「燦燦会」で司会を務めた馬場典子アナと長嶋茂雄さん

「燦燦会」で司会を務めた馬場典子アナと長嶋茂雄さん

『ファンのために」の真意

馬場:私の宝物は、唯一のツーショット写真です。2004年3月に脳梗塞で倒れる前の「燦燦会(巨人を応援する財界人の集まり)」で、司会を務めた時のもの。ご病気で渡航は叶いませんでしたが、代表監督を務めていたアテネ五輪の壮行会でもあり、そこで初めてお願いして撮っていただいた貴重な写真です。

大神:私は2006年に長男が生まれてすごく喜んでくださったことが思い出。中学に上がるくらいまで誕生日に毎年お洋服を送ってくださった。恐れ多くてなかなか着せることができなかったけど、今も大事にとってあります。

馬場:人の縁や絆を大事にして、それを形にされる方でしたよね。

大神:今も野球を続けている息子にそのことを話しても「本当かな」と実感がない感じ。元木もそうですが、“野球の国”というのがあって。寝ても覚めても野球の話をずーっとしているような。息子の野球で出会ういろんなチームの選手、監督やコーチにとって、長嶋さんは野球の国の王様なんだなと思う。

馬場:長嶋さんはいつも「ファンのために」と口にされるじゃないですか。長嶋さんはどこを切り取っても結局そこに行き着く。

 ご病気後にお会いする機会が何度かありましたが、その頃は後遺症で不自由な右手をいつもポケットに入れて歩かれていました。周囲に気を遣わせないようにという配慮と、ファンにとってずっとかっこいい長嶋茂雄でありたいという気持ちがあったと思います。

大神:我が家では結婚の時にいただいた「野球とは人生そのものだ」と書かれた色紙を飾ってるの。よく、「〇〇の道は人生そのもの」という言い方があるけど、結婚から25年が経ち、子供が野球に育ててもらったりしている今、「野球とは」の意味が本当にわかります。

馬場:一度、リハビリを兼ねた朝の散歩を緑溢れる公園でご一緒したことがありました。他愛のない話ばかりでしたけど、本当に穏やかな幸せな時間でした。

「またね」と言ってくださったんですが、散歩はそれきりで……もっと懐に飛び込めば良かったです。私たちの心のなかで長嶋監督はずっと生き続けてくれます。

(了。前編から読む

【プロフィール】
大神いずみ(おおがみ・いずみ)/1969年生まれ、福岡県出身。フェリス女学院大学を卒業後、1992年に日本テレビ入社。バラエティー番組を中心に数々の番組を担当。1999年に退社、2000年に元木大介と結婚。現在はタレントとして活動中。

馬場典子(ばば・のりこ)/1974年生まれ、東京都出身。早稲田大学を卒業後、1997年に日本テレビ入社。情報・スポーツ・料理など様々な番組を担当。2014年に退社後はフリーアナウンサーとして活動、2015年に大阪芸術大学放送学科教授就任。

※週刊ポスト2025年8月15・22日号

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