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ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」10年目の真実 田中史朗、大野均ほか選手たちが振り返る「奇跡の兆し」と「残り時間4秒の神がかり」

試合が進むにつれ、「声援でスタジアムが揺れているように感じた」(立川理道)とその熱狂ぶりを振り返った(写真/共同通信社)

 2015年ラグビーW杯で、エディー・ジョーンズHC率いる日本代表が格上の南アフリカに勝った「ブライトンの奇跡」は「スポーツ史上最大の番狂わせ」と呼ばれ、JAPANラグビーの飛躍のきっかけとなった──。

 世界中の誰もが南アの勝利を確信していた。それでも、グラウンド上の選手たちは、最後の瞬間まで諦めていなかった。桜ジャージの男たちが「奇跡」を手繰り寄せた道程を語る。

「罪滅ぼしをする責任があった」

 人生を賭けた。エディー・ジョーンズがそう振り返った試合は、指揮官の想定通りに進んでいた。22対22で迎えた後半20分までは──。

 2015年9月19日、ラグビーW杯イングランド大会。過去7大会で日本の通算成績は、わずか1勝21敗2分。初戦の相手は、2度の優勝を誇る南アフリカ。日本の勝利を想像する者は皆無に等しかった。後にラグビーという枠組みを超え“スポーツ史上最大の番狂わせ”と称される勝利は、まさに奇跡と呼ぶにふさわしい偉業だった。

 奇跡には、周到な準備と緻密な計画が不可欠だ。しかしそれだけでは奇跡には届かない。必要なのは想定外の「プラスα」だ。

 ブライトンの奇跡を実現した想定外こそが、エディーも予期しない日本代表の進化だった。

 奇跡の兆し。それは、W杯を1年後に控えた2014年夏のことだった。ニュージーランドのハイランダーズでプレーを終え、帰国した田中史朗は取材陣にこう話した。

「トレーニングに意味があるのか。エディーに直接、確認したい」

 記事を知り「あの発言はなんだ!」と激怒するエディーに対し、田中は「やらされる練習じゃ意味ないやろ」と言い返した。エディーも反論した。

「まだ日本人は自ら動けない。だからいまはやらせているんだ!」

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