トラック運転手がすれ違い時におこなう挨拶「スライド」(YouTubeより)
「女性特有のギクシャクがない」快適な職場
──女性が少ない業界・職場だと思います。女性ならではの苦労などはありますか?
「それが、むしろ逆なんです。女性が少ないからこそ、女性特有のギクシャクした人間関係や、ナゾに気を遣う暗黙の了解みたいなものがなくて、すごく働きやすい。
高校生の時もそうだったんですけど、女の子同士のギクシャクが嫌で、あえて『男の人が多いところを職場にしよう』『男子が多い高校に行こう』と思って選んできたんです。サバサバした環境が私には合っているんだと思います」
──自分が特集された映像を通して、何か気づきや変化はありましたか?
「仕事に対する意識自体は変わらないんですけど、人からみたらどうかと前よりも思うようになりましたね。会社のロゴを背負っているという意識を持たなきゃなって」
目指すはジェット燃料の輸送
──最後に、今後の目標を教えてください。
「『ジェット燃料』を運んでみたいですね。例えば、危険物を積載した車って東京湾アクアラインを通れないんですよ。そういった状況を難なくこなしているところがかっこいいなって思います。みんなができるような仕事じゃないので、挑戦してみたいんです。
そして、その燃料が届かないと、あの超巨大な飛行機が動かないわけじゃないですか。その架け橋になっているのがすごいと思います」
──目指しているドライバー像などはありますか?
「私の教育係をしてくれた先輩を目指しています。班長をされている方なんですけど、年齢的にも経験年数的にも、今はまだ絶対敵わないのは分かってるんです。
でも、その先輩がスゴいのは、私が牽引のバック駐車をする時、頭がいっぱいいっぱいで必死になっている横で、『今日何食べよっかな~』みたいなことを考えながらバックしているらしいんです(笑)」
後編では、番組ディレクターに話を聞き、「兄がドライバーだった」という制作の原点と、たった3人で作り上げたローカル局の奮闘記に迫る──。
