私は英語が話せるわけではないのですが、最近はなぜか、トミーさんの言っていることがだんだんと分かるようになってきていて」
上坂は高石の『ばけばけ』の現場に頻繁に見学に来るという。
「大阪の撮影にもよく見学できてくれていて。きっと大阪と東京で空気が違うかもしれないけれど、何か少しでもそういう現場の空気が伝わっているのであればいいなと思います。何も言えることはないのかもしれないけれど、樹里ちゃんが困った時に助けてあげられる存在になれているのかもしれない。私が朝ドラのヒロインとして経験したことが樹里ちゃんの支えになれば嬉しいです」
“憑依”系と評されることへの戸惑い
高石は映画『ベイビーわるきゅーれ』ではマイペースな殺し屋を演じ、ドラマ『御上先生』(TBS)では真面目で寡黙な女子高生を演じるなど、様々な役柄を演じ分けてきた。その振れ幅が時に“憑依”系と評されることもあるが、『ばけばけ』でも“憑依”する瞬間はあるのだろうか。
「トキ役のモデルの小泉セツさんは、小泉八雲に怪談をたくさん話してきました。トキも夫のヘブンに対して怪談を話すことになるので、みなさんからおっしゃっていただく“憑依”に近いものはお見せできるのかもしれません。
しかしながら、実は個人的にはお芝居をしていて“憑依している”という感覚はあまりないんです。その役が完全に降りてきて同化することが“憑依”であるとするならば、もしかしたら憑依しないタイプなのかもしれません。結構頭でいろいろ物事を見て考えながら演じています」