藤沢市に対し、モスク建設の認可を撤回するよう求めるネット署名も立ち上がっている
「実際にモスクが作られてからさまざまな問題が起こると手遅れだということです。土葬についても現段階では決まっていませんが、建設に関わっているイスラムの2つの団体の登記を見ると、その目的欄にはそれぞれ『イスラーム教の法学に則った儀式行事(入信、婚姻、葬儀等)の遂行』『イスラム式葬儀の実行・墓地等の保有』とあります。まずはモスク、次に土葬墓地と要求がエスカレートしていくことは目に見えています」
一方、取材を進めると地域住民からは冷静な声も複数聞こえてくるのだ。現場近くで話を聞いた70代の男性はこう語った。
「正直よくわからないけれど、今は外国人というだけで排斥される風潮がインターネットでたくさんあるというのは家族から聞きました。コンビニにも外国の人は増えているし、そんなに変なことにはならないと思うけど……。反対派もそうだし、さらにそれを批判する人も感情が昂っていて怖いなと思いますね。でも心配は心配だから、しっかりした情報があったら知りたいですね」
前出の大手紙社会部記者はこうも話していた。
「情報が拡散していく中でこの問題は事実と推測が混じってしまっているのが現状です。ちゃんとした情報を正しく拡散していく方法が、さまざまな在日外国人を巡るトラブルで求められる」
藤沢市議会がすべての陳情を不了承とした12月4日、高市早苗首相は「外国人の受け入れ秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」の初会合を開き、担当の小野田紀美外国人共生担当相とともに外国人在留資格の審査の厳格化について話し合った。政府は現場の混乱も踏まえて、重要な施策を決定していく必要があるだろう。
(了。前編から読む)
