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【新刊】“暦通りに働く作家”津村記久子氏の日常に迫る『ふつうの人が小説家として生活していくには』など4冊

 2月に突入。まだまだ寒いが、すでに春が恋しくなりつつある季節でもある。新たな春を迎える前に、読書で感性を刺激してみては? おすすめの新刊4冊を紹介します。

「自分は自分が好きなことを決められる」その集積が今の津村さんの土台に

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『ふつうの人が小説家として生活していくには』津村記久子/夏葉社/1760円

 夏葉社を創業した島田潤一郎氏との対話。津村さんはヘビメタ・SF・映画好き。10代で好きなものを「掘る」姿勢を身につけた。30代半ばで会社を辞め専業作家に。作家になっても暦通りに働き、毎日原稿用紙3枚半書くことを課す。自分が恋愛や不倫の小説を書いて「誰が読むんや」と客観評価する箇所では大笑い。恋愛は非日常。日常を「掘る」から津村さんの小説は面白いのだ。

無力な子供に教師がふるう視えない暴力。現実は“学校の怪談”を凌駕する

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『くらやみ小学校』姫野カオルコ/小学館/1870円

 微細に観察し鮮明に記憶する人。そんな著者の特性が本書でも遺憾なく発揮される。綾子が思い出す1960年代の小学校教師、渡部和代の横暴と非道。「抽出したアホのサンプルや」と生徒を罵った数学教師。神戸市の教師間いじめ事件(2018年~)に材を取り「ヘルシーでチアフルなファミリー」環境下で育った宇佐美由香里の半生。支配と被支配の権力勾配の恐ろしさで読ませる。

多読を栄養とし、高いコミュ力を持つ。これ、作家に限らない職業人の二大兵法

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『作家で食っていく方法』今村翔吾/SB新書/1045円

 ダンス教師から作家になり、直木賞作家にも。人気作家街道を爆走中の著者が、真剣に作家を目指す人に体験的極意を授ける。デビュー前後の心得(年3冊のペースで長編を書く)、新人賞授賞式には次作品を書いて持って行く、専業作家になるタイミング(設定年収をクリアした時。著者の場合は240万円)や、キャラクターを立たせるコツ、売れるテーマの見つけ方も指南する。

慰謝料や養育費をケチろうとする男達。意図を見抜いて“成敗”する痛快劇

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『離婚弁護士 松岡紬』新川帆立/新潮文庫/781円

 松岡紬は北鎌倉の由緒ある縁切寺の娘。門前で家族や幼馴染の調査員に囲まれ、離婚専門の法律事務所を営む。幼子を抱えて離婚を決意する聡美、夫の定年退職を待たず早く別れたい還暦間近の花枝、子供がいる同性カップルも。弁護士の腕の見せ所は、関係の亀裂をいかに金銭という合理に落とし込むか。恋愛に全く興味のない紬のキャラも愉快で鎌倉の四季と食べ物が各話を彩る。

文/温水ゆかり

※女性セブン2026年2月12日号

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