羽生にとってA氏は心から信頼できる人物さという(写真/AFLO)
“おとがめなし”で逆戻り
関係者へのヒアリングが終わり、2025年のノッテ公演の準備が進む中、調査をした日本テレビはある結論を出した。前出のノッテ関係者が続ける。
「調査の結果を踏まえ、A氏の言動についてはパワハラには該当しないと結論付けました。ヒアリング対象者にも、この結果が共有されたようで、一部の関係者からは、“あの言動がパワハラに値しないのか”という声も上がっていました」
ハラスメント事案に詳しい、しいの木法律事務所の萩尾健太弁護士はこう語る。
「専門的な知識を持つ第三者を交えても、パワハラの有無を判断するのは簡単ではありません。どこまでが指導でどこからがハラスメントなのか、音声や映像など証拠はあるのかなど、さまざまな観点を考慮する必要があります。
また、厳しい物言いになったとしても、それが業務上の不備を指摘するうえで必要なものであれば、正当な指導の範囲内の言動だと見なされ、ハラスメントには当たらない場合もあります。しかしそれも限度があります」
本誌『女性セブン』は、A氏のハラスメントが認められなかったと結論付けた根拠を日本テレビ側に尋ねたが、「しかるべき部署を中心に複数の外部弁護士も交えて関係者へのヒアリングを含む調査を実施し、その結果、『ハラスメントの事実はなかった』と結論付ける弁護士の意見書を受領しました」と回答した。
自らの名を冠したアイスショーでのパワハラ告発騒動は、羽生の耳にも入ったという。
「結論が出た後、羽生さんに経緯説明が行われたそうです。自分の知らないところでそんなことが起きていたのかと困惑を隠せない様子でしたが、パワハラだと認定されなかったことを知り安堵したようです」(前出・ノッテ関係者)
だが前述のように、ノッテ関係者の間では、現在もA氏の態度に疑問の声が上がっているという。
「2025年公演の準備と同時にヒアリングが行われていた最中はイライラしても踏みとどまる様子がありましたが、調査結果が出ると以前の状態に逆戻り。時にはかねて問題視されている逆上して机を叩いたりする行為も見られました。一度“おとがめなし”となっているため現状を訴えても、改善される様子は見られません」(前出・ノッテ関係者)
本誌は一連の騒動についてA氏にも話を聞くべく電話をかけたが、A氏は出なかった。一方、日本テレビに「現在のA氏の行きすぎた行動」について尋ねると「そのような事実は把握しておりません。現状でヒアリング等の調査を行う予定はございません」との返答だった。
萩尾氏はこう指摘する。
「2022年4月以降、ハラスメントに関する相談があった場合、事実関係を調査する義務がすべての企業にはあります。調査を怠ると、行政指導の対象になったり、損害賠償責任を負ったりする可能性があります」
ノッテ公演の見どころの1つといえば、2025年の野村萬斎(59才)や2023年の元体操日本代表の内村航平(36才)など、さまざまな人とのコラボ演技だ。
「誰とコラボするか羽生さんと一緒に考えるのもA氏の役目です。替えの利かない存在だけに、運営サイドからしてもA氏は“特別”なのかもしれません。自分との架け橋を担っていることを理由にこのような態度が許されてしまっているのだとすれば、羽生さんとしても複雑な思いがあるのではないでしょうか」(前出・ノッテ関係者)
アイスショーは、さまざまな関係者の協力のもと成り立っている。そこで働くスタッフが、疑念を抱えていては本当の意味で観客を感動させることはできない。メンテナンス中の羽生は、来年のノッテ公演で“満天の星”の輝きを見せられるのだろうか。
※女性セブン2025年9月25日・10月2日号