野津英滉被告(共同通信)
母は「親として足りない部分が…」
引き続いて、一家の生活状況について、叔母の供述調書が読まれる。
原因について考えるがはっきりとは分からない。しかし、被告人には積もり積もったものがあるのだと思う、という所感を持っているようだ。
被告人と弟は、それぞれに障害があった。母は2人が幼いころに離婚して、叔母も協力はしていたが基本は1人で育てていた。それでも、叔母は母に対し、「親として足りない部分がある」と感じていたという。
被告人と弟は母親に暴力を振るうようになり、被告人が祖母の家に住むことになって、母と弟は2人暮らしに。その後も弟は母に暴力を振るい続け、母は一時的にシェルターで生活するようになるなど、生活環境は変化していた。
被告人は口が悪く、すぐ「殺すぞ」と言ったり、感情が爆発したりすることもあったが、被告人だけでなく母にも悪い部分がある。母はたまに会う被告人に対し、上から目線で注意をしていたことがあったという。
被告人は弁護士の横に座り、ずっと首を下に向けているため表情などはわからない。意図的にでなく、首が曲がってしまっていることが傍聴席からもわかる。