2024年、油彩画を奉納していた(荒川区民ニュースのHP)
5歳まで過ごした「下町」に最後まで通って
最後までステージに立とうとした橋さん。彼が愛したものは、歌のほかに、もうひとつある。故郷・荒川区東尾久(尾久町)だ。体調不良を抱えながらも、祭りに足を運び続けたという。地元住民が明かす。
「静岡県熱海市に自宅があるそうですが、折を見て尾久八幡神社の斎行に訪れていました。昨年もいらっしゃって、法被を来て、お神輿と記念写真を撮影していましたよ。移動するのも大変でしょうに、なんて地元への愛が深い方なんだと感動しました。
『尾久に住んでいたのは5歳までだから、はっきり記憶があるわけじゃないけど、なぜか当時の住所は番地までしっかり覚えているんだ』と笑っていました」
橋さんには、ほかの家族と協力して、認知症の母親を7年間介護した経験があった。当時の苦労を以下のように振り返っていた。
〈状況が許さない場合も多いのですが、「年老いた親の世話を家族が行うのは当然のこと」だと思うことが、介護の原点です。「自宅の畳の上で最後を迎えたい」という、人として当たり前の希望を受け入れる理解が必要です〉(「荒川ゆうネット」より)
ご冥福をお祈りします。