いまだに会食はゼロだという(時事通信フォト)
日本初の女性リーダーとなった高市早苗首相(64才)が、就任早々に難局を迎えている。台湾有事に関する国会答弁に端を発して日中関係は冷え込み、党内の支持基盤は依然として不安定なまま。加えて、食事や睡眠の時間まで削って猛勉強を続ける様に、周囲から心配の声が上がっている。それ以外にも新首相には不安要素があって──。【前後編の後編】
「介護」と「難病」を抱えて
歴代首相に類を見ない連日の激務にかかわらず、官邸から徒歩1分の首相公邸は空き家のまま。高市氏は脳梗塞で倒れて車いす生活を送る夫・山本拓元衆院議員(73才)との生活のため、バリアフリー設備の整った赤坂の議員宿舎に住み続けている。政治ジャーナリストの安積明子さんが言う。
「高市さんは山本さんにぞっこんで、これまでも何度か『安積さん、結婚っていいで』とのろけ話を聞かされました(笑い)。だからできる限りそばにいたいと、彼女の実弟のサポートを借りながら、いまも宿舎で介護をしているようです」(安積さん)
就任後、めまぐるしい激務をこなしながらの夫の介護。さらに高市氏は自身の難病とも向き合っている。
「40代後半のとき免疫異常による関節リウマチを患い、現在片足は人工関節で生活しています。本人は『品質保証期間は30年以上なので元気に走れます』とあっけらかんと話していますが、毎朝お風呂につかって関節をほぐす日課はいまでも欠かせないようです」(永田町関係者)
シーズンズ東京リウマチクリニックの天本藤緒院長は、「関節リウマチは女性ホルモンの減少と関連する」と説明する。
「関節リウマチは男性と比べて女性が4倍ほど多い病気です。特に更年期に入る頃に発症しやすい。ただ、高市さんのように人工関節を入れるというのはかなり重症だったはずです。完治することはない病気なので、一生つきあっていく必要があります。さらに、リウマチの薬は免疫を抑制するので、一度体調を崩すと肺炎などの重病を引き起こす恐れがある。不規則な生活や睡眠不足はハイリスクです」
窮地に立たされている高市氏が考える起死回生の一手は何か。政治評論家の有馬晴海さんは、アメリカとの協力関係が鍵だと語る。
「日中対立が続けば中国側にも代償が出ます。中国も長期化は避けたいはず。しかし、そのためにはアメリカのサポートが不可欠です。大国アメリカとの関係が深い国には中国も容易に強硬策はとれません。高市さんも故・安倍晋三元首相のように、アメリカと良好な関係を築いていけるのかが、腕の見せどころでしょう」
ガラスの天井を打ち破った女性初の首相が、崖から転げ落ちるのか、乗り越えるのか。決めるのは国民の支持と期待にほかならない。
※女性セブン2025年12月18日号
