「公明離脱で追い詰められる自民」を書き立てる大新聞
高市総裁の取材待機中、「支持率下げてやる」「支持率下げる写真しか出さねえぞ」とつぶやきながら待ち構えていた時事通信のカメラマンの言葉が中継カメラに拾われて大炎上した騒動からも、メディアの“高市ぎらい”が垣間見える。
SNSやネットではそうした報道姿勢が批判を浴びており、その流れのなかで「叩けば叩くほど高市支持が強まる現象」まで見られる。
自民党の反高市派からは、公明の連立離脱に数々の批判が上がった。
村上誠一郎・総務大臣は旧安倍派幹部を重用した高市氏の人事を「(公明党への)平手打ちにあたる」と表現し、野田聖子・元総務会長はSNSに「今回の自民党のトップみたいな人たちは、常に自公でやってきてもアンチの発言が多かった」と投稿。ところが、いずれもネットで大炎上し、かえって高市擁護論が強まる結果となっている。
ちょうど今年夏の参院選の際、大メディアや既成政党が「日本人ファースト」を掲げて支持を伸ばす参政党批判のキャンペーンを張ったものの、むしろ参政党の票が増えた現象に似ている。
大新聞も高市批判のキャンペーンを張った。
高市氏が総裁選勝利後の第一声で、「馬車馬のように働いていただきます。私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てます」と発言すると、朝日新聞は連日、「古い日本の価値観を引きずったような発言で、非常に残念だ」など識者のコメントを報じて批判を続けた。
しかし、批判が広がっているようには見えない。
「高市さんはワーク・ライフ・バランスについて言ったのではなく、自民党議員全員で一所懸命がんばろうという宣言でしょう。新聞は言葉尻を捉えて高市批判を高めたかったのかもしれないが、発言の意図と全く噛み合っていないから批判がカラ回りして共感を呼ばない」(前出・藤井氏)
(後編に続く)
※週刊ポスト2025年10月31日号