違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛被告が起訴された
「間違いありません」「やっていません」──前代未聞の“薬物性接待パーティー”を主催した男は、“2つの罪”に相反する受け答えをしてみせた。
ホテルで覚醒剤やコカインを所持したとして、覚醒剤取締法違反などの罪に問われた不動産投資会社「レーサム」(東京都千代田区)の元会長、田中剛被告の初公判が7月9日、東京地裁で行われた。
26歳で不動産投資会社を創業し、わずか9年でJASDAQ上場を果たすなど、一時は「不動産業界の風雲児」とも呼ばれた田中被告は、薬物に手を染めた動機について、「大きなストレスがあり、薬物に依存した」と述べた。
全国紙社会部記者は初公判の様子をこう解説する。
客室ベッドの枕の下に覚醒剤やコカイン
「検察側は冒頭陳述で、薬物性接待パーティーが開かれていた当時の状況を説明しました。田中被告が2024年6月頃、宿泊先のホテルに複数の女性を入れ替わりで派遣させ、その間、複数回にわたり、覚醒剤、コカイン、大麻などの違法薬物を密売人の男に配達させたと指摘しています。
また、田中被告の犯行が発覚するに至った経過も明らかにされた。現場に招かれた女性2人のうちの1人が客室内の様子を知人に連絡し、不審を抱いて客室に赴いた知人らが田中被告ともめて警察に通報したこと、警察が駆けつけた後、田中被告は別の女性1人とホテルを立ち去り、客室ベッドの枕の下から覚醒剤やコカインが見つかったことなどを読み上げました。
田中被告はこの件について、あっさりと罪を認めました」
警視庁は2025年5月、田中被告とともにホテルにいた女性2人も覚醒剤取締法違反などの容疑で逮捕した。一方、性接待の“被害者”でもある女性は、昨年8月に田中被告を不同意性交致傷罪で刑事告訴している。