cmの市原隼人と共演した際には、身長差にばかり目がいってしまい、なかなか物語に気持ちが入って行かなかった経験が筆者にはある。 

 が、2021年に放送された『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)で、松下が“ナース版・大門未知子”とも言うべきフリーランスのスーパー看護師・那須田灯を演じたときは見事にハマっていた。それでもルブタンのピンヒールを履いた米倉涼子よりも背は高かったのだが、松下の高身長が存分に活かされた作品だったように思う。 

 同様に2023年の『大奥Season2「医療編」』(NHK)の田沼意次役や、『必殺仕事人』(朝日放送テレビ・テレビ朝日系)の髪結い師の棗役もハマっていたし、2024年、「美しすぎる土下座」が話題になった『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)では170cmの小雪との対峙シーンが忘れられない。 

声の低さもハマっている 

 そして『大追跡~』である。実は、松下には声が低いという特徴もあるのだが、曰く、縦社会の警察署内で上司からの言いつけに返答する際、台本には「わかりましたっ」などと最後に“小さなっ”が記してあることが多いという。そうした台詞や、元夫の大森に嫌味を連発する際にも、松下の低音はハマっているだけでなく聴き心地がいいのである。 

 テレビ朝日の水曜21時枠の刑事ものと言えば、古くは『はぐれ刑事』シリーズや『はみだし刑事』シリーズ、2000年代からは、あの『相棒』シリーズがあまりにも有名だ。 

『大追跡~』は、井ノ原快彦主演の『特捜9 final season』から引き継がれたもので、既にチームワークの良さや遠藤憲一、光石研ら“バイプレイヤーズ”や佐藤浩市、伊藤淳史ら名脇役が勢揃いしているということでは、テレ朝としては当然シリーズ化を目論んでいることと思う。

『大追跡~』で伸び伸び輝いている松下を見ていると、名俳優らのチームのリーダーでありながら、時には「おばちゃん」とツッコまれていた『緊急取調室』の天海祐希とカブる面もある。 

 今年2月の誕生日で40歳となった松下奈緒が大森、相葉とトリプル主演を務める『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~』の今後に大いに期待したい。 

◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ+』(メ~テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

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