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現役最多勝・国枝栄調教師が「私にとっても奇跡の馬」と振り返る名牝・アーモンドアイ、「すべてのホースマンの夢の結晶といってもいい」

「人生の節目で運に恵まれ、要領や巡りあわせがよかった」と振り返る国枝栄氏

アーモンドアイは「私にとっても奇跡の馬」と振り返る国枝栄氏

 1978年に調教助手として競馬界に入り、1989年に調教師免許を取得。以来、アパパネ、アーモンドアイという2頭の牝馬三冠を育てた現役最多勝調教師・国枝栄氏が、2026年2月いっぱいで引退する。国枝調教師が華やかで波乱に満ちた48年の競馬人生を振り返りつつ、サラブレッドという動物の魅力を綴るコラム連載「人間万事塞翁が競馬」から、サンデーサイレンス産駒についてお届けする。

 * * *
 マツリダゴッホが9番人気で勝った2007年の有馬記念には、やはりサンデーサイレンスのラストクロップである関西所属の牝馬フサイチパンドラも出走するはずだった。しかし故障のためレース前日に出走を取り消し、そのまま引退して母親になった。

 繰り上がりとはいえエリザベス女王杯を勝ち、GII札幌記念も勝っているだけに初年度からシンボリクリスエス、その後はキングカメハメハというように一線級の種牡馬と交配され、セレクトセールでも高額で落札されたり、クラブの看板馬として募集されたりした。ところが初仔こそ2勝をあげたが、その後の5頭は1勝、未勝利、未出走。

 そして7年目には引退したばかりのロードカナロアがつけられた。GI6勝の名馬だが、うち5勝は1200mのスプリンター。今でこそ産駒の距離不問が証明されて人気種牡馬になっているが、当初産駒は長いところがどうだろうかという声もあった。

 生まれてきた子は1頭500口のシルクホースクラブで総額3000万円と比較的リーズナブルな価格で募集された。深く澄んだ瞳を持つ娘は「アーモンドアイ」と名付けられ、第7仔にして初めて関東・美浦トレセンの国枝厩舎にやってきた。

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