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「職場でちゃん付けはセクハラ」のニュースへの絶対NGな5つの反応「窮屈な世の中」「嬉しい人もいるはず」【石原壮一郎氏が考察】

「ちゃん」付けはセクハラとなる(写真/イメージマート)

「ちゃん」付けはセクハラとなる(写真/イメージマート)

「ちゃん」付けがセクハラであるとの判決が注目を集めたが、男性はこのニュースに不用意な一言を述べてしまうと即座に「ダメなオヤジ」認定される可能性があるという。コラムニストの石原壮一郎氏が解説する

* * *

 ニュースを見て「ギクッ」とした方も多いのではないでしょうか。

 佐川急便の営業所に勤めていた40代の女性が、年上の元同僚男性に精神的苦痛を受けたと約550万円の慰謝料を求めた訴訟で、東京地裁は23日、男性の行為を「許容される限度を超えた違法なハラスメント」と認定して22万円の支払いを命じる判決を出しました。

 女性は、男性から名字に「ちゃん」を付けて呼ばれたほか、「かわいい」「体型いいよね」と言われたり、下着について言及されたりしたとか。判決では「ちゃん」付けは幼い子どもに向けたもので、業務で用いる必要はないとし、一連の発言も含めて「羞恥心を与える不適切な行為だった」と指摘しています。

 たちまち多くのメディアが、この裁判に関するニュースを発信。ネット上には、たとえばこういう見出しが躍りました。

【「ちゃん」付けで呼ぶのはセクハラ 元同僚男性に22万円支払い命令】(日本経済新聞)

【同僚男性からの「ちゃん」付けはセクハラ 賠償命じる 東京地裁】(NHK ONE)

【職場で「〇〇ちゃん」はセクハラ 元同僚に22万円支払い命令】(共同通信)

 どの媒体も、目を引きやすい「ちゃん」付けにスポットを当てています。そのせいか、ネットやSNSに飛び交っているこの裁判に関するコメントは、「ちゃん」付けに関するものがほとんど。実生活で話題になる場合も、たぶん傾向は同じでしょう。

「『ちゃん』付けがセクハラだなんて……」と嘆くオヤジが残念な理由

「オヤジ」という属性を持つ私たちにとって、このニュースを話題にするのはけっこうリスキーです。反応の仕方によっては、即座に「ダメなオヤジ」「困ったオヤジ」と認定され

 かねません。つい言ってしまいそうだけど、知らないうちに白い眼を向けられる危険なセリフをピックアップしてみました。

その1「部下を『ちゃん』付けしたらセクハラだなんて、窮屈な世の中だな」

 記事をきちんと読めばわかりますが、「ちゃん」付け自体がセクハラとされたわけではなく、体型や下着に関する発言など、日頃から不愉快なことを言ってくるヤツが、仲がいいわけでもないのに馴れ馴れしい呼び方をしてくることが問題だと判断されました。

 こういう嘆き方をした途端、部下や後輩に「ああ、この人は表面的な情報に脊髄反射するしかできない残念な知性の持ち主なんだな」と思われるでしょう。そして、世の中を窮屈にしている張本人は、物事を表面的かつ単純な図式でしか見ない人たちです。

その2「『ちゃん』付けが嬉しい人だっているはずなのに、理不尽な話だよね」

 嬉しい人もいるかもしれませんけど、嫌と思う人もたくさんいます。判決は「誰かれかまわず言っていわけじゃない」という当たり前のことに気づかせてくれたわけで、理不尽でも何でもありません。部下や後輩は「こういう人が、相手との距離感を考えずに『ちゃん』付けしちゃうんだろうな。ああ、気持ち悪い」とウンザリした気持ちになるでしょう。

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