垢抜けていく過程をコンテンツにしていた(TikTokより)
「“あること”がきっかけで可愛くなりたいと思った」
容疑者が運用していたTikTokアカウントを見ると、総フォロワーは約1万人。冒頭の初めて投稿されたとみられる動画では、すっぴんパジャマ姿の自分を映し、AIボイスで〈“あること”がきっかけで可愛くなりたいと思った〉と、投稿を始めた理由を語っている。
およそ2年間で投稿された画像や動画は25点。それぞれの概要欄には〈かわいくなりたい〉〈#垢抜け〉といった文言も確認できる。
投稿のほとんどがメイクをしたり、ダイエットの結果を報告したりする内容だった。ユーザーネーム「H子(仮称)」のあとには【変身】とも付されてある。
また昨年10月、容疑者は〈プレゼント貰うならなにが嬉しい?〉という一文とともに画像を投稿。フォロワーに意見を求めるとともに、プレゼントをあげる対象についてこう説明している。
〈39歳男性〉〈独身〉〈お金持ち〉〈おしゃれ〉〈美容に詳しい〉
これが件の“パパ活”相手だったかは定かではないが、すでにこの頃から容疑者には懇意にしていた男性がいたのかもしれない。投稿は2月28日を境に途絶えており、最後の投稿は〈50kg→44kg〉〈1か月で-6kg〉などとダイエット記録を報告するものだった。
堂々と顔出しで「”垢抜け女子”TikTok」をしていたこともあり、容疑者のSNS活動を認知していた児童も多かったようだ。容疑者が勤務していた学区内に住む小学5年生の男児の親はこう明かした。
「大平先生は、手芸クラブで子どもたちに裁縫なんかを教えていました。手先が器用で、なんでもパパッと作れたそうです。うちの子にも『私は編み物が得意なんだ』って言っていたみたいですね。
TikTokの動画はうちの子も見たそうですが、学校での大平先生とイメージがかなり違ったみたいで驚いていました。普段は目立たなくて真面目な感じだったそうですから。『僕らには見せない一面があったんだね』というようなことを言っています。逮捕されたことについては、今も学校で話題になっているようです」
事件を受けて8月29日、小池百合子東京都知事も記者会見で「あってはならないこと。加えて教育者であるということは誠に遺憾」と苦言を呈した。昨今、頻発する教師の逮捕事案。失った信頼はあまりに重い。
(了。前編から読む)