感染症対策は予防につとめるのが効果的(写真提供/イメージマート)

感染症対策は予防につとめるのが効果的(写真提供/イメージマート)

チョコの甘さはわからないがミントは感じることができた

 飲食店に勤務する40代の元シェフはコロナに2度感染し、味覚障害の後遺症が残った。「自分は味覚障害で、同じ時期にコロナにかかった同僚は嗅覚障害が残った。料理人にとって味覚障害も嗅覚障害も致命的。材料のにおいがわからないシェフなんて無理。彼は事務職に転職したよ」。

 そう話す男性の味覚障害もかなり重いものだ。「1度目にかかった時、味がまったくしなくなった。治ってから数か月経ち、ようやく味がするようになったところで再度コロナに感染。その後からほとんどの味がわからなくなった」と話す。

 コロナで店を閉めている間に治ると思っていたそうだが、味覚は戻らなかった。「どんなに甘くても甘さを感じないし、いくら辛くても辛さがわからない。身体は辛みを感じるようで、激辛料理を食べると体が熱くなって汗が噴き出す。それでどれくらいの辛さかわかる。味覚はないが温度はわかるので、暑いとアイスをよく食べる。どれを食べても同じだが、先日チョコミントのアイスを食べたら。チョコの甘さはわからないがミントは感じることができた」と嬉しそうに話す。

「外食では食べたことのある物を選び、頭の中で味を思い出しながら食べる。困るのは会食。食べたことのない物を出されると味がしない」(男性)。木村拓哉さん主演の映画「グランメゾン・パリ」では、鈴木京香さん演じる絶対的な味覚を持つシェフ早見倫子もコロナで味覚障害を患っていたという設定になっていた。彼女は味覚を取り戻したが、男性の味覚は戻っていないどころか、感じられない味覚の幅が広がっている気がするという。「料理を作るのはもう無理だから運営側に回った。食べる楽しみ作る楽しみも今はない」(男性)。コロナ禍は過ぎ去ったとばかり思っていたが、そうではない人々がまだ大勢いる。

 現在、流行している新型コロナのウイルスは、オミクロン株から派生した変異種で通称ニンバスという。カミソリを飲み込んだような強烈な喉の痛みが特徴だという。インバウンド客の増加に伴い人々の往来が盛んになった今では、いつどんなウイルスが持ち込まれても不思議ではない。感染しないよう、個々人がそれぞれ対策するしかない。

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