ホテルから出てきた際に黒縁眼鏡をかけている小川市長(証拠動画より)
「眼鏡は着けておりません」
なぜ小川市長は直撃取材時の「変装」や「ドアの開け閉め」について、わざわざ事実と異なる釈明をしたのか。ある市関係者はこんな見方をした。
「変装を否定したのは後ろめたそうな印象を持たれたくなかったからかなと思ってしまいます。ドアの開け閉めについても、Xさんとの力関係を誤魔化したかったから、あえて否定したのか……」
会見での説明のおかしさについて小川市長に問うと、市役所の秘書課を通じて回答があった。
「会見で回答をさせていただいた通り、公用車を降りる際に眼鏡やマスクは着けておりません。また、市営の立体駐車場で職員がドアを開けて車に乗り込んだ事もありません」
回答の前提がやや複雑だが、小川市長は「ラブホの駐車場でドアを開けさせた」ことを否定したのではなく、ラブホに向かう前にX氏の高級外車に乗り込んだ際、「市営の立体駐車場でドアを開けさせた」ことを会見で否定したのだとする説明だ。これは前述の証拠動画にはない場面の話だ。
ただ、ラブホでX氏に車のドアを開けさせたことは認めていることになるし、市営駐車場でX氏が後部座席のドアを開ける場面も、そこでメガネやマスクを着けていたことも、取材班が直接見て確認したことだ。ラブホ通いを認めながら、その前段の情報を頑なに否定する理由は判然としない。
ただ前編で報じたように、そうして報道を否定するスタンスを取る小川市長を支持する“擁護派”がいることは確かだろう。冒頭の対話集会を開いた支援者や県議時代からの支持者もいる。そうした声を受けて続投に意欲を見せているということのようだが、市民やその代表たる市議会が納得する説明まで可能なのか。市政の混乱はまだ続きそうだ。
(前編から読む)
※週刊ポスト2025年10月31日号