ライフ

【話題の書】綿矢りさ『グレタ・ニンプ』綿矢ワールド全開! 作家デビュー25周年を飾る痛快“妊婦コメディ”小説が誕生

『グレタ・ニンプ』綿矢りさ・著/小学館

『グレタ・ニンプ』綿矢りさ・著/小学館

【話題の書を読む】『グレタ・ニンプ』綿矢りさ・著/小学館/1870円

『グレタ・ニンプ』をいち早くプルーフで読み終えて「由依ロス」に陥ったという精文館書店中島新町店の書店員・久田かおりさん。作家デビューして25年、魅力的な登場人物を数々著してきた綿矢さんの作品のなかで最もファンキーなキャラクター・由依についてこう語る。

「これを読んで綿矢りさが壊れた!?って一瞬感じるかもしれませんが、実は綿矢小説のなかにはずっと由依の心の奥深くに潜んでいた思いが粛々と出番を待っていたんだと思います。過去作を振り返ってみてそう思いました」

 由依は俊貴と結婚。夫婦で不妊治療を続けていたがうまくいかず、二人で生きていくと決めた矢先に妊娠する。すると由依の控えめだった性格が豹変し、しゃべり方や態度が粗暴になり、やがて外見までガラッと変わってしまうのだ。

「妊娠とともにキャラ変(しかも過激に)した由依の、その極端さに思わずのけぞりつつ、『なぜ』彼女がそうなったのかが解かれていくと、多分誰もが彼女と少しずつ同期していく気がします。

 ただ、そばにいる夫・俊貴にしてみたら、その落差にとまどいしかなかっただろうけど。でもこの俊貴がすばらしい。由依がぶっとんだ格好としゃべり方になってしまってもそれをまるっと受け止めて、ともに歩いて行こうとする姿、特に両方の親との対決場面は胸アツ!!」

 少子化の一途を辿る日本にあって、妊娠や出産は個人の人生ではなく、政策課題として語られることも多い。久田さんはこう続ける。

「妊娠すると誰もが感じる違和感、焦り、戸惑い、といったネガティブな感情を自分への嫌悪に育てないために、妊婦だけでなく男性も女性もすべての人たちに読んでもらいたい一冊です」

※女性セブン2026年2月5日号

関連記事

トピックス

書類送検されたことが報じられら米倉涼子
米倉涼子、近く表舞台に復帰へ…麻薬取締法違反の容疑で書類送検も「一区切りついたと認識」で進む映画の完成披露試写会の最終調整 メディアの質問はNGに
NEWSポストセブン
茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された事件で1月21日、元交際相手の大内拓実容疑者(28)が逮捕された
“ストーカー魔”大内拓実容疑者の事件当日の足どりを取材 ツーリング仲間の母親は「悪い子じゃない」「友達だったことは間違いないですが…」 《水戸市・ネイリスト女性刺殺》
NEWSポストセブン
年頭視閲式に出席された皇后雅子さま(2026年1月23日、撮影/JMPA)
《品位と品格を感じる》雅子さま、10年前にもお召しになったロングコートでご出席 皇宮警察へのお気持ちが感じられる天皇ご一家の青系リンクコーデ
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「自宅で運動する」オフシーズンとは
《真美子さんのヘルシーな筋肉美》大谷翔平夫妻がリフレッシュする「自宅で運動する」オフシーズン…27万円の“肩出しドレス”を晩餐会に選んだ「別人級の変貌」
NEWSポストセブン
「憲法改正」議論も今後進むか(高市早苗・首相/時事通信フォト)
《改憲勢力で3分の2超の予測も》総選挙後・政界大再編のカギとなる「憲法改正」 “安倍政権でさえ改憲原案提出なし”というハードルの高さ 高市首相に問われる決意と覚悟
週刊ポスト
書類送検で米倉涼子の芸能活動はどう変わるか
《麻薬取締法違反の疑いで書類送検》米倉涼子、今後の芸能活動はどうなる? 当面地上波は難しく配信を軸に活動か、“語学も堪能”で海外にシフトする可能性も
週刊ポスト
イギリス出身のお騒がせインフルエンサー、ボニー・ブルー(TikTokより)
《歩いて帰れるかどうか不安》金髪美女インフルエンサー(26)が“12時間で1057人と関係を持つ”自己ベスト更新企画を延期した背景
NEWSポストセブン
中道から秋波を送られている石破茂・前首相(時事通信フォト)
《本人は否定しても、高まる期待》石破茂・前首相に中道との合流を後押しする人たちの声「これまでの野党にない必死さがある」「高市政権の暴走を止める決断を」
週刊ポスト
年越しはイスタンブールで過ごした渚さん(Instagramより)
「生きてみるのも悪くない、とほんの少し思えた」 渡邊渚さんが綴る「年越しを過ごしたイスタンブールの旅」
NEWSポストセブン
Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』にて細木数子さん役を演じる戸田恵梨香(時事通信フォト)
《出産から約3年》女優・戸田恵梨香の本格復帰が夫婦にとって“絶妙なタイミング”だった理由…夫・松坂桃李は「大河クランクイン」を控えて
NEWSポストセブン
総選挙をきっかけに政界再編が大きく進むか(時事通信フォト)
《解散総選挙・政界大再編の胎動》自民も立憲も国民も分裂か “高市首相を中心とした急進保守勢力”と“自民党の穏健保守を含む中道・リベラル勢力”に大きく分かれていく流れ
週刊ポスト
宮崎あおいと岡田准一の円満な夫婦仲(時事通信)
《女優・宮崎あおいと4児の子育て》岡田准一「週6ジム通い」の柔術ライフを可能にする“夫婦円満”の秘訣
NEWSポストセブン