背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(REDより)
中国・上海で8月に開催されたアジア最大級のペットに関する展示会「ペットフェア・アジア」で、龍のタトゥーを背中に彫り込まれたイヌが会場に姿を現し、物議を醸した問題。体毛のないメキシカン・ヘアレス・ドッグがタトゥーを入れることを望むはずはなく、飼い主の身勝手な行為に批判が相次いだ。【前後編の後編。前編から読む】
大手紙国際部記者はこう話す。
「メキシカン・ヘアレス・ドッグは前足の付け根あたりから背中を通ってお尻に至るまで、びっしりと龍のタトゥーが彫られていました。タトゥーだけではなく、首には金のギラギラしたチェーンが巻かれ、前足には金の腕時計までつけられていたのです。
飼い主は会場でメキシカン・ヘアレス・ドッグの首をつかんで持ち上げてみせ、『ね? こいつは痛みを感じないんだよ』と豪語していたことも批判を集めました。心無しか、犬が悲しんでいるように見える映像も拡散し、大炎上しました」
タトゥーの施術には人間でも痛みを伴うほか、感染症のリスクなどもある。日本で活動する彫師らに取材したところ、みな批判的だった。
「犬に入れ墨? えーって感じですね。人間でいうと、痛くなくて毛抜きぐらいの感じ。一番痛いと悶絶するレベルですよ」(女性彫師)
「犬に入れ墨は、人としてやってはいけないですね。イエス、ノーが言えない動物にやるのは、動物虐待でしかない。痛みを感じにくい部位もありますが、神経の近い肘裏、膝裏、手首、脇の下などはめちゃくちゃ痛いですよ。ただ、本人が希望してきているので、そういう人は耐えられるんですよ。たまに、耐えられなくて帰ってしまう人もいます。意思表示出来ない生き物にやるなんて、人間としてどうなんだって感じですね」(多摩地区の男性彫師)
「痛みとしては、切れない刃物の裏で皮膚を削っている感じ。カッターの裏側や鋭くない釘で強く押さえながら削っている感じですかね」(別の都内の彫師)
東京都内の 動物病院の獣医師もこう警鐘を鳴らす。