事故や再現実験で発熱したリチウムイオン電池が入ったモバイルバッテリー=2024年12月、東京・霞が関の消費者庁(時事通信フォト)

事故や再現実験で発熱したリチウムイオン電池が入ったモバイルバッテリー=2024年12月、東京・霞が関の消費者庁(時事通信フォト)

日本の基準を満たさない電池が発火

 実は、ここで紹介したような男性はすでに珍しくなく、ネット通販サイトには、ミニ扇風機だけでなく、冷涼感を感じられるとする多種多様なアイテムが、数えきれないほど並んでいる。それらは女性向けのフェミニンな雰囲気のものだけでなく、男性でも抵抗なく所持できるカラーリング、デザインのものも少なくない。だが、こうした製品のほとんどに「リチウムイオン充電池」が利用されていることは無視できないと、この充電池を使った製品のトラブル取材を経験した、民放キー局の情報番組ディレクターの女性が警鐘を鳴らす。

「ミニ扇風機など、ほとんどの避暑系アイテムは、充電式のリチウム電池で動いています。だから、会社のデスクでパソコンに繋げて充電しながら気軽に利用もでき、持ち運びも楽。しかし、リチウム電池製品は発煙や発火などの事故の可能性もあります。実際、日本国内でも、駅や商業施設内で、リチウム電池を使ったモバイルバッテリーから発煙した、発火したという事件が多発し、国民生活センターが注意を促している。ひどい例だと、自宅に置いていたモバイルバッテリーを使った製品から発火し、火災になってしまったものまである」(情報番組ディテクターの女性)

 ネット通販などで気軽に、そしてかなり安価で購入できる、リチウムイオン充電池を使った避暑系アイテム。高い需要があるからか、大手家電店はもちろん、一般的には馴染みがほとんどない海外の通販サイトまで、あらゆるところで取り扱っている。あくまで暑い夏だけ、短期間の使用だからと、リーズナブルなものを選びがちになるが、これこそが命取りだと指摘する。

「私が取材した例だと、発火した充電池製品のほとんどが海外メーカーの海外製造品で、中には日本の販売基準を満たしていない製品もありました。こうした製品は、海外の通販サイトなどでも気軽に買えてしまい、消費者がそれを日本では認められない違法製品だと気がつけないパターンも少なくありません。関係官庁も注意を促していますが、例えば、日本の販売基準を満たしているように偽装した、安価で違法な海外製品の流入は阻止できていません」(情報番組ディテクターの女性)

 やっと男性が”発見”した避暑系アイテムのありがたさ。だが、安全性を確かめず安価な物に飛びついては大火傷を喰らってしまう可能性も高まる。あまりに安すぎる価格設定の通販や、製造メーカーの明記がないような商品の購入は避けて、安心で安全に、快適にこの夏を乗り切りたい。

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