逮捕直前の容疑者。手には白い袋を携えている(住民提供)
「理由は分かりませんが、彼は小学4年生のころから不登校気味でした。気づいたら学校にあまりこなくなって、中学2年生くらいにはほとんど姿を見かけなくなりました。
小学校の時は放課後によく宿題やプリントを友達ともっていきましたよ。大人しい感じでしたけど、遊ぶとニコニコして穏やかな男子。ただ成績はかなり悪いほうだったと記憶しています」
他の同級生からは「印象が薄い」との声が多く聞かれた容疑者だが、こんな“趣味”をもっていた。
「周りの男子と同じようにテレビゲームとかも好きでしたが、特にエアガンとかミリタリー系が好きでしたね。ハンドガンなどを何丁もコレクションしていて、よくそれを自慢げに見せてきた。
あるとき、友達と歩いていると近所の公園で谷本が1人でエアガンをバンバン撃ちまくっていた。『学校をサボって何をやっているんだろう』と子どもながらに思いましたね。当時は変わったヤツだなくらいにしか感じていなかったけど、まさか人を殺すなんて……」(同前)
在阪の大手紙社会部記者がいう。
「容疑者が2022年に起こした事件の公判では、当時担当だった神戸地裁の安西二郎裁判長が『住居侵入・傷害事件の翌日に、謝って許してもらいたいと考えて、被害者の心情に思いを致すことなく、被害者方へと赴こうとした経緯からしても、思考の歪みは顕著である。再犯が強く危惧されると言わざるを得ない』と述べています」
「犯行自体は認めていて、反省した様子もあった」(前出・全国紙記者)ことなどから、言い渡されたのは懲役2年6か月、執行猶予5年だった。その後、男は地元を離れ関東へ移住。逮捕時はドライバーとして真面目に働いていたが、執行猶予が明けるまでにまだ2年を残していた。
そして谷本容疑者は「反省」することなく、ついには尊い命を奪った。
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