「中野駅前大盆踊り大会」前夜祭でのイベント「ピンク盆踊り」がSNSを通じて拡散され問題に
「不適切だったと思う。公共のオープンスペースでやるべきものではない」━━中野区の酒井直人区長が9月8日の記者会見で不快感を隠さなかったのは、8月1日に行われた「中野駅前大盆踊り大会」前夜祭でのイベント「ピンク盆踊り」だった。その前夜祭に参加した中野区民はこう話す。
「当日は台風が来ていて風は強かったんですが、雨は降らなかったので結構人がいました。17時15分から20時15分にかけて開催されていました。
赤い提灯を連ねたステージが作られ、『YOASOBI』の曲などでダンサーが踊り、ステージ下のスペースでは一般区民も一緒になって踊っていました。
駅からは少しだけ離れていますが場所が公園ですし、公園前にあるオフィスビル1階には飲食チェーンも並んでいますので、親子連れの姿も見られましたね」
「中野駅前大盆踊り大会」は2013年に始まり、2018年にはアメリカのロックバンド、ボン・ジョヴィの「Livin’ On A Prayer」に合わせて踊る「盆ジョヴィ」がSNSを通じて全国的に拡散、知名度が急上昇した。昨年はボン・ジョヴィのメンバーが大会にメッセージを送る「公認」盆踊りとなり、今年の8月2日と3日の開催では合わせて約9万人が来場したという。
その前日に開催された「ピンク盆踊り」は本祭と同じく「中野区大盆踊り実行委員会」の主催だった。ピンクというだけあって踊りや歌詞に性的な意味が含まれているものもあり、中野区に本社を構えるソフト・オン・デマンド(SOD)の女性社員らによる浴衣ファッションショーや、セクシー女優らを踊り手とした盆踊り が会場で披露された。この際、流れていたのが下ネタソングで人気のお笑いコンビ「どぶろっく」の『イチモツ音頭』だったという。
こうした盆踊りを公共の場で行ったことがSNSを通じて拡散され問題となり、8月8日には区と、中野セントラルパークの所有者が共同で実行委員会に対して抗議文を送付。東京新聞も同月12日にいきさつを報じていたが、その後の区長会見で問題が再燃した。問題発覚の経緯について、中野区の公園課はこう話す。
「会場が隣接する『中野四季の森公園』は区の公園ですが、 管理は指定管理者(管理者は公園前のオフィスビルを管理する東京建物などからなる『中野セントラルパーク共同事業体』 )が行っています。前夜祭の届け出は指定管理者にありましたが、ピンク盆踊りについては書かれていなかったそうで、開催後に指定管理者から『こんなことをやっちゃってました』という報告で初めて認識しました。
指定管理者も我々区側も内容は知らなかったし、知っていたら許可は出さなかった。市民からの苦情も同時期にありました」