エプスタインによる虐待の被害者たちが、2025年9月3日、米国ワシントンD.C.の下院三角地帯/キャピトル・ヒルにて、エプスタイン・ファイル透明性法に関する記者会見を開いた(時事通信フォト)
被害者らが語った悲痛な思い
今年2月27日、アメリカ司法省が広報局のホームページにて、約200ページにおよぶ機密指定文書“エプスタインリスト”を公開したが、そのほとんどが過去に公開された裁判資料などと重複しており、顧客リストは含まれていなかった。その後、司法省のパム・ボンディ司法長官(59)がFBIに対して全資料の引き渡しを要求した。
しかし、7月に司法省は「捜査資料を精査した結果、顧客リストなるものは存在せず、エプスタイン元被告が著名な人物を脅迫していたという証拠は見つからなかった」 との結果を公表。この結果を受けて、納得できなかった被害者らが“独自の顧客リスト”作成を宣言したのだ。被害者らは今週、米ニュースメディア・CNNのインタビューに応じ 、悲痛な思いを告白している。前出・大手紙国際部記者が解説する。
「被害者の1人、コートニー・ワイルドさんがエプスタイン元被告と出会ったのは14歳の頃。中学時代はトランペットの首席奏者やチアリーダーのキャプテンを務める優等生だったというが、高校に入学する直前、両親が薬物中毒の末にホームレスに。その後、友人を介してエプスタイン元被告に雇われ 、彼の邸宅で男性相手に“マッサージ”をしてお金を稼いでいたといいます。
ワイルドさんは、元被告が彼女を巧みに支配していたと語っています。事件発覚後の政府の対応によって二次被害が生じているとし、“新たな虐待だ”と主張している。彼女は被害者の保護と事件に関する情報の透明性を求めています」(同前)
事件の全貌を明らかにせよとの要求の声が強まるなか、米国政府は9月2日に新たな捜査資料として、現場とされるエプスタイン邸を撮影したビデオを公開した──。