春風亭昇太一覧/2ページ
【春風亭昇太】に関するニュースを集めたページです。

綾瀬はるか「笑点」で初の司会を務める 大爆笑の“天然っぷり”も炸裂
女優の綾瀬はるかさんが2019年1月1日に放送される日本テレビ系バラエティー特番「お正月だよ!笑点大喜利祭り」に3年連続の登場。https://www.instagram.com/p/BqNxi9LA3GD/綾瀬さんは人生“初”の大喜利の司会を務めることになっています。通常司会の春風亭昇太さんをアシスタントに従え番組を進行。収録は既に終えており、綾瀬さんは収録終了後に「今回も師匠のみなさんに温かく迎えていただいて、楽しい収録ができたと思います」と語り、続けて「視聴者のみなさんにたくさん笑っていただきたいです!みなさんにとっても笑顔の絶えない1年となりますように願っています」とアピールしています。また、アシスタントを務めた春風亭昇太さんは「綾瀬はるかさんという方は、人気があるのがよく分かりました。司会っぷりは、あの方の人柄が出ていて非常に良かったです」と綾瀬さんについて語っています。番組内では新年の干支「猪」のかぶり物も身にまとうシーンやど天然っぷりが発揮するなどといった女優では見られない綾瀬さん姿が見ることができます。番組は2019年1月1日(火)午後4時から午後6時の2時間に渡り放送されます。
2018.12.26 06:17
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桂歌丸さん逝去で春風亭昇太に「俺がやらなきゃ」の覚悟
桂歌丸(享年81)の逝去後初の放送となった7月8日の『笑点』では、大喜利コーナーの現メンバー7人が時にしんみりと、時に笑いを交えて故人を偲び、視聴者の涙を誘った。誰よりも『笑点』を大切にしてきた歌丸だけに、メンバーはみな語り尽くせぬ想いがあったのだろう。「収録の合間もメンバーはずっと思い出話に花を咲かせていた。メンバー一同、番組を大事にしていた歌丸師匠の遺志を継いでいこうと誓い合ったようです」(テレビ関係者) なかでも2016年に『笑点』の司会を受け継いだ春風亭昇太にとって、所属する落語芸術協会の会長でもあった歌丸はまさに恩人というべき存在。しかし昇太はその“重荷”に苦しんでもいたようだ。歌丸が亡くなる前に、こんな姿が目撃されていた。「都心のうどん店で昇太が落語家仲間と飯を食べていた際、『俺さぁ、笑点に出始めてからずっと、先輩たちにイヤミ言われるんだよ。なんであんな番組出てるんだ、って。もうイヤんなってくるよぉ』などと、仲間たちに愚痴りまくっていたようで、その後、楽屋などで『もしかして降板するんじゃないか』と話題になっていました。 本格派の落語家の間では『笑点』を“テレビ向きのバラエティショー”として下に見ている嫌いがあって、ただでさえ落語界で異端児扱いの昇太はそのことを気にしていたようです」(落語関係者) だが、歌丸の死によって、昇太の心境に変化があったようだ。「“俺がやらなきゃ”という覚悟ができたようで、収録でも積極的に現場を仕切っています」(同前) 昇太は逝去後初となる番組収録で、こうコメントを寄せた。「最初は本当に(司会は)嫌だったんです。だけど『好きにやりなさいよ』と言っていただいたことで、本当に気持ちが楽になりました。楽屋でも、ひょこっと顔を出すような気がしている」 いつ化けて出るか分からないから、気が抜けない?※週刊ポスト2018年8月3日号
2018.07.24 16:00
週刊ポスト

悪役俳優は“絶滅危惧種” 今やお笑い芸人による独占状態に
ドラマでは悪役を専門とする役者はあまり見なくなり、今やその市場を独占しているのがお笑い芸人だ。コラムニストのペリー荻野さんがその事情について解説する。 * * * 先日放送されたNHK BSプレミアム『たけしのこれがホントのニッポン芸能史』は悪役特集。Vシネマのレジェンド、小沢仁志が例の怖い顔としゃがれ声で「(特別警戒シーズンの)年末は500メートル歩くたびに職質される」と語る映像にスタジオゲストの白竜がコメントするというすごい構図だったが、全体を見て、しみじみ思ったのは、悪役俳優が絶滅危惧種だということだ。 番組ゲストにもなった超ベテラン悪役・田口計はじめ、かつては川合伸旺、藤岡重慶、進藤英太郎など迫力ある悪役スターが数多くいた。だが、今は「出てくるだけで悪のニオイぷんぷん」という専門職的悪役俳優は、ほとんどいない。 そんな中で、悪役を一手に引き受けている感があるのは、お笑い芸人衆だ。今シーズン、初回から視聴者の涙を絞ったドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)で、さっそく不気味なムードを出しているのが、板尾創路。自閉症スペクトラム障害ながら、驚異的な記憶力を持つ小児科医・新堂湊(山崎賢人)の受け入れを巡って、関係者が対立する東郷記念病院で、副委員長の猪口(板尾)は、「いいじゃないですか」「予算は私が確保します」「変革は大切」などとにこにこ前向きな発言をする。しかし、その腹の中では、採算のとれない小児外科閉鎖を狙っているのだ。 板尾はこれまでもドラマ『大奥 第一部~最凶の女』(フジテレビ系)では、美人の娘(沢尻エリカ)を操ってのし上がろうとする腹黒パパ、ドラマ『雲霧仁左衛門3』(NHK BS)では不気味な暗殺者を演じていた。その悪役演技のポイントは、「口から白い歯を一列に見せて微笑んでいるような顔だが、鼻から上はダークな悪意を漂わせる」上下二層構造の作り笑顔。これは立派な芸だと思う。 同じ吉本芸人では、日曜劇場『陸王』(TBS系)でランニングシューズ開発に苦心する主人公たちを圧迫する大手シューズメーカーのひとりとして小籔千豊が登場。長身で文字通り「上から」嫌な発言を連発した。このほか、日曜劇場は、『華麗なる一族』『99.9-刑事専門弁護士-SEASONⅡ』の笑福亭鶴瓶をはじめ、『ルーズヴェルト・ゲーム』の立川談春、『下町ロケット』の春風亭昇太など、落語家を企業ドラマの悪役にするのが、伝統のようになっている。見渡せば話題になる「新悪役」は芸人独占状態。その理由は、彼らには、もともと演技力があること。落語家は語りの中でひとり数役をこなし、芸人もコントや舞台で多くの人物になりきる。基礎ができているうえに、よく見るとみんな顔が結構、強面。最近は、優しい顔で怖いことをする悪役も多いが、芸人悪役の場合はふだんのおちゃらけ顔と腹黒モードのギャップを醸し出すのがとてもうまいのだ。 鶴瓶はNHK大河ドラマ『西郷どん』で岩倉具視役で出演する。岩倉具視といえば、かつて「五百円札」にも印刷されていた公家、政治家。岩倉は維新後、西郷と対立し、彼を追い詰めることになる。悪役もすっかり板についてきた鶴瓶がどんな岩倉になるか。ミスター二層構造笑顔の板尾とともに鶴瓶岩倉にも期待したい。
2018.07.23 07:00
NEWSポストセブン

『西郷どん』トップシークレットの龍馬役は福山雅治か
NHK大河ドラマの熱心な視聴者たちが毎年、注視するのが放送開始時点での“未発表キャスト”だ。今年の『西郷どん』でも、必ず登場するはずの“大物”の演者が明らかにされていない例がいくつもある。ドラマ中盤から後半にかけての主要人物で配役が「トップシークレット扱い」(NHK関係者)なのが明治維新の立役者である坂本龍馬と、勝海舟だ。 歴史作家で『新選組!』(2004年)や『龍馬伝』(2010年)などの時代考証を担当した山村竜也氏は、その経験を踏まえてこう話す。「“主役ではない龍馬”の配役は難しい。知名度と人気が圧倒的に高い歴史上の人物なので、イケメン俳優などを配してしまうと、主役より目立ってしまう懸念が出てくる。そうならない程度に光らせるのが肝。その意味では、昨年11月に放送されたNHKスペシャル『ドラマ龍馬 最後の30日』で龍馬を演じた新井浩文(39)がよかった。地味に見えて存在感があったので、大河でも適任と思う」“大河ドラマ大好き芸人”の松村邦洋氏は、『龍馬伝』で龍馬を演じた福山雅治(48)の“再演”を望むという。「『秀吉』(1996年)と『軍師官兵衛』(2014年)で豊臣秀吉を2度演じた竹中直人さん(61)は“主人公”の時は英雄として、2度目は悪役としての秀吉を見事に演じ分けた。福山さんも前作と違って長州と薩摩の間で暗躍する“ヒール役の龍馬”を演じてほしい」『真田丸』では千利休役を桂文枝(74)が、『直虎』では今川義元役を春風亭昇太(58)が好演。今年の“落語家枠”に、時代劇研究家のペリー荻野氏が名前を挙げるのは立川談春(51)だ。「勝海舟役にいいと思います。旗本の家の出である勝海舟は、江戸っ子のべらんめえ調のしゃべりができる役者にやってもらいたい。今作の西郷は薩摩訛りがきついから、コントラストが際立って面白いと思う」 西郷が江戸城無血開城を前に対峙する交渉相手は“誰”になるのか──ストーリー展開以外にも大河の楽しみは多い。※週刊ポスト2018年2月9日号
2018.02.02 07:00
週刊ポスト

笑点司会・春風亭昇太 「ためにならない」と語る落語の魅力
音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、「全然ためにならない」とみずから言う春風亭昇太の落語の魅力についてお届けする。 * * * 現代の「面白い落語」の第一人者、春風亭昇太。彼の独演会に行くと、落語とは究極の「癒し」だなぁ、とつくづく思う。 昇太はよく独演会のオープニングでこんなことを言う。「今からあなたの人生に2時間の空白が訪れます。全然ためにならないし、何も残らない」 ここに落語の魅力が凝縮されている。 下北沢の本多劇場や新宿の紀伊國屋サザンシアターで毎年開催される昇太の独演会「オレスタイル」、今年は本多劇場で10月16日~18日の3日間、計5公演(17日と18日は昼夜)行なわれ、僕は17日の夜の部を観た。昇太の演目は全公演共通で『替り目』『二番煎じ』『死神』の3席。 昇太自身が企画する「オレスタイル」ではネタおろし(初演)や蔵出しの演目が聴けることが多い。今回は『替り目』と『死神』が蔵出しで、どちらも10年ぶりくらいにやるのだとか。『替り目』は、酔っぱらって帰って来た亭主の駄々っ子ぶりが昇太らしく、夫婦の会話が全編爆笑モノ。 さんざん威張っていた亭主、女房がおでんを買いに行くとしみじみ「ホントは感謝してるんだよ……お前がいなきゃ俺はダメなんだ」と独白、実は女房まだそこにいて「なんだよ、まだ行かなかったのか!」ここで高座を降りる演者が多い噺だが、昇太は「早く行けよ! なにニヤニヤしてるんだよ……小さく手なんか振らなくていいんだよ!」というオリジナルの台詞で爆笑を呼んで後半へ。この「小さく手なんか…」という台詞が言いたいので、途中で切らずにサゲまでやるのだという。『二番煎じ』はよくやる噺でお手のもの。猪鍋を囲むワイワイガヤガヤの楽しさもさることながら、役人が見回りに来てからがこんなに可笑しいのは昇太だけだ。『死神』は冒頭で主人公が何気なく呟いた一言がサゲの伏線になっているという絶妙な展開に舌を巻いた。昇太考案のサゲは陰惨な噺が似合わない彼らしい素敵なもの。最初に登場したときの死神の「お前、俺が見えるのか……?」という台詞も、この噺に孕む矛盾を解決しつつエンディングを補強するスマートな演出だ。 でも何より、呪文を唱えられて「アァ~」と叫びながら消えていく死神の姿がとんでもなく可愛い! この消え方の可愛さこそが昇太版『死神』のキモ。まさか「消えていく死神」に笑わされるとは思わなかった。さすがは昇太、やってくれる!●ひろせ・かずお/1960年生まれ。東京大学工学部卒。音楽誌『BURRN!』編集長。1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。『現代落語の基礎知識』『噺家のはなし』『噺は生きている』など著書多数。※週刊ポスト2017年12月22日号
2017.12.17 07:00
週刊ポスト

立川志らく 新客層にも受け入れられた大胆で先鋭的な演出
音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の連載「落語の目利き」より、テレビ出演が増えたことにより新たな客層を取り込んだ立川志らくの先鋭的な演出の魅力についてお届けする。 * * * 亡き師匠の立川談志をこよなく愛し、「談志のDNAを継ぐ弟子」を自負する立川志らく。彼が今、昼の情報番組「ひるおび!」(TBS系)の辛口コメンテーターとしてブレイク中だ。 若手の頃の志らくは、同世代の落語家の中では人気・実力ともに抜きん出ていた。ライバルでもあった兄弟子の立川談春を追い越して先に真打になったエピソードは、談春の青春記『赤めだか』でも知られるところだ。 その談春は21世紀初頭の落語ブームの波に乗り、『赤めだか』の大ヒットやドラマ出演などもあって完全に全国区の人気を獲得。知名度という点で、志らくは談春に大きく水をあけられてしまった。 だがここに来て、志らくの知名度は急激にアップしている。なんといっても毎日テレビの地上波にレギュラー出演しているというのは大きい。 10月7日、練馬文化センター小ホールの志らく独演会に行って強く感じたのは、客層の広がりだ。592席が完売なのは当然だが、以前はマニアックな男性ファンが大半を占めていた客席に、この日は老若男女バランス良く詰めかけていた。 演じたのは『火焔太鼓』と『中村仲蔵』の2席。古今亭志ん生十八番『火焔太鼓』は「志ん生のギャグを抜くと噺がなくなっちゃう」くらいの演目だが、志らくは二ツ目時代にこれを全編オリジナル・ギャグで作り替え、談志をして「志らくの十八番」と言わしめた逸品。今なお色褪せないが、この日の客席のウケ方は、明らかに「初めて志らくの『火焔太鼓』を聴く」人たちが多いことを物語っていた。 志らく版『中村仲蔵』は「志らくの演劇論」とも言うべき作品。歌舞伎の名優の苦心譚だが、志らくは自ら劇団を主宰する「演劇人」としての解釈を存分に盛り込んだ斬新な演出で2009年に初演、サゲも独自に創作した。聴くたびに進化していて、今回も新たな演出が何ヵ所か加えられていた。 落語が冬の時代を迎えた1990年代、「落語は古臭くない」と強くアピールしたのが立川志の輔と春風亭昇太、そして志らくだった。とりわけ、古典に現代を大胆に導入した志らくの先鋭的な演出は若い世代に人気を博し、後の落語界に大きな影響を与えた。今、春風亭一之輔や桃月庵白酒が古典で思いっきり暴れられる土壌を耕したのが志らくだったと言ってもいい。「ガッテン!」志の輔、「笑点」昇太に負けじと、「ひるおび!」志らくの快進撃が始まった。●ひろせ・かずお/1960年生まれ。東京大学工学部卒。音楽誌『BURRN!』編集長。1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。『現代落語の基礎知識』『噺家のはなし』『噺は生きている』など著書多数。※週刊ポスト2017年12月1日号
2017.11.24 11:00
週刊ポスト

『笑点』の格安ギャラ事情 昇太は司会昇進でも据え置き?
平均視聴率18.8%を記録した6月11日放送の『笑点』(日本テレビ系)。前週から2.4%の大幅アップだが、その要因は「大喜利」コーナーでの衝撃的な大暴露があったからかもしれない。 童謡『かえるの合唱』の「かえるのうたがきこえてくるよ」の歌詞を替え歌して、司会の春風亭昇太(57)の「どうしたの?」という質問に一言、というお題。メンバー最古参・林家木久扇(79)が突然、『笑点』の「タブー」に踏み込んだのだ。木久扇「アップアップときこえてくるよ~」昇太「どうしたの?」木久扇「笑点メンバーがね、ギャラアップ、ギャラアップって。ずっと上がってないのよね」 会場が大爆笑に包まれると、三遊亭円楽(67)もいつになく神妙な面持ちで「50周年でもね」と合いの手を入れた。木久扇「ねぇ、50周年でも上がらないんだもん。嫌んなっちゃうよ! それで面白くしろ、面白くしろって。だから、労働組合作ろうよ!」 再び円楽が「書記長! 書記長よろしく!」と木久扇を煽るとメンバーたちは拍手喝采した。◆司会でもギャラは“据え置き” 僧侶までが残業代の未払いを求めて労働組合に駆け込む時代である。とはいえ笑点メンバーたちが待遇改善を求めて立ち上がるとは……。『笑点』のギャラの実情はどうなっているのか。「『笑点』は高視聴率番組ながらも民放きっての“低コスト番組”として知られています。バラエティ番組の大物司会者なら1回200万~300万円。ですが、『笑点』メンバーは木久扇師匠や円楽師匠ら大御所メンバーでも40万前後だそうです。座布団運びの山田隆夫さんは10万円前後と聞いている。長い間変わっていません」(日テレ関係者) 落語会を開けば、「満員札止め」の大御所たちが驚くほどの“低賃金”なのだ。そう聞くと「労働組合結成」話もあながち冗談とは片付けられなくなってくる。昇太は司会就任直前、本誌の取材に対して、「(桂)歌丸師匠が抜けた分、メンバー全員のベアをお願いしたいぐらいです! 日テレさん、お願いします」 と語っていたほどだ。あれから約1年が経過したが、木久扇の証言通り「ベア」は行なわれていないのか。「カネ」のことは、本人に聞くのが一番と、再び昇太を直撃した。「またアポなしですか!? ポストさん」 と怒る昇太にギャラアップについて話を向けると、「ギャラ(の額)なんて言うわけないじゃないですか! も~う、いい加減にしてくださいよ」 とダンマリ。普段は怒りながらも饒舌に答えてくれる昇太の“いけずな対応”に、これは知られたくない事情があるのではないかと勘繰ってしまう。前出・日テレ関係者が昇太のギャラについて、こう明かす。「昇太さんは司会に“昇進”してギャラが上がったと思われがちですが、ネタでも何でもなく、本当に“据え置き”なんです。『笑点』は落語界のしきたり同様、年功序列の世界。司会であっても、他の大先輩たちよりもギャラが上回ることはありえない。昇太さんは今でも1回25~30万円程度の“若手メンバー額”です」 長寿番組では、ギャラの“伝統”も健在なのだ。◆ベア要求でメンバーから外れたくない 取材を進めたところ実際に日テレにベースアップを要求したメンバーはひとりも確認できなかった。メンバーにはこんな損得勘定があるという。「『笑点』に出演すれば、全国的な知名度が上がるため、本業である落語の営業のギャラが桁違いになる。普通の真打ちの1回のギャラは10万~20万円が相場だが、大喜利メンバーなら50万~60万円にハネ上がる。 だから、下手に『笑点』のギャラのベアを要求して、スタッフから煙たがられ、メンバーから外されては困るんです。安いギャラでもメンバーであり続けて、他の仕事で稼ぐ方が儲かるんです」(落語関係者) どれほど儲けているか、その具体的な金額は定かではないが、昇太が『笑点』メンバー入り後に、居酒屋風のバースペースを兼ね備えた「座布団御殿」を新築したのは知られた話である。 ただし『笑点』の低待遇はギャラだけではない。「楽屋は大部屋で全員一緒、お弁当やおやつが出ないのも有名です。でも、いつも一緒にいるからこそ『チーム笑点』は固い絆で結ばれている。みんな、安いギャラでも“落語を大衆に広めたい”というモチベーションでつながっている。とはいえ、本気で一致団結して待遇改善を求めてきたら日テレは困るでしょうね。今回の木久扇師匠の“労働組合結成”発言はネタだと分かっていても、スタッフはヒヤヒヤだったかもしれませんよ(苦笑)」(前出・日テレ関係者)※週刊ポスト2017年6月30日号
2017.06.18 16:00
週刊ポスト

日曜劇場『小さな巨人』 面白さを支える11のこだわり
警察組織内の対立、男同士の嫉妬などが描かれ、数ある刑事ドラマの中でも、異彩を放つ日曜劇場『小さな巨人』(TBS系、毎週日曜21時~)。ドラマでは、「私の勘だ!」というセリフがたびたび登場するが、制作側はそれとは真逆で、計算し尽くされた演出と徹底取材により、面白さを追求していた。「さまざまなドラマを手掛ける中で、警察関係者と出会い、“いつか警察内部の人間関係を詳しく描きたい”と思ったのが企画の出発点でした」 そう語るのはプロデューサーの伊與田(いよだ)英徳さんだ。7話までの平均視聴率は13%を超え、注目度は日増しに上昇中。その背景には徹底した取材がある。「フィクションではあるけれど、警察関係者が見ても、“あるある”と共感してもらえるようなものにしたかった。現役の警察官や、彼らと接触する現場の報道記者たちにもヒアリングして演出に役立てています」 5月21日から放送が始まった「豊洲署編」では、「国が持てあましたゴミの埋め立て地を10億で取得」した早明学園が舞台。今、社会問題化している森友学園問題を彷彿とさせるが…。「世の中で話題になっている問題として、きっかけのひとつになったのは否定できませんが、あくまで手掛けたいのは人間ドラマ。そこに絡んでくる人たちの対立や心の動きを、丁寧に描きたいと思っています」(伊與田英徳さん・以下「」内同)。 では、ドラマの面白さを支える11のこだわりを紹介しよう。【1】ヤスケン演じる刑事にはモデルがいた!? 安田顕(43)演じる渡部は、身なりに気を使わず、風呂にも何日も入らずに事件解決に奔走する所轄の刑事だった。「これは所轄刑事への取材がベースになっています。私たちも仕事がたてこむと、お風呂に入らないことがありますから」【2】『シン・ゴジラ』コンビ再び 警視庁捜査一課から所轄に左遷させられた刑事・香坂(長谷川博己・40)を陰で支える妻を演じるのは市川実日子(38)。長谷川と市川は、映画『シン・ゴジラ』で共に戦ったコンビだ。「『シン・ゴジラ』を見て、あの2人が夫婦だったら面白いと思い、キャスティングしました」。【3】所轄の警察署は細部までリアルを追求 所轄の警察署へは、実際にスタッフが行って取材。署内の部屋の雰囲気や署長室の小物などはできるだけリアルを追求した。「証拠を捜すため、香坂たちが警務係に署長室の鍵を借りる5話のシーンでは、鍵の管理方法はある所轄への取材をもとにしています」。【4】香川照之の“顔芸”は本人発? 高卒ノンキャリアで、たたき上げの警視庁捜査一課長・小野田を演じる香川照之(51)。目を大きく見開いたり、歌舞伎の見得を切るようににらみつけるなど、その“顔芸”が話題。「演出と相談しながらあのような形になったと聞いています」。【5】事件解決はテーマではなかった!? ほかの刑事ドラマ同様、事件を解決するため刑事らが奔走するが、その軸となるのは人間模様。「事件を解くまでの警視庁本庁と所轄のせめぎ合いや裏切り、同僚に対する嫉妬など、警察官といえども一人の人間であることを主軸に描いています」。【6】捜査一課は髪形もネクタイもビシッ! 警視庁捜査一課は、警視庁が誇る精鋭部隊。それゆえ、身なりもきちんとした人が多いとか。「ぼくが取材でお会いした一課の刑事はみんなそうでした。ドラマでも、髪を短めに整え、スーツ姿でネクタイも首元まであげて、しっかり結ぶようにしています」。【7】運転担当&車には驚きの秘密が 若手刑事の山田(岡田将生・27)は捜査一課長の運転担当を務めていた。「取材したら、元捜査一課長たちは皆、元運転担当を経験したかたたちでした。一課長の運転担当は重要な話を聞く立場のため、信頼の厚い人がなるそうです」。また、警視庁の捜査一課長が乗る車はクラウンと決まっており、ドラマでも同じ車種を使用。【8】次々と登場する意外な役者たち 悪徳理事長役で、民放連ドラに26年ぶりにレギュラー出演している和田アキ子(67)。「圧倒的な存在感を考えたら、和田さん以外なかった」。フリーアナウンサーの堀尾正明(62)は弁護士役で出演。「学生時代、劇団で役者をしていたことを俳優の溝端淳平さん(27)に聞いてオファーしたんです。声の通りもお見事でした」。【9】困ったら「香坂さんに聞け!」 徹底的な役作りをしている長谷川。「演出が“このシーンをどう撮ろうか”と迷ったときは、“よし、香坂さんに聞いてみよう!”と相談しながら一緒にやっています。香坂だったらどう動くのか、演じる長谷川さんがいちばんわかっているので」。【10】香川と昇太のマル秘楽屋トーク ドラマでは対立を見せる香川と所轄の署長役の春風亭昇太(57)の2人だが、楽屋では仲よく共通の趣味の話題で盛り上がっているそう。「2人ともボクシングが好きなようで、撮影の合間にも盛り上がっていましたよ」。【11】真の敵は実は香坂の母だった?「敵は味方のフリをする」という決めせりふの通り、誰が味方で誰が敵かということが視聴者の注目を集めている。「まだ決まっていませんが、アッと驚くような展開になると思います。香坂の母を演じる三田佳子さん(75)は“私が敵だったらいいわね”と言っていますが…」。※女性セブン2017年6月15日号
2017.06.04 16:00
女性セブン

『小さな巨人』 「倍返し」級の流行語を生み出せるか?
7話までの平均視聴率は13%を超え、今クールのドラマでもっとも注目を集める作品のひとつ『小さな巨人』(TBS系)。同じ日曜劇場で放送されていた『半沢直樹』ともたびたび比較されているが、『小さな巨人』の好調の理由はどこにあるのか? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * そんなわけで、後半戦ともいえる「豊洲署編」が始まった『小さな巨人』。早明学園の屋上で現役警部の江口(ユースケ・サンタマリア)が殺害される。江口は、政治家ともつながる学園の不正経理を内偵捜査していた。6000万円も横領していたとされる学園経理課長の横沢(井上芳雄)が容疑者とされるが、所轄の豊洲署の警部香坂(長谷川博己)は学園の専務で元捜査一課長富永(梅沢富美男)を疑う…。 とにかく出てくる人物全員が口をへの字にした怖い顔というこのドラマ。観れば「日曜劇場」のヒット作『半沢直樹』『下町ロケット』などを意識しているのが、よくわかる。中でも際立つのが、3つのポイントだ。 第一のポイントは、異業種陣VS俳優陣の対決構造。前半の「芝署編」では、誘拐の被害者で裏の顔を持つ大手企業のトップに桂文枝。その企業の顧問弁護士に堀尾正明、捜査情報を漏らすばかりか、証拠隠滅まで謀る“裏切り者”署長に春風亭昇太、「豊洲編」では、不正の親玉(?)にも見える学園理事長に和田アキ子。香坂たちの「敵」に、落語家、キャスター、歌手と異業種キャストが勢ぞろい。 これは『半沢直樹』で歌舞伎の片岡愛之助、ミュージカルの石丸幹二、『下町ロケット』で東国原英夫、春風亭昇太を敵方に配置した構図を踏襲している。 第二のポイントは、ますますヒートアップしていく捜査一課長小野田(香川照之)の歌舞伎調の演技だ。『半沢直樹』では、主人公の一番の大敵として最後の最後に追い詰められ、土下座する場面で、ぐ、ぐ、ぐぐぐとたっぷり芝居を見せた香川。『小さな巨人』では、アップになるたびに見得の如く、にらみをきかせ、腹の底から「謝ってすむ問題ではなぁい!!」などと大音声を発する。まるで歌舞伎の迫力。はいてないのに袴をはいているように見える。 第三のポイントは、ハードルがどんどん高くなる決めセリフ。『半沢直樹』では、ご存知、「やられたらやり返す。倍返しだ!!」が流行語にもなり、TBSでは、おまけステッカー入りの『倍返し饅頭』まで発売された。一方、『小さな巨人』では、当初「100%、クロだ」「99%を100%にしてみせる」など、100%の完璧を目指していたように見えたが、第七話では、小野田が香坂に「200%の覚悟」を要求。 受けた香坂も眉間にしわを寄せて「その覚悟、必ず持って参ります」と宣言。続く八話では、小野田は「横沢は300%、クロだ」などと言い出し、香坂を追い詰めるらしい。名曲『君は1000パーセント』もびっくりのこの倍々圧力。この調子で最終回までにいったい何%が出てくるのか。銀行マンの「半沢」のように具体的な金額で勝負が決するのと違い、「200%の覚悟」は視聴者には見えない。 刑事のカンのみを根拠にどう覚悟と確信を画面に示すのか。ここが踏ん張りどころ。長谷川博己の眉間のしわは、当分、もとに戻りそうにない。
2017.05.31 07:00
NEWSポストセブン

春風亭昇太も困惑する愛弟子・昇吉の「八百長疑惑」
『笑点』(日本テレビ系)の司会に抜擢されて以来、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』や『小さな巨人』(TBS系)に出演するなど、落語だけでなく俳優業も絶好調の春風亭昇太(57)に、思わぬ逆風が吹いている。 二ツ目ながら東大卒落語家としてクイズ番組などで活躍する若手有望株の愛弟子・春風亭昇吉(37)が“八百長疑惑”に見舞われているのだ。 嫌疑がかかったのは、3月12日の「第十六回さがみはら若手落語家選手権」での優勝について。同選手権では、全4回の予選会を勝ち上がった4人に、各予選会の2位で最も惜敗率が高かった者を加えた計5人が本選を争う。優勝者を決めるのは、本選のチケットを購入した観客の投票だ。 昇吉は1月15日の第1回を勝ち上がり、最も早く本選出場を決めた。この出場者が順番に決まるシステムが疑惑を生む引き金となったのである。落語関係者がいう。「本選のチケットは、予選開始前の2016年11月から発売が開始されていましたが、予選第1回の段階ではまだまだ余っていた。ところが、昇吉の本選出場直後からチケットは飛ぶように売れて、翌16日には完売となってしまったんです。そのため、落語関係者の間では、『昇吉サイドがチケットを買い占めて、組織票で優勝した』という噂が流れたんです。また観客の投票とは別に協賛社7社による投票も行なわれるのですが、こちらは1票も昇吉に入らなかったことも疑惑に拍車をかけた。 本選のトリ・5番目に登場して『あたま山』を披露した昇吉は、師匠の昇太をイジるマクラで客席を爆笑させていたんですけどね」 落語界の重鎮・立川談四楼もツイッターで苦言を呈している。〈この異常事態に、主催者は何らかの手を打つべきだったかもしれない。もちろん主催者は組織票が決するなんてことは考えず、性善説を取ったことは想像に難くなく、しかし相当数の客はモヤモヤし、そのツイートは奥歯にモノが挟まっていたのだ〉 真打の三遊亭ときんも〈動員力は凄いけどそこだけで勝負しちゃうとさ、後が…。見てたお客さんはお見通しだよ〉とツイート。ネット上でも、一般観覧者らの“組織票疑惑”を非難するコメントがあふれた。 真相を確かめるため、昇吉の事務所に連絡したが、本人と連絡が取れずコメントしようがないとのこと。代わりに師匠の昇太を直撃した。──昇吉さんに“八百長”疑惑が浮上していますが?「えぇー! それは本当に知らなかった。そんなことになっているの?」──噺家からも批判が出ているが、師匠としてどう思うか?「僕も全部を把握しているわけではないので……。ただ言う人は何でも言いますし、言わない人は言わないだろうしね。やっかみ? そういうのは分からないけど……」 と困惑しきりだった。チケットの購入者が昇吉の関係者という証拠はどこにもない。それに、落語の優劣を採点すること自体、非常に難しい。栄華を極める“昇太一門”へのやっかみも今回の騒動の背景にあるかもしれない。いずれにしても、昇吉は“本業”に専念して、誰にも文句を言われない実力を身に付けてほしい。※週刊ポスト2017年6月9日号
2017.05.28 16:00
週刊ポスト

落語芸術協会会長のポスト歌丸問題と円楽の壮大な夢
古典落語の人気演目「片棒」は、引退を前にした江戸商人・赤螺屋(あかにしや)が3人の息子の誰を店の跡継ぎにするか悩むところから物語が始まる。「片棒」の舞台から300年たった今、落語界でも“後継問題”が思わぬ展開を迎えていた──。 肺炎で入院していた落語家・桂歌丸(80)が5月13日に退院した。35キロまで落ちていた体重も徐々に戻り、現在は食事も取れるほどに回復。しばらくは自宅で静養しながら高座復帰を目指すという。だが落語関係者は「完全な復帰は困難では」と声を潜める。「必ずや高座に戻っていただきたいと思いますが、ここ数年は入退院を繰り返しているだけに、会長職を続けるのは難しいかもしれない」 この「会長職」とは、東京落語界の二大協会のひとつである落語芸術協会(以下、芸協)の会長のことである。漫画家で落語評論家の高信太郎氏が解説する。「芸協は合議制で、協会の方針や新しい試み、誰を真打ちに昇進させるかなどはすべて理事会で取り決めます。会長は、これら理事や協会員をまとめる役割を担います」 2004年から歌丸が務めるこの職は、これまで六代目春風亭柳橋、五代目古今亭今輔、四代目桂米丸、十代目桂文治ら大師匠たちが務めてきた。 名誉ある大役だけに、当然、『笑点』の司会者同様にその座をめぐって手を挙げる者が続々……と思いきや、どうもそうではないらしい。芸協関係者がいう。「6月には芸協の役員改選が行なわれます。歌丸師匠の体調のことを考えれば、5月下旬の理事会で後継者問題について話し合われるのは間違いない。だが、この状況下でも、誰も手を挙げようとしないんです」◆昇太でいいんじゃない!? 最有力と目されるのは、現在、副会長を務める三遊亭小遊三(70)。歌丸も周囲に「小遊三に頼みたい」と語っていると伝えられているが……。「小遊三師匠は『落語に専念したいんだけどねぇ~』とこぼしていて、名誉や権威に関心がない。昨年4月に不整脈の手術をしてからは、健康面にも不安があるようで、消極的です」(同前) 本心を知るべく、小遊三を直撃したところ、「後継者の話もないし、やりたい気持ちもない。昇太でいいんじゃない!?」と『笑点』でお馴染みの“無責任キャラ”全開だ。 では、小遊三に“指名”された『笑点』司会者・春風亭昇太(57)はどうか。「ライバルの落語協会では、3年前に当時52歳の柳亭市馬が史上最年少で会長職に就いた。副会長にも当時54歳の林家正蔵が就任し、幹部の若返りに成功している。芸協でも、全国区の知名度を誇る昇太さんが会長職につくことにより協会に新風が吹くのでは。何よりも老若男女に愛されるあのキャラクターは団体の“顔”として最適です」(前出・高氏) と、待望論も巻き起こっているようだ。だが、『笑点』の司会に抜擢されたことでお茶の間の人気者となった昇太は、NHK大河『おんな城主 直虎』や『小さな巨人』(TBS系)などで俳優としても活躍。バラエティに独演会にと引っ張りだこで、現在は芸協が主催する寄席やイベントへの出演も困難なほど過密スケジュールなのだ。「会長となれば、今以上に負担がかかる。本人としてはなんとか固辞したいところでしょう」(前出・芸協関係者) 昇太にも話を聞いた。「僕が会長に!? えっ!? そんなまさか!(オファーがあったとしても)それは理事会が決めること。僕が決めることではありません」◆雇われ社長だよ! 権威あるポストがなぜ“火中の栗”となるのか。落語評論家の広瀬和生氏が解説する。「芸協は公益社団法人であり会社とは違う。会長になったところで、収入が増えるわけではありません。『芸協らくごまつり』など協会主催のイベントには代表として必ず出席しなければならない上に、役員会や理事会など芸協のスケジュールに無償で縛られる。正直、割の良い仕事ではない」 売れっ子落語家は「名誉」より「実」ということなのか。そんな中、仰天プランが浮上している。三遊亭円楽(67)率いる「円楽一門」の芸協入りと円楽の会長就任だ。 先代・円楽の盟友だった歌丸は、先代が残した弟子たちに目をかけてきた。2011年に円楽一門が芸協入りを申し入れた際に歌丸は尽力するも、芸協内の猛反対で頓挫した経緯もある。「芸協が苦境を迎えた今なら、実現しうる話ではないでしょうか。ライバル・落語協会には真打ちが200人いるが、芸協はその半分と大きく水を空けられている。円楽一門が合流することで、『層の薄さ』という弱点とともに、円楽を会長という大看板に据えることも可能となる」(前出・芸協関係者) このプランについて、円楽に意見を聞くと、「そんなの雇われ社長と一緒だよ! 頼まれても絶対にない! 順当に副会長の小遊三さんがなるべきだと思う。そもそも僕は“協会”とか言ってないで、東京落語界をひとつにすればいいと思う。そうすればもっと落語は魅力的になるはず」 という壮大な夢でトリを締めた。※週刊ポスト2017年6月2日号
2017.05.24 07:00
週刊ポスト

『小さな巨人』みんながみんなポケットに手を入れすぎ
臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、ドラマ『小さな巨人』での俳優たちの仕草に注目。 * * * 日曜夜9時。ちょっと暗めだが盛り上げ感のあるオープニング曲に乗って、「われわれは~」という俳優、長谷川博己演じる香坂信一郎の声が流れる。今週もTBS系日曜劇場『小さな巨人』の時間がやってきた。 ドラマは警視庁捜査1課長を目指していたエリート刑事・香坂が、あるミスから所轄に左遷され出世街道から外れるも、巨大な警察組織の中で己の正義を信じ、悪と対峙し奮闘する姿を描く警察エンターテインメント。 このドラマ、事件がすっきり気持ちよく解決されるわけでもなければ、「敵は味方のフリをする」というキャッチフレーズの通り、香坂の本当の敵が誰なのかもいまだにわからない。視聴者の予想は裏切るものの、期待は裏切らないという先読みできない展開が面白い。 主演の長谷川博己には影の薄い優柔不断な演技より、『MOZU』や『シン・ゴジラ』の役に見る透明感のある硬さと、エキセントリックな感じの演技の印象が強いと思う。 彼の独特の存在感からくるものもあるが、ついつい長谷川の口の動きに目がいってしまうという要素は大きい。このドラマでも、演技に熱が入れば入るほど、滑舌に苦手意識があるのだろうと思うほどのセリフ回しで、口の動きが大きく激しくなってくる。あれではかえってセリフをかむのではないかと心配してしまうほどだ。 この大げさすぎる口の動きと滑舌も、必死な感じと臨場感を伝えるには効果的だ。大きな表情は、その人の持つ強さや激しさ、切迫感や緊張感を感じさせやすい。きっちりとしたスーツ姿も相まって、主人公・香坂の正義感や生真面目さ、筋の通った芯の強さや愚直さという印象が強くなる。事件を追いながらも、一筋縄ではいかずに逆に追い詰められていく感じを出すにはぴったりだ。 一方、口周りの筋肉に力が入りすぎていると、実力派刑事の余裕みたいなものや、老練な刑事のしたたかな印象からはちょっと遠ざかってしまう。あまりにぴったりと似合う高そうなスーツにはエリート感が漂い、ノンキャリという役柄のイメージではないが、警視庁と所轄の差を演出したかったのだろう。 警察の姿を克明に描くというだけあり、所轄の刑事課は、他の警察ドラマよりも確かにリアル。だけどネットでも書かれているように、捜査1課長の部屋はあんなに広くないし豪華でもない。 でも、そこは階級社会の警察ドラマ。広い部屋に大きな机を置きデフォルメしているからこそ、表情豊かに演じる香川照之の捜査1課長という権力者の前で、長谷川演じる香坂は、指先までピンと伸ばし直立不動、表情をあまり変えず、礼をする時は90度という演技が、権力格差を際立たせていると言える。 権力や社会的格差がある者がやり取りする場合、権力を持たない者は持つ者に対して距離を取りやすく、否定的な表情を避け、場合により権力者の前で直立になりやすいと、心理学者のマイルズ・L・パターソンが言っている通りだ。 さてこのドラマ、「あれ?」と思ったことがひとつある。捜査について話すシーンなどで、長谷川だけでなく、岡田将生演じる刑事で捜査1課長付運転担当の山田春彦や、安田顕演じる芝署刑事の渡部久志など、主要キャストがしょっちゅうポケットに手を入れているのだ。 この仕草は、後ろめたい気持ちがある時や隠し事がある時に出やすいと言われる。殺人証拠を隠し、警察情報を流す春風亭昇太演じる三笠署長も、香坂の前でポケットに手を入れていた。これは隠し事をしていたためとわかりやすい。 不安や自信の無さを隠すという意味で、ポケットに手を突っ込みやすいという説もある。所轄の若手刑事が、進まない捜査状況を聞きながら香坂の前でポケットに手を入れているのは、捜査への不安や弱気な面を出しているせいであろう。 それが癖という人もいる。安田演じる刑事渡部は、いつもポケットに手を入れている。ちょっと猫背で泥臭さはあるが正義感は強い。 またこの仕草は警戒している、本心を見せたくないという気持ちの表れの場合もある。岡田演じる東大卒なのにノンキャリの山田は、自分の感情や本心を表に出さず、ピリピリとした印象の役。どこかで常に香坂と対峙し警戒している感を表現しているのだろう。 実際、刑事がそんなにいつもポケットに手を入れているのか、警視庁の元刑事さんらに聞いてみたが、そんなことはないらしい。捜査指揮する時にそんな仕草をするのも稀有という返事もあった。 だが、長谷川演じる香坂は部下を前に、ポケットに手を入れ捜査状況を話すシーンは度々あるし、オープニングのタイトルバックのシルエットでもポケットに手を入れているように見える。焦りやいらだちを部下に見せないためか、それとも心を落ち着かせるためか…? 香坂の手がいつポケットに入らなくなるのか…最終回まで見届けよう。
2017.05.21 07:00
NEWSポストセブン

林家三平の「0枚フィニッシュ」は視聴者が注目している証拠
放送51年目を迎えた国民的長寿番組『笑点』(日本テレビ系)。昨年、新メンバーで再スタートしてからも絶好調は続いているが、今年に入って地上デジタル放送のメリットを十分に活かす画期的な「新システム」を導入した。だが、これが思わぬ波紋を広げている。 番組放送中にリモコンのdボタンを押すと、大喜利メンバーの名前と座布団の枚数が表示された画面に切り替わり、司会の春風亭昇太(57)のようにメンバーに座布団をあげたりとったりできるのだが、林家三平(46)が番組最後にスベリ、最終的に「0」枚で終えることが数回起こっているのだ。これがネットで「0枚フィニッシュ」と呼ばれ、話題になっている。 今年、お正月に本誌・週刊ポストは「三平つまらない説」について本人に直撃している。しかし、その時は、「みんな、僕の愛妻家キャラが面白くないっていうけれど、視聴者のみなさんにこの“幸せ”を伝えているからいいんです。そういう風に考えてほしいな~」とスベることをまったく意に介していない様子だった。 だが、お茶の間の反応が数字となって表われている以上、もはや看過できない問題ではないか。「0枚フィニッシュ」について、昇太に話を聞くと、ニヤニヤ笑いながらこう答えた。「メンバーの中にこういうキャラがいるほうが番組としては面白いんですよ。視聴者が『座布団取っちゃえ!』と思っているならドンドン取っちゃって下さい。でも、僕は三平くんに結構、座布団あげてますよ。どっちかというと小遊三師匠の方が少ないんじゃない(笑い)。 えっ!? いままでの三平くんの回答で一番面白かったもの? とくになし! ハハハ!」まったくフォローになっていないどころか、この“公開処刑”を楽しんでいるフシすらある昇太であった。 しかしこの体たらくが続けば“クビ”なんて声も聞こえてきそうだ。番組関係者は現状をどう見ているのか。「視聴者から座布団を取り上げられることの多い三平さんですが、実は座布団をもらっている数も多いんです。でも『0枚フィニッシュ』を期待する視聴者が面白がって、最後に取り上げてしまう。だから、こんな状況になってしまうんです。 実は、『あげる』『とる』の両方のボタンの合計数が一番多いのが三平さんなんですよ。つまり視聴者から最も注目を集めているんです。この状況は三平さんの耳にも入っており、『どんな形でも番組を盛り上げることに貢献できているなら』と喜んでいます。この大らかさが“お坊ちゃん”の三平さんらしいですよね」 本人に話を聞くべく三平に直撃すると、「日テレさんを通してくださ~い」と芸人とは思えぬ相変わらずのお寒い回答。「昭和の爆笑王」(初代林家三平)のDNAは一体どこへ行ってしまったのか。こりゃしばらく『0枚フィニッシュ』は続きそうだ。※週刊ポスト2017年3月10日号
2017.03.05 16:00
週刊ポスト

笑点・林家三平がくらう公開処刑「0枚フィニッシュ」
放送51年目を迎えた国民的長寿番組『笑点』(日本テレビ系)。昨年、新メンバーで再スタートしてからも絶好調は続いているが、今年に入って地上デジタル放送のメリットを十分に活かす画期的な「新システム」を導入した。だが、これが思わぬ波紋を広げている。 1月8日放送から『笑点』ではデータ放送をスタート。併せて「視聴者参加システム」が取り入れられた。 番組放送中にリモコンの「dボタン」を押すと、大喜利メンバーの名前と座布団の枚数が記された画面に切り替わる。視聴者はリモコンを操作することで、司会の春風亭昇太(57)のようにメンバーに座布団をあげたり、取ったりすることができるのだ。 ファンには堪らないサービスだが、これによって思わぬピンチを迎えているのが、昨年加入した新メンバーの林家三平(46)だ。 2月19日放送では、「プロレスの日」にちなんで、「レスラーになってアクションをしながら一言」というお題が出された。 これに手を挙げた三平は「おい! オレを倒してみろ!」と相手レスラー役の昇太を挑発。「何を!」と応える昇太に対して、三平は「オレが倒れてもな、すぐに美どりと、その後に香葉子が出てくるぞ!」というオチを披露。 だが、会場からは失笑が漏れた。昇太も「絶対戦いたくないわ、そんなの。もうおしまい! 笑点これまで!」と微妙な空気になった会場を半ば強引に締めたのだった。 説明不要かもしれないが、「美どり」と「香葉子」とは、姉・海老名美どり(64)と母・海老名香葉子(83)のこと。三平は笑点加入以来、「嫁ネタと海老名家ネタしかない」と揶揄されてきたが、それでも身内ネタの一点張り。しかし、この日も会場のウケはイマイチだった。 会場以上に悲惨な状況となったのは、視聴者参加システムの座布団の枚数だ。番組終了時、最も多くの座布団を獲得していたのは、林家たい平(52)で、「3万5357枚」。三遊亭円楽(65)や林家木久扇(79)ら他のメンバーも軒並み1万枚を超える中、三平のみが「223枚」。まさに“2ケタ違い”の大差となった。 だが、日テレ関係者は「この日はまだ良かった方ですよ」と声を潜める。「視聴者参加システムが導入されて以降、三平さんは最終結果『0枚』を数回叩き出しています。これは他のメンバーではありえないこと。番組の最後に三平さんがスベると一気に座布団を取り上げられてしまうんです。笑点ファンの間では『0枚フィニッシュ』という流行語まで生まれました」 この惨状にネット上では〈笑いを通り越していじめに見えるんだけど〉〈三平だけ、毎週悪意を感じるレベルの座布団の少なさだな〉と同情の声も聞こえ始めている。毎週のように“公開処刑”が行なわれているのである。※週刊ポスト2017年3月10日号
2017.03.05 07:00
週刊ポスト

落語家の時代劇悪役はなぜ怖いのか 春風亭昇太、小朝も
時代劇で落語家が演じる悪役ぶりが話題を集めている。NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』では、今川義元を演じる春風亭昇太が“怪演”と話題沸騰中。春風亭小朝もBS時代劇で演じる不気味な悪役で存在感を発揮している。彼らの“怖さ”の秘密について時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが迫る。 * * * 怖っ!! 大河ドラマ『おんな城主 直虎』で春風亭昇太演じる今川義元が出てくるたびに、そう思う人は多いはず。なにしろ、第一話で初登場の際には、ピロピロリ~と不協和音っぽい音楽に乗って、白いマントのような豪華な羽織をぶわっとさせて登場。その顔は、額には黒丸のような眉毛が描かれ、唇まで真っ白! 怖しい白カラスのような雰囲気だ。 その義元は、目の前の裏切り者・井伊直満(宇梶剛士)を嫌な顔でにらみつけ、無言のままさっと手を挙げると、あっという間に家来たちが宇梶を抹殺してしまう。いつもの昇太なら、宇梶と目が合っただけでボコボコにされそうだが、今回は違う。しかも、人殺しを命じておきながら、白カラス義元は終始無言なのだ。 その後、ドラマの主人公井伊家の娘おとわ(後の次郎法師・直虎)を人質から解放する際にも、まったく声を出さず、扇をパサッとしただけで命令完了。家臣はそれだけで、おとわに「去ってよいとの仰せじゃ」と義元の言葉を理解するのである。テレパシーか。 しかし、これは絶妙な演出だ。視聴者はふだん『笑点』でお茶目でおしゃべりな昇太を観ているだけに、口を開かず、白塗りの義元とのギャップは強烈で怖い。威圧感もある。おまけに『笑点』では嫁がいないことをいつもネタにされているが、この義元は、かつて人質にされた井伊家の美女佐名(花總まり)を「お手付き」にしているのである。おとわの侍女の話では「それはもう何度も何度も」で、その挙句、飽きるとぼろのように「捨てた」という。これもギャップ…。 今川義元は、これまで大河ドラマでは、『功名が辻』江守徹、『武田信玄』中村勘九郎(中村勘三郎)、フジテレビの『女信長』では三谷幸喜、最近では『信長協奏曲』で生瀬勝久など、名優が演じてきたが、この昇太ほど不気味な義元はいない。『下町ロケット』で主人公の町工場を痛めつける非情な銀行融資係から、昇太の敵役はさらに進化した。 しかし、そんな昇太の前に「ちょっと待った!」とばかりに立ちはだかった先輩落語家がいる。NHK BS時代劇『雲霧仁左衛門3』の春風亭小朝だ。小朝は主人公・雲霧仁左衛門(中井貴一)に裏金を奪われ、彼らに復讐をしようとあの手この手を考える藤堂家の家老・磯部役。悪の黒幕だ。ただし、こちらは昇太義元とは対照的。密談をするため、商家の座敷にわざわざ駕籠で乗り込んだり、悪だくみを思いつくと、「ふふふ、面白くってきたぞ」と、池の鯉のエサの麩をバリバリと握りつぶしたり。冷たい顔をした殺し屋剣豪(板尾創路)に指示したり。いかにも悪役。何を考えているのかわからない義元とは違って、わかりやすいのである。 昇太はトレードマークのメガネをはずすと別人のような怖い顔になり、小朝はやはりトレードマークの金髪を封じると悪役に。ふたりの不気味顔対決は、あと少し続く。今のところ、義元の不気味さが勝っている気がするが、最終対決に向けて、「微笑みながら悪い事を考える」小朝家老が何を仕掛けるか。目が離せない。
2017.02.15 07:00
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