祐子さんと母親は、YouTubeの消費者庁チャンネル「マルチ商法被害者インタビュー」に出演した
マルチ商法にのめり込み、500万円もの借金を抱えた母。娘の祐子さんはそんな母を必死に支え続け、一時はマルチ商法から脱したかのように思えた。
ところが、再会した母の頬には直径10センチの巨大な金色のシールが貼られていた。
パニックになった娘が送ってしまった「最後のLINE」、そして今振り返る母がマルチにハマったワケとは──。【前後編の後編。前編から読む】
「次はもう助けられないよ!」娘の悲痛な叫び
──巨大なシールを頬に貼ったお母さんを見て、祐子さんは?
「シールの大きさにびっくりして、一瞬パニックになりました。でもすぐに思ったのは『また新しいものにハマって散財していたらどうしよう』と。すでに母の借金500万円を弟と立て替えていたので、金銭的に限界でした。
母いわく『願い事が叶うシール』で、価格は5000円ぐらいと。たった1枚で、ですよ。それで思わず『B社であれだけ懲りたのに、なんでそんなことしてるの? 次は助けられないよ!』と、声を荒らげてしまったんです」
──お母さんは?
「反論はせず、ただ『友達にすすめられた。すごくいいもので、信頼している』と。その後は、おいしいものを食べようと母を食事に誘っても、しきりにフラついて寒がるんです。それで、母との外食用に持ってきた1万円を『これでおいしいものを食べて。絶対に変なものには使わないでね』と渡して帰りました。
その4日後でした。母のケアマネージャーから電話があったのは」