退陣の記者会見に臨んだ石破茂首相(時事通信フォト)
令和になってから3人目の首相である石破茂氏が自由民主党の総裁を辞任すると表明した。与党の総裁はこれまで総理大臣となり、日本の顔となってきた。とくに外交の場では首相本人だけでなく、そのパートナーも国を代表する人として注目を集めることになる。臨床心理士の岡村美奈さんが、自民総裁選候補者のパートナーたちについて分析する。
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「まさか昨日、石破総理大臣が総裁を辞任するという話になると思っていなかった」と、8日、山口県防府市の講演で、自民党の麻生太郎最高顧問に言わせたほど突然だった石破茂首相の辞任表明。自民党内に吹いた石破降ろしの風が強まっていくのに逆らい、SNSでは”石破辞めるな”がトレンド入りし石破政権の支持率は上昇。疲れた顔になりながら続投に意欲を見せていた石破首相だったが、菅元首相や小泉農林水産相との会談で気持ちが固まったという。
石破総裁が誕生した時、これで少しは自民党が変わるかもしれないと期待した国民は肩透かしを食った。結局この1年、自民党の体質は変わらなかった。その自民党では、10月に行われる予定の総裁選に向けた動きが加速し、早くも熱を帯びてきた。様々なメディアが有力候補としてあげているのは、前回の総裁選で石破首相と最後まで争った前経済安全保障担当相の高市早苗氏。そして農林水産相として令和の米騒動で大胆な策を打ち出した小泉進次郎氏。他にも総裁選に早々と名乗り出た前幹事長の茂木敏充氏。出馬が想定されている内閣官房長官の林芳正氏、小林鷹之元経済安全保障担当相。
誰が総裁になるのかわからないし、少数与党となった自民党の総裁がそのまま横滑りで首相になるかもわからない。慣例的にみて総裁が首相になると仮定すると、外交などの場面では首相の伴侶がファーストレディーになる。ファーストレディーの役割や立場は重要だ。外交の場において、そのファッションや立ち居振る舞い、佇まいは首脳としての伴侶のイメージだけでなく、相手への敬意を表し、国や政権の印象に少なからず影響を与える。各国のファーストレディーが居並ぶ中で、洗練されたファッション、センスのある着こなしや振る舞いができるファーストレディーは、見ている国民にどこか誇らしさを感じさせるものでもある。
石破首相の妻、佳子夫人も装いは度々、世間をざわつかせた。東南アジアを外遊する首相と共に訪れたベトナムでは、招かれた夕食会で見せた花柄のワンピースに疑問の声が。若い女性に人気のブランドで”女子大生ワンピ”だったため、TPOに合わない、似合わない、格が違うと散々だ。カナダで開催されたG7での服装にも辛辣な声が多かった。2日目、カーニー首相夫妻の出迎えを受けた時は黒のワンピースにシルバーのネックレス。高身長のカーニー夫人の横に立つ佳子夫人は小柄。なのに黒では重すぎてやぼったい。TPOに合あわない服装や、洗練されていない印象は、そのまま首相のイメージに結びつく。はっきり言ってしまえば、彼女の服装にがっかりした国民が多かったことだろう。