夜逃げの夜、A氏は次々にバンに段ボールを運び入れていた
8月某日の昼、記者がこの日定休日だった喫茶店を訪れると、入り口に「当店は池田温泉となんら関係ございません。会社が違います」と書かれた張り紙が貼られていた。しかし夜に改めて店を訪問すると、A氏が店内で作業をしているのだ——。
夜逃げ状態になっている旅館やレストランについて、どう答えるのか。店から出てきたA氏に記者が話しかけたが、A氏は記者を睨みつけ、何を聞いても終始無言。そのまま駐車場に停めていた高級外車・BMWに乗り込み、スピードを上げて走り去っていった。
「池田温泉」総支配人が明かした現状
池田町が運営する「池田温泉」は、池田町の観光産業の中心となっている。ヌルヌルする泉質の天然温泉は評価が高く、「池田温泉 新館」の1階部分、「池田温泉 本館」にある日帰り温泉はこれまで通り営業している。
町の職員でもある「池田温泉」の総支配人は、「いまだにA氏からの連絡はありません」と肩を落とす。
「こういう形になってしまって残念です。現在もまだ、2、3階部分には入れません。町のものですが、中に入っている動産部分は弁護士らが専有管理しているということになっていますので……。
弁護士さんとは、返金や動産部分の返却を含む今後のことについて一度話しましたが、算段はまだ全然つきません」(「池田温泉」総支配人)