国内

「建設予定地には豚のフン由来の肥料が…」イスラム教モスク建設への反対派陳情を藤沢市議会がすべて「不了承」《激しい論争の影には地元の冷静な声も》

神奈川県藤沢市宮原地区にモスクが建設されることが判明した(左の写真はサンプルです/右は時事通信フォト)

神奈川県藤沢市宮原地区にモスクが建設されることが判明した(左の写真はサンプルです/右は時事通信フォト)

「建設予定地に“豚のフン”が放置されていました。イスラム教徒にとって豚は不浄なものと考えられているのですが……」──神奈川県藤沢市でモスク建設計画をめぐって騒動になっている。

 現在は更地の約1000平方メートルの敷地に、鉄骨2階建てのモスクが2027年度中に建設されることになっている。法的にも手続き的にも不備はないため、市は開発を許可しているが、反対派が大きな声をあげているのだ。【前後編の後編。前編から読む】

「12月4日、市議会の建設経済常任委員会には40件を超える認可取り消しなどを求める反対派の陳情が寄せられましたが、委員会はすべて『不了承』としました。陳情内容には認可取り消しのほか、モスクを建設する団体の資金源の調査、交通・治安への懸念解消を求めるものなど様々でしたが、議会は市役所と同様に、手続きに不備などはないため対応はできないという意思を表明した。これによって反対派はさらに怒りの声をあげている状況です」(大手紙社会部記者)

 陳情には、「早朝の騒音が生じる」「道路が混雑し事故が増える」といった生活上の懸念のほか、「ヒジャブ(女性が頭や身体を覆う布)着用者が増えて街の雰囲気が変わる」「半球ドームの建物は街並みと不調和だ」「将来、土葬墓地が求められるのでは」といった内容もあった。

 地域の混乱はこの判断で収束したわけではない。建設予定地周辺では、反対運動の最中に“豚のフンを元にした肥料が置かれる”という事態まで発生していた。

 周辺住民がこう明かす。

「11月のことですが、何者かが豚粉を一袋放置したんです。豚のフンを元に作られた肥料ですが、イスラム教徒にとって豚は不浄の動物ですので豚肉を食べません。嫌がらせのつもりだったのでしょう」

 これらの状況を受け、地元・神奈川新聞は12月4日付の1面と社会面で反対派について大きく取り上げ、「デマに基づくヘイトにあたる行為だ」と糾弾した。記事は反対活動をしているYoutuberの経歴を報じ、関係者を名指しで批判する強い論調だった。

 このYoutuberは取材にこう話した。

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン