スイングスピードが上がることにより、「芯に当たらなくてもホームランになる」という結果につながるという。
「今季、佐藤がホームランを打った球種の内訳を見てみましょう。フォーシームが50%以上を占めるのは昨年、一昨年と変わらない。特筆すべきは、スライダーを打ったホームランの割合が昨年の12.2%から18.8%に上昇したこと。スライダーは引っかけたり、芯を外される可能性が高い球ですが、それをホームランにしている。技術の進化というより、スイングスピードが上がったためにこれまで外野フライだった打球がスタンドインしているのではないかと考えられます」(広尾氏)
今季、ホームランにした球種は大きく変化
また、昨季までの課題が改善されていることも数字で読み取れるという。
「昨年は左投手からの本塁打が27.4%、右投手からが72.3%という内訳でしたが、今年は対左投手が31.3%、対右投手が68.8%。苦手だった左対左に改善が見られます。また、ホームランの打球方向を見ると、右方向へ引っ張っての本塁打は昨年の68.8%から65.6%に微減。代わりに、バックスクリーン方向への本塁打が6.3%から21.6%へと大幅に増加しています。
昨年は左投手が打てず、引っ張り一辺倒になって本塁打数を減らしていましたが、その課題が一定程度、克服されている結果と読み取れます。大谷の場合、反対方向(レフト方向)へのホームランが増えて本塁打数を大きく伸ばしましたが、佐藤もここからさらに左方向に飛ばす意識を持てば、さらに記録をのばせるのではないか」
今季の記録をどこまで伸ばせるのか。虎党の期待を一身に背負った戦いが続く。