2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ(住民撮影)
小屋は木と藁でつくられた簡素なもので侵入するのはたやすい。異変を察知した家主は入口へ向かうが、戸を開けた瞬間に熊の一撃を受けて昏倒してしまう。
家主の妻は生まれたばかりの息子を抱いてなんとか小屋の外へ逃げ出したものの、頭皮が剥がれるほどの一撃を後頭部に受けて、息子を雪の中に落としてしまう。それでも命からがら逃げ続け、近くに住む雇い人に助けを求めて2人で小屋へ戻った。
だが、すでにその時、熊は雪の中に投げ出してしまった息子に喰らいついているところだった。さらに助けにやってきた別の雇い人も返り討ちに遭い、自身も重傷を負っている妻はその惨事を呆然と見ていることしかできなかった。
夜が明けて熊が去ったあと、小屋へ戻ると、夫である家主の体は原型がわからなくなるまで喰い荒らされていた。
