部下と“ホテル密会”を繰り返していた前橋市・小川晶市長(時事通信フォト)
“女性市長”による騒動が相次いでいる昨今。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏は、何を思うのか。複雑な思いを明かす。
小池百合子東京都知事誕生の時も、私は応援していた
伊東市(静岡県)の次は前橋市(群馬県)──両市とも女性市長がとんでもない理由で記者会見を開いて世間の耳目を集めている。
「だから女性をトップに選んじゃダメなんだよ」と昭和おじさんの得意顔が目に浮かぶようよ。でも、2人の市長に投票した人の気持ちが私にはわかるんだわ。
たとえば伊東市長の田久保眞紀さん(55才)。彼女にはどこか“苦労人のにおい”がするの。母ひとり子ひとりで育った、とご本人が話していたけど、父親不在の家庭は、経済的に困るかもしれないけれど女世帯特有の自由さがある。だから、大学時代は自分の生き方を探していて、卒業なんかどうでもよかったんじゃないかしら。そのまんまの自由な頭と感覚で市長になって、あるはずのない卒業証書をチラ見せして引っ込みがつかなくなった。自由人ゆえ、「ここが限度」の線引きが甘かったんだよね。
一方、前橋市の小川晶市長(42才)は、選挙戦のときの写真を見るとさわやかそのもの。生まれ育ったのは千葉県の米農家。弁舌さわやかな元県議会議員で、弁護士の資格もある。私が前橋市民だったら間違いなく投票したに違いないわ。
恥を忍んで言えば、いま週末ごとに「やめろー」という声の輪を大きくしている小池百合子東京都知事(73才)誕生のときも、私は彼女を応援していた。緑のチュニックを着て、街頭演説を何か所も聴きに行っている。
彼女がよかったというより、石原慎太郎や舛添要一の醸し出す「オレは男だ!」という“無神経な声なき声”に相当なアレルギーがあったんだよね。それと対極にある人が小池百合子さんで、彼女ならゆがんだ男社会の都政を変えてくれるんじゃないかと期待したわけ。なのに、再選後は「最初の公約? そんなの選挙用に決まってるじゃない」と言わんばかり。それで憑きものが落ちた。