芸能

『小さな巨人』みんながみんなポケットに手を入れすぎ

『小さな巨人』でちょっと気になるのは…(公式HPより)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、ドラマ『小さな巨人』での俳優たちの仕草に注目。

 * * *
 日曜夜9時。ちょっと暗めだが盛り上げ感のあるオープニング曲に乗って、「われわれは~」という俳優、長谷川博己演じる香坂信一郎の声が流れる。今週もTBS系日曜劇場『小さな巨人』の時間がやってきた。

 ドラマは警視庁捜査1課長を目指していたエリート刑事・香坂が、あるミスから所轄に左遷され出世街道から外れるも、巨大な警察組織の中で己の正義を信じ、悪と対峙し奮闘する姿を描く警察エンターテインメント。

 このドラマ、事件がすっきり気持ちよく解決されるわけでもなければ、「敵は味方のフリをする」というキャッチフレーズの通り、香坂の本当の敵が誰なのかもいまだにわからない。視聴者の予想は裏切るものの、期待は裏切らないという先読みできない展開が面白い。

 主演の長谷川博己には影の薄い優柔不断な演技より、『MOZU』や『シン・ゴジラ』の役に見る透明感のある硬さと、エキセントリックな感じの演技の印象が強いと思う。

 彼の独特の存在感からくるものもあるが、ついつい長谷川の口の動きに目がいってしまうという要素は大きい。このドラマでも、演技に熱が入れば入るほど、滑舌に苦手意識があるのだろうと思うほどのセリフ回しで、口の動きが大きく激しくなってくる。あれではかえってセリフをかむのではないかと心配してしまうほどだ。

 この大げさすぎる口の動きと滑舌も、必死な感じと臨場感を伝えるには効果的だ。大きな表情は、その人の持つ強さや激しさ、切迫感や緊張感を感じさせやすい。きっちりとしたスーツ姿も相まって、主人公・香坂の正義感や生真面目さ、筋の通った芯の強さや愚直さという印象が強くなる。事件を追いながらも、一筋縄ではいかずに逆に追い詰められていく感じを出すにはぴったりだ。

 一方、口周りの筋肉に力が入りすぎていると、実力派刑事の余裕みたいなものや、老練な刑事のしたたかな印象からはちょっと遠ざかってしまう。あまりにぴったりと似合う高そうなスーツにはエリート感が漂い、ノンキャリという役柄のイメージではないが、警視庁と所轄の差を演出したかったのだろう。

 警察の姿を克明に描くというだけあり、所轄の刑事課は、他の警察ドラマよりも確かにリアル。だけどネットでも書かれているように、捜査1課長の部屋はあんなに広くないし豪華でもない。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン