崖っぷちの同級生コンビ(左から坂本勇人、田中将大)
9月28日のヤクルト戦での先発登板が有力視されていた巨人・田中将大だが、同日は登板せず、次はシーズン最終戦となる10月1日の中日戦が候補と見られている。ただ、年俸5億円ながら代打起用されている同級生・坂本勇人ともに、V逸した巨人にとってはその処遇が大きな悩みのタネとなりそうだ。
ふたりはともに現役続行の見通しだが、来年に向けてすでに暗雲が立ち込めているという。巨人担当記者が言う。
「マー君は8月21日のヤクルト戦で今季2勝目の199勝を挙げ、史上4人目となる日米通算200勝へ王手をかけたが、そこからは黒星続き。結局、このあとのラストチャンスに懸けるかたちとなるものの、200勝が達成できなかった場合の現役続行は既定路線とされます。
シーズン2位を確保してCSのファーストステージを本拠地開催したい重要な時期だったのに、マー君にチャンスを与え続ける阿部(慎之助)監督の姿勢がチームの士気も下げているとの批判がOBや球団関係者からも出ていた」
ある巨人OBは「マー君の200勝達成よりも、若手起用を重視すべきではなったか」と疑問を呈す。
「立ち上がりに失点するパターンが多いのと、4回以降に四球が増えるケースが目立った。つまりは体力不足が考えられるわけだが、それでも先発起用を続けたことは疑問だ。そもそも、なぜ200勝にこだわるのかわからない。名球会は藤川球児や上原浩治が入会条件を満たしていないのに特例として入会させており、勝ち星だけにこだわる必要はなくなったはず。どうせ負け覚悟でやるなら、若手を起用して経験を積ませるべきではなかったか」
田中と同級生コンビの坂本も現役続行の方向だとみられる。坂本は開幕スタメン入りを果たしたものの、4月15日に登録抹消。その後、一軍復帰と登録抹消を繰り返してきた。8月12日を最後にスタメンはなく、代打要員としてベンチに入っていた。前出・巨人担当記者が言う。
「中日戦(9月6日)で9回に代打で登場して同点打を放ち、広島戦(同10日)では8回に代打で決勝犠牲フライを打ってお立ち台に上がった。そして、阪神との最終戦(同13日)では代打として9回裏に出場して自身12本目のサヨナラ安打を放っている。3試合連続で代打としての役割を果たしたことで“切り札”と期待されるようになった。代打では打率3割台の数字を残している。
ただ、年俸が5億円ですからね。阪神戦でサヨナラ安打を放った時も、最近では恒例のペットボトルでの水かけを誰もしなかった。それだけ大物ということですが、チーム内では浮いている存在にも見えます」