国内

小泉進次郎氏は「答弁下手」のイメージ回避、林氏は決断力に弱点? 自民党総裁選、メディアに掲載される写真が与える影響を臨床心理士が分析

自民党総裁選に出馬する意向を表明し、報道陣の取材に応じる自民党の高市早苗前経済安全保障担当相(右端)。9月18日(時事通信フォト)

自民党総裁選に出馬する意向を表明し、報道陣の取材に応じる自民党の高市早苗前経済安全保障担当相(右端)。9月18日(時事通信フォト)

 政治家も見た目をプロデュースするのが当たり前になってずいぶん経つが、公の場所で撮影された報道写真の写り方も演出できる人はまだ少ない。とくに、報道写真が国民に与える印象までコントロールするのは難しい。臨床心理士の岡村美奈さんが、自民党総裁選を報じるなかでたびたび引用される各候補の「写真うつり」が人々に与える評価について分析する。

 * * *
 いくら次期首相候補と紹介しているとはいえ、この写真はいかがなものか!? ちょっと怖くて、こんな表情をされたら思わず引いてしまうだろう。

 そんなインパクトある表情の顔写真を掲載したのは、9月9日付けのBBC NEWS JAPAN「【解説】5人で4人目の首相、日本で選出へ 自民党の総裁選の行方は」とのタイトルの記事だ。石破首相の辞任表明について解説し、次期首相の有力候補として農林水産相の小泉進次郎氏、内閣官房長官の林芳正氏、前経済安全保障担当相の高市早苗氏を紹介している。

 向かって右の高市氏の写真は大きく見開いた目がなんとも怖い。何かを凝視しようとしているのか。口元に力が入り、眉を上げ目元も吊り上がり、攻撃的な感じがする。記事には保守強硬派として知られるとあるが、まさに強硬的で威圧的。黒系のダークな服装に渋い色味の真珠のネックレスがその印象を強くする。

 この写真の高市氏に好感を持つのは難しい。隣の写真はそれと対照的な林氏。2つの写真が並ぶと、高市氏の表情の奇異さが目立つ。林氏は黒系のダークスーツにモスグリーンのネクタイ。記事でも実務型の政治家と紹介されているだけに、正面を向いた写真は落ち着いた印象だ。だが日に焼けて健康的な顔色とすっきりした輪郭の小泉氏の写真と並ぶと、林氏の白い顔と輪郭の丸さが際立ち、積極性やスピード感は感じられない。

 小泉氏の写真は、青のスーツに青のネクタイで爽やかで溌剌とした印象だ。右下に顔を傾け、何かを熱心に聞いているような表情を見せて、記事でも若々しさとメディア対応力に優れているとあった。

 写真で3人のイメージを伝えようとしたのだろうか。

 自民党では出馬が予想されていた議員らが次々と出馬を表明。様々なメディアが首相候補の分析をする際に使われるのが候補者の顔写真だ。どんな写真を選ぶかはメディアによってまちまち。アングルや表情を統一するメディアもあるが、バラバラのメディアもある。写真一枚で人物の印象が変わるわけではないが、写真の使われ方によっては候補者らが意図しない方向でイメージ付けされることもある。

 総裁選をめぐるウェブメディアの記事に掲載された各写真を比べると、写真によって誰のイメージがわかりやすく固定化しているかが見てとれる。12日付けの朝日新聞オンライン版「自民党総裁選、5人の争いとなる見通し 小泉農相が立候補の意向」や、16日付けのテレ朝NEWS「”沈黙の高市氏”何してる?総裁選出馬ラッシュ 候補者の動き本格化」で掲載された写真などはその違いがわかりやすい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン