賀来賢人
昨年2024年度のランキングは1位が川口さん、2位が賀来さん、3位が芦田さんと、少し前なら神3といったところだ。上位3人に共通するのが、その企業が販売したい特定の商品のPRより、企業自体の知名度や信頼性を向上させるためのCM出演が多いことだ。企業は自社の知名度を上げ、ブランドイメージと信頼性を高めるために、芸能人や有名人、アスリートらをイメージキャラクターとしてCMに起用する。どの企業もアピールしたいのは健全さや堅実さ、真面目さ、将来性や社会的責任だろう。彼ら3人が持つイメージをネットで調べてみると、真面目さや素直さ、責任感の強さ、俳優としての力量や有望さなどが多くあがってくる。企業が強くアピールしたいイメージと重なるのだ。
3人にはシリアスな役からコミカルな役まで演じきる演技力がある。一発屋といわれる芸人や人気が出たというだけのアイドルとは違い、これまでの作品などを通してしっかりした土台と演技力を持っている。シーズン物や単発で販売する商品のPRなら、急に人気になったお笑い芸人やアイドルを起用することもできるだろうが、長年培ってきた企業の信用やイメージを大事に思うなら、積み重ねてきた芸歴や経験への信頼感が大切になる。
また3人には、米倉涼子さんが演じた「ドクターX~外科医・大門未知子~」の大門未知子や、水谷豊さんが演じる「相棒」(テレビ朝日系)の杉下右京やといった強烈な個性を持つ、この人ならこれだという役が今はない。そのため自社にあったイメージを投影しやすく、起用する企業の幅も広がりやすいといえる。
CMの中でも人々の印象に残りやすいのは、上記したように特定の商品を扱うCMだ。ここでは彼らの老若男女を問わない幅広い認知度と”大衆性”が際立つ好感度が武器になる。大衆性は一般の人々が共感したり、親しみを感じたりする性質であり、多くの人々に受け入れられるという傾向である。川口さんも芦田さんも明るく可愛く元気はつらつ、これまでスキャンダルとは無縁だし、賀来さんも妻で女優の榮倉奈々さんとのスナップをインスタに公開して話題になるなど、良き家庭人としてのイメージが強く、CMを見る視聴者にとっても、起用する企業にとっても安心感があるのだろう。
さて2026年のランキングはどうなるのだろう。3人が上位を守り抜くのか、下剋上があるのか、それとも新生が表れるのか注目だ。
