「東洋大の正式な卒業証書」のコピーを見る、シースルージャケット姿の田久保市長(共同通信)
ある伊東市の自民党関係者が語る。
「市議会の定数は20名。議会解散を伴う不信任案の可決には3分の2以上の市議の出席と過半数の票が必要です。仮に田久保派の議員が7人以上受かれば、その市議らの欠席をもって不信任案を事実上、妨害できる。逆に言えば、解散後の市議選で仲間を集められなければ彼女はチェックメイトなのです」
伊東のジャンヌ・ダルクも、さすがに傍観しているだけではない。ある支持者が彼女の“思惑”について、どこか高揚した様子でこう話す。
「すでに3人ほど、“市長派”の人間に声をかけています。候補者は10人弱は擁立したい考えだそうです。市議会が空になっている間、田久保さんは市議の邪魔が入らず発言できる。支援者はなにを明かしてくれるのか、期待しているんです」
一方で、別の支援者は“負けシナリオ”について危惧していた。
「田久保さんの支援者の中には、『(戦い方を)参政党に相談するのはどうか』などと言って、自民派でも田久保派でもない別の人間を市議に仕立てようという動きもある。候補者が乱立してしまうと、票割れを起こして、結局は保守派の人数が多く当選することも考えられます。実は、かつての支援者にも田久保さんに不信感を募らせている人は多く、カオスな状況になっているんです」
田久保氏が「勝つ」未来はあるのか──。