「今までにない新しい空気を感じる」といった声から「『ばけばけ』は王道ではないから不安」といった感想まで、賛否両論を目にしたという
時に“憑依”と呼ばれてしまうほどの熱演を見せる高石のルーツには、幼少の頃に見ていたテレビの存在が大きかったと振り返る。
「小さいころはアニメやドラマを見ていましたし、自分が見ているものはたくわえになっていると思います。アニメでは『銀魂』、ドラマでは『花より団子』を見ていました。そういった雰囲気が出ているのであれば、もしかしたら影響を受けているのかもしれません。
ふと思ったのですが、きっと今までいろいろな役を演じさせていただいたから、“憑依”と言っていただけているのかもしれません。作品ごとに毎回違う面をお見せできているのであれば、作品との巡り合わせに恵まれていることを実感します」
怒りから、悲しみ、喜びまで、役柄ごとにダイナミックに変わる表情と演技力の源泉はどこにあるのかを訊いた。
「そこまで派手な演技とか表情をしているつもりがなくて。自分が顔で何かをしているつもりは全くないので、監督に演技の方針を聞くとき、『いつもの感じで』と言われて全く分からない時がありました。話を聞くと監督は劇画的な表情を求めていたそうでしたが、自分でやろうとするとさらに強く出てくるのでそのまま伝えられなかったのだと思います。
多分、表情の見た目でいうと『人の1嬉しいが、私は10嬉しい』んだと思います。例えば電車の中で何かを見てて面白いなっていうちょっとした感情も、私は顔にすごく出やすいのか気付かれやすいんです」
「全員が想像しない方向に行ったら面白い」
そんな高石に『ばけばけ』を通じてどのような俳優に“化けたい”かを聞くと、逡巡しながらも力強く未来を語った。