リネン室に重曹が常備されていた(従業員提供)
「もういいんじゃないですか? 終わるんだから」
——3階の部屋風呂は、温泉なんでしょうか?
「そうです、そうです、そうですよ」
——従業員から、「水道水に重曹を混ぜていた」と証言を得ています。
「(そんなことは)ないです」
——施設使用料の未払いや従業員への給料未払いもあると聞いています。
「全くないです」
逃げるように車に乗り込んだA氏。その後、真相を確かめるべくもう一度直撃すると、同行していた弁護士が立ち塞がった。
——旅館を閉めることは池田町に伝えているのでしょうか。
弁護士「もう、答える必要あるんですかね?」
——部屋風呂に重曹を混ぜていた件は、本当に違うんですね?
A氏「誰からのリークなの? それ」
弁護士「まあ、もういいんじゃないですか? 終わるんだから」
——ノーコメントということですか?
弁護士「ノーコメントでいいんじゃないですかね」
そうして2人は荷物を積み込んだバンに乗り込み、暗闇の中に消えていった。翌朝、旅館の入り口に貼られていたのは、〈事業を停止することとなりました〉という1枚の紙切れだったのだ。