デモを呼びかける投稿(Facebookより)
“反フェミサイド”のデモが行われる
この事件は市民の怒りを買い、大きなうねりを起こした。
9月27日には人権団体とフェミニスト団体がブエノスアイレスにて1000人規模のデモ行進を行い、フェミサイド(女性であることを理由に起こる殺人の意)に抗議したのだ。前出・大手紙国際部記者が続ける。
「アルゼンチンでは、フェミサイドが深刻な社会問題となっています。同国の女性の権利保護を訴える団体によると、2025年1月から8月末までに164人の女性が殺害されているとのことです。また、男女の権力の不均衡や、女性を“名誉”の名のもとに殺害することがまだ許されている現状があるとも指摘されています。
今回の被害者らは、巨額とはいえない報酬を“餌”に殺害現場に誘き寄せられてしまった。この事件を受けて、世間では女性の保護や権利を訴える声が大きくなりつつあります」(同前)
現地記者団に対し、遺族は「真実が明らかになることを望んでいる」と述べている。凄惨な事件が起きた背景を、アルゼンチン社会全体が知りたがっている──。