「トキが口にする言葉が、驚くほど自分が思っていることばかりで。『恩返し』とか『幸せ』とか、そういった単語レベルから私が日々使うようなものばかりです」
「『ばけばけ』のオーディションは、とにかく楽しいという気持ちが全面にありました。母と娘のお芝居の時も、私は娘の方が遊べるなと思いました。きっと母の感情は泣くとか、悲しい、寂しいという感情が分かりやすく出てくるように感じたので、何も色付けもされていないような娘の方に挑戦してみようと思ったんです。失敗しても楽しいからいいかなという気持ちでした。何ができるかを模索したかったのかもしれません。
今までこのようなワークショップは何回か受けてきましたが、『多分これが正解なんだろうな』っていうことをしたくなさすぎて真逆のことをすると、『真逆なので、よくない』って毎回順当に怒られてきました。
お仕事では監督の正解に近いものを目指すべきだと思いますが、オーディションぐらいはいろいろしてもいいのではないかと思います。真逆をすることで得られるものがたくさんあったのかなと思います」
後輩・上坂樹里への思い
『ばけばけ』の次に放送される2026年前期連続テレビ小説『風、薫る』のW主演のひとりに、高石と同じ事務所で後輩の上坂樹里が選ばれた。上坂にとって高石は憧れの先輩であると同時に、高石は上坂を共に俳優の道を並走する仲間として認識している。
「私の中で樹里ちゃんの存在は本当に大きいんです。樹里ちゃんはいつか朝ドラヒロインになると思っていました。『風、薫る』のもう一人の主演を決めるオーディションが行なわれることを聞いた時、朝ドラのバトンを渡す相手が樹里ちゃんだったらなあと思っていました。
だから樹里ちゃんが(W主演の座を)勝ち取ったと聞いた時はとにかく嬉しくて。今度は私から樹里ちゃんにサプライズで主演決定をお伝えしました。その時は樹里ちゃんと一緒に泣き合いました。あの空間は特別ですし、ずっと忘れられません」