清水運転員(21)
トラックドライバーの人手不足や高齢化が進み、物流の安定化は社会的課題となっている。国土交通省の調査によると、大型トラックドライバーの平均年齢は47.5歳。全職業の平均と比較しても顕著に高く、次世代の担い手不足は危機的状況だ。
さらに、その職場環境は圧倒的な“男社会”だ。女性ドライバーの比率は、全産業と比べても極めて低いわずか2.5%だ。
そんな業界において、奮闘する一人の若き女性ドライバーがいる。茨城県内に拠点を置く「丸運トランスポート東日本」に勤務する、清水運転員(21)だ。
彼女の姿が6月に千葉テレビの番組『トラック人生1本道』で特集されるや否や、YouTubeでのアーカイブ配信は瞬く間に拡散。再生回数は約80万回、コメントも300件を突破し、大きな反響を呼んでいる。
なぜ彼女は、屈強な男たちの職場というイメージが強い「物流の世界」へ飛び込んだのか。ハンドルを握るその手に込められた思いとは。大型トラックを操る“小さな巨人”に話を聞いた──。【前後編の前編】
「団結力が苦手だった」少女が選んだ場所
──YouTubeでの再生回数が80万回を超え、大きな話題になっています。ご自身への反響はいかがですか?
「ガソリンスタンドに行った時とか、納品先のお客さんから『テレビ出てたよね!』って声をかけられることがあって、『あ、意外と反響あるんだな』って驚いています。
配送先でも『見たよ』と言われることが増えましたね。本当にありのままの自分を、そのまま撮ってもらっただけなんですけど(笑)」
──そもそも、なぜ21歳という若さでトラックドライバーを志したのでしょうか?
「前はフォークリフトを扱う職場で働いていたんですけど、毎日トラックと関わっていたんです。そのうちに、『かっこいいな、自分も乗りたいな』って思ったのがきっかけですね。きっかけは本当に単純でした。
あとは、『自分の空間を持てるのが羨ましいな』と思ったりもしていましたね。私、もともと人と協力して何かをする、いわゆる“団結力”みたいなものが得意じゃなかったんです。だからこそ、一人になれるこの仕事に憧れたというか」
──なるほど。では、トラックのキャビンは“自分だけの城”という感覚ですか?
「そうですね。仕事さえ覚えてしまえば……と言うと語弊があるかもしれませんが、ものすごく精神的に楽な仕事だなと感じています。運転中は完全にプライベートな空間が確保できています」
