会見を行う国分太一(写真/時事通信フォト)
元TOKIOの国分太一(51才)が、5か月ぶりに公の場に姿を現した。かつて多くのスポットライトを浴びて笑顔をふりまいた姿はそこにはなく、弁護士とともに行った記者会見で憔悴しきった表情を見せた。臨床心理士の岡村美奈さんが、国分の記者会見での立ち居振る舞いを分析する。
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「数日間ですべてを失った」と会見で言葉を詰まらせ涙ながらに語った元「TOKIO」の国分太一さん。コンプライアンス上の問題が確認されたとして、日本テレビの「ザ!鉄腕!DASH!!」の降板を告げられてから5か月、無期限で活動を休止。やつれた顔は覇気を失い、活動していた頃の面影はなかった。
10月に代理人弁護士を通じて、番組降板を決めた日本テレビの一連の対応について、日弁連の人権救済申立てを行ったという国分さんは、この日、濃紺のスーツに黒のネクタイ、黒ぶちの大きなメガネという姿だった。黒スーツに黒ネクタイを着用し、会見で謝罪するのはこれで2度目。1度目は元TOKIOのメンバー、山口達也さんが強制わいせつ容疑で書類送検された時だ。メンバー4人で会見を開き、頭を下げたのだ。あの時、国分さんの目には不安や戸惑い浮かんでいた。俯いたまま眉をひそめ、口元を引き締めつらそうな表情を見せていた。
だが今回、彼の目に浮かんでいたのは不安や戸惑いを通り越した怯えだった。顔色は白く、張り詰めたような緊張感を身体中にまとっている。席に着くなり何度か肩で大きく息をつき、口の周りを動かす。何度も唾を呑み込み、奥歯を噛みしめるように口元をきつく結ぶ。不安というより怖いのだろう。背筋を伸ばして座っているが、視線は落ちつかず記者やカメラマンの間を動く。時おり、緊張しているのに表情が抜けたような、能面のような顔になる。どこか一か所でも突っついたら崩れ落ちそうで感情が溢れるのをなんとか堪えている、切羽詰まった感じがした。
会見冒頭、彼の代理人が会見の主旨を説明し始める。日本テレビの対応について触れると、国分さんは眉に力が入り眉根を寄せた。日本テレビには3つのお願いをしたが協議は拒絶されたという言葉に、俯いていた顔を上げ身体を揺らす。今回、彼が会見で涙ながらに訴えたかったのは日本テレビとの協議であり「答え合わせ」だったからだ。
