江戸川乱歩一覧

【江戸川乱歩】に関するニュースを集めたページです。

江戸川乱歩と横溝正史の関係性は?(写真/共同通信社)
江戸川乱歩と横溝正史 乱歩の亡骸の枕元で横溝は泣き崩れた
 明智小五郎と金田一耕助──誰もが知る名探偵2人を生み出した日本ミステリー界の両巨頭が、江戸川乱歩と横溝正史である。日本の探偵小説(推理小説)の黎明期といわれる1920年代のデビュー以降、戦前・戦中・戦後を通じて切磋琢磨してきた。 月刊誌『新青年』の懸賞小説で横溝の『恐ろしき四月馬鹿』が一等となり、同誌に掲載されたのは1921年4月号。遅れること2年、乱歩は同誌1923年4月号に処女作『二銭銅貨』を発表する。デビューこそ遅れたものの、8つ年上の乱歩が先にブレイクし、文壇での評価を確立する。 そんな2人の初対面は1925年に訪れた。神戸在住の作家・西田政治の自宅で乱歩と面会した当時のことを、横溝は後にこう書いている。〈このとき私の運命は決定したのである。もし、このことがなかったら、引っ込み思案の私のこと、いまでも神戸で売れない薬局を経営しながら、しがない生涯を送っていたにちがいない〉〈今日にいたるまでの私の生き方は、すべて乱歩さんに敷設していただいたも同様である〉(『探偵小説昔話』) 長きにわたる交遊のなかで、2人は作家同士ではなく“作家と編集者”として関わりをもった時期もある。 横溝は乱歩との面会後、1926年に上京。『新青年』の編集者となり、乱歩の長編『パノラマ島綺譚』や『陰獣』を担当した。一方の乱歩は、後年、雑誌『宝石』の編集長を務めた際(1957~1962年)、横溝の長編『悪魔の手毬唄』を掲載している。 乱歩の孫である平井憲太郎氏が語る。「横溝さんと祖父は親しく、家族ぐるみでお付き合いしていました。戦後しばらくまで、文壇で大衆小説は純文学より一段下に扱われていたから、見返してやろうという仲間意識が強かったように思います」 横溝正史の次女・野本瑠美氏は、「2人には響き合うものがあった」と言い、こう明かす。「父は常々“乱歩さんが書いているから僕は書けるんだ”と話していました。乱歩さんも、実の弟のように見守ってくださっていたように思います。私が生まれる前、父が病に倒れた時は乱歩さんが旗振り役となりカンパを募って、療養費から生活費まで送ってくれたそうです。私が生まれたあとも、転地療養していた上諏訪まで来てくれた。戦後、疎開先の岡山から成城に帰った時に『お帰りなさい』と玄関を開けて迎えてくれたのも、乱歩さんでした」 1950年代半ばには2人の「不仲」が文壇で噂されたが、真相は違うという。「乱歩さんはいつも、“横溝くんは出歩かないから寂しいだろう”と、我が家に20人ほど人を集めてにぎやかな宴会を開いてくださっていました。2人が疎遠になっていたのは喧嘩したわけではなく、乱歩さんが当時体調を崩されて外出ができず、それが原因で会えなかった時期があったからでしょう。手紙を書くのもままならなかったため、ご長男夫人が代筆された便りが父の元に度々届いていました」(野本氏) 1965年7月、乱歩は自宅で倒れ、70年の生涯を閉じた。駆け付けた横溝は枕元で泣き崩れた。1200人が参列した葬儀で横溝は友人代表として弔辞を読んだ。野本氏が語る。「父は片肺がないため、誰よりも先に死ぬと思っていた。その時は乱歩さんに弔辞を頼んでいたのに、逆になってしまったと寂しがっていました」 互いを高め合った2人の作品は、令和の世でも読み継がれている。※週刊ポスト2021年5月7・14日号
2021.05.06 07:00
週刊ポスト
満島ひかりが小五郎役など独自アレンジで文豪の名作が相次ぎドラマ化
満島ひかりが小五郎役など独自アレンジで文豪の名作が相次ぎドラマ化
 文豪たちが書いた小説はこれまで何度も映像化されてきたが、最近、「少年」がテーマの名作が相次ぎドラマ化されている。独自のアレンジが加わることも多いようだ。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんがその見どころについて解説する。 * * * この春、「少年と名作」をテーマにしたドラマシリーズが二作登場した。ひとつは3月23日から3日連続で放送されたNHK BSプレミアム『シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅳ 新!少年探偵団』、もうひとつはWOWOW『文豪少年!~ジャニーズJr.で名作を読み解いた~』(毎週日曜午後11時~)である。『江戸川乱歩短編集』は、昭和から人気の乱歩の「少年探偵団」シリーズを原作に、『文豪少年!』は宮沢賢治、夏目漱石など日本を代表する文豪の作品をとりあげている。共通しているのは、どちらも約30分の一話完結であること。そして、原作を独特のスタイルでアレンジしていることである。『少年探偵団』は、変幻自在の怪盗「二十面相」の犯罪を追う。第一話「怪人二十面相」では次々起こる盗難事件に立ち向かい、第二話「少年探偵団」では「黒い魔物」の噂でもちきりの東京で連続した少女誘拐事件を調査、そして第三話「妖怪博士」では、重要な書類と少年が失踪。洞窟の書斎で不気味に微笑む蛭田博士(麿赤児)の顔が夢に出そうだった。 どの事件でも小説に出てくる小林少年はじめ、少年探偵団が活躍するのだが、このドラマがすごいのは、名探偵・明智小五郎を満島ひかりが演じていることである。満島はつけヒゲをし、男物のコートを着て現場に現れたりする。変装というより「そのまんま満島ひかり」。二十面相も人を煙に巻くのが得意だが、名探偵のほうがよっぽど不思議ムードを醸し出した。『文豪少年』は、ジャニーズJr.「少年忍者」の十二人が十作品に出演。原作と設定がまったく違う話も多い。 第一話「クモの糸」は、芥川龍之介の名作『蜘蛛の糸』が原作だ。原作ではお釈迦様が、地獄にいる盗賊のカンダタに蜘蛛の糸をたらすという流れだが、ドラマの舞台は少年刑務所。過酷な環境ながら、同室の少年たちとだらだらと過ごす神田(黒田光輝)は、なぜか猫に縁があり、ある日、刑務所の壁に垂れ下がる白いひもを見つける…。 太宰治の『走れメロス』をもとにした第二話「メロスを待つ男」では、メロスの身代わりとして牢屋に入れられたセリヌンティウス(ヴァサイェガ渉)が、牢番に親友メロスを信じる気持ちを語る。興味深いのは、『少年探偵団』と同じく江戸川乱歩原作の『屋根裏の散歩者』も第四話「罪と罰の散歩者」(4月11日放送)という形になり、川崎皇輝主演でドラマ化されたこと。『屋根裏~』は殺人者の話で少年向きではないが、どんなアレンジをされているのか。 共通点もある少年ドラマ2シリーズだが、決定的な違いもある。『少年探偵団』は、不思議ムードではあるが、ストーリーはほぼ原作通り。乱歩の書いた世界を見せる。『文豪少年!』は、文豪が描いた物語の本質とともに、ドラマ初主演の少年忍者の演技力を見るものでもあることだ。彼らの演技はまだまだぎこちなくも見える。が、アイドル映画、学園ドラマなどとは一味違う少人数のドラマで、イッセー尾形、小市慢太郎、ふせえりなどとガッツリやりとりすれば、俳優としての可能性も見えるというものだ。『少年探偵団』は乱歩世界の発見、『文豪少年!』は未来の演技派の発見。その意味で、思い出したくなるシリーズになる気がする。
2021.03.31 07:00
NEWSポストセブン
『スマホを落としただけなのに』著者が語る江戸川乱歩の魅力
『スマホを落としただけなのに』著者が語る江戸川乱歩の魅力
 名探偵・明智小五郎を生み出し、日本のミステリー小説の基礎を築いた江戸川乱歩。没後55年を経た今日でも、怪しく美しい乱歩の世界は多くの読者を魅了している。 シリーズ累計97万部以上のヒットを記録し、漫画化・映画化も果たしたミステリー小説『スマホを落としただけなのに』や結婚相談所を舞台にしたヒューマンストーリー『私が結婚をしない本当の理由』の著者・志駕晃さんもそのひとり。「ミステリー小説を書こうと思い立って様々な作品を読みあさった中で、最も感銘を受けたのが江戸川乱歩の作品でした。普通の生活のすぐ近くで、猟奇的でグロテスクな事件が進行する。そんな日常と狂気が紙一重であるという恐怖は、現代にも通じるのではないかと思っています。私の作品でも、江戸川乱歩作品のエピソードをモチーフにしたところがいつくかあります。例えば、『スマホを落としただけなのに』シリーズの最新作『戦慄するメガロポリス』で殺人鬼が美女を剥製にしようと画策するシーンは、『黒蜥蜴』を読んでいて思いつきました」(志駕さん、以下「」同) 明智小五郎や怪人二十面相、少年探偵団らが活躍する長編小説が有名な江戸川乱歩作品だが、志駕さんは「乱歩作品は短編こそ面白い」と続ける。「まず、『人間椅子』『妻に失恋した男』など、タイトルからして面白い。『どういうことなんだろう?』と気になってしまう。そして内容も短い中に謎があって、最後は必ず落ちがある。加えて、『まるで未来を予測していたのでは!?』と思ってしまうような時代を感じさせない新しさがある。例えば人形を愛する男の話『人でなしの恋』はいまのゲームやアニメのキャラクターに恋する若者のことを描いているようにも読むことができます」 そんな乱歩愛に溢れた志駕さんが次に手がける作品は、『令和 人間椅子』。乱歩の人気短編小説『人間椅子』を現代版に翻案した未発表短編を、朗読劇という形で配信する。「乱歩の作品の魅力は現代に読んでこそ伝わるのではないかと思います。多くの人があらすじを知っている乱歩の代表作である『人間椅子』を令和バージョンに1時間の朗読劇にアレンジしました。目で読む小説や、シーンを追ってゆくドラマや映画とは違い、朗読はダイレクトに物語が耳に入ってくる。違った面白さを感じてもらえるのではないか」 朗読を担当するのは人気声優の伊東健人、佐藤聡美、南早紀ら3人。秋の夜長に配信される「令和の乱歩」、多いに注目を集めそうだ。◇志駕晃しが・あきら。1963年生まれ。明治大学商学部卒業。2017年、『スマホを落としただけなのに』で第15回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉を受賞し、デビュー。『女性セブン』誌上にてリアルタイム連載小説『彼女のスマホがつながらない』を連載中。◇朗読劇『令和 人間椅子』、『人間椅子』10月14日(水)19時からイープラスの配信システム「Streaming+」により生配信。朗読劇の後には出演者や志駕さんを交えたトークショーも行われる。翌日の15日(木)には、江戸川乱歩の『人間椅子』を中島ヨシキ、大空直美の朗読で、同じようにトークショーが実施予定。
2020.10.12 07:00
NEWSポストセブン
探究力をはぐくむ「研究者を育てた家」
探究力をはぐくむ「研究者を育てた家」
2022年の高等学校学習指導要領改訂に向けて、全国の中学・高校で導入され始めた「探究学習」。未来子どもたちには、自身で課題を発見し、解決する力が求められるようになるだろう。今回は、自身の探究力を開花させた研究者たちへ、幼少期の住まいについてインタビューした。子どもたちの問いをはぐくみ、探究力を伸ばす家の秘密をひもといていこう。探究力とは、自ら課題を設定し、その課題を自ら解決へ導くループを回す力のこと。日々の暮らしの些細な出来事から生まれるふとした疑問「問い」をきっかけに、地域や社会に目を向けて自ら課題を設定し、課題解決のための情報収集を行い、手に入れた情報の取捨選択や分析を行いながら、自分なりの答えを探していく。インタビュー1:“21世紀のドリトル先生” 長谷川眞理子さん●プロフィール:長谷川眞理子さん総合研究大学院大学学長。1952年、東京都生まれ。83年に東京大学大学院理学系研究科人類学専攻博士課程修了。2006年より総合研究大学院大学教授。17年より同校学長に就任。専門は、行動生態学、進化生物学●研究テーマ:ヒトはなぜ大人になるのか?みなさんも経験している思春期。実は、ヒトの思春期は他の動物に比べるととても長いことが分かっています。私はヒトの思春期がいつ始まり、いつ終わりを迎えるか、つまりヒトがいつ大人になるのかを研究しています。子どものころに読んで憧れたドリトル先生のように前人未到の地に足を踏み入れたいと考え、チンパンジーをはじめ、世界中の動物たちの研究をしてきました。そこでヒトの思春期の不思議にたどり着き、現在に至っています。長谷川さんに聞いてみました!Q. 幼少期、どんな家・街で暮らしていましたか?A. 豊かな自然がいつも身近にある環境でした3歳から5歳ぐらいまで、和歌山県田辺市にある古い町家に住んでいました。近くには海があったので、よく遊びに行っていました。今のようにテトラポッドで遮られておらず、海に棲息するイソギンチャクや貝殻を手にすることができて、生物に関心をもつようになりました。これが私の原風景です。その後、8歳の時に小金井市の一軒家に引越します。当時の小金井市には自然がたくさんあって、家から少し離れると畑も多く、牛がのんびりと歩いていたほどです。この家には、広い庭を見渡すことのできるリビングがあり、家のなかにいても緑を間近に感じられる環境でした。庭では父の芝刈りを手伝って、雑草取りをするのが私の役割。抜いた雑草を眺めては、「これは何という植物なのだろう」と、自分の部屋に持ち帰り、図鑑で調べて名前を覚えたりしていました。毎日が生き物に対する発見の連続でしたね。広い庭を見渡すことのできるリビングで、家の中でも緑を間近に感じることができる(イラスト/3rdeye)Q. 家がご自身にどんな影響を与えましたか?A. 書斎からまだ見ぬ風景に思いを馳せていました北側にある父の書斎が涼しかったので、夏休みによく忍び込んで、目についた本を読んでいました。並んでいたのは志賀直哉や芥川龍之介など。訳も分からず目を通していましたね。大人の本ばかり読んでいたのを父が見かねて、『少年少女世界文学全集』を買ってくれました。毎月1巻ずつ家へ届けられるお話の数々に、私はワクワクしていました。そこで出合ったのが、『ドリトル先生航海記』です。あの本を読んで、私もドリトル先生みたいに前人未到の地を旅してみたい、と思うようになったのです。Q. 子どもにどんな家を与えたいですか?A. 自分だけの世界観がはぐくめる場所を設けたい私は一人っ子でしたので部屋をもらうことができましたが、今の住環境ではなかなか難しいかもしれないので、この部屋の一角はあなただけの場所、というところを設けたいですね。そのような場所があると、自分だけの世界観と責任感をはぐくむことができます。あまり汚くしていたら、時には叱ることも必要だとは思いますが、親の許容度が何よりも大切です。こうした住環境のもと、公園でも何でもいいので、自然を見られたり、触れられたりする場所がお住まいの近くにあってほしいと思います。長谷川さんのFavorite time~当時のお気に入りの過ごし方(左)『ドリトル先生航海記』はじめ、読書は冒険への入口。物語を通じて、田辺で見た海の向こうに広がる世界を想像していたという(右)家の近くの小川に棲息する生物を捕まえ観察するなかで、どこまで足を踏み入れると川が深くなるかなどを体感的に学んでいったそう(イラスト/3rdeye)長谷川さんのHINT FOR KIDS~子どもたちへのヒント好奇心の種は公園や学校など、大抵外に転がっています。興味をもったものを持ち帰って調べたり、深めたりするのが「家」の役割。ぜひ外で「本物」を見てみてください。そして、ご両親にお願いして家でじっくり外での発見を味わってみましょう。そうすることであなたの世界が広がります。インタビュー2:“プラモデルからメディアを考える社会学者”松井広志さん●プロフィール:松井広志さん愛知淑徳大学創造表現学部講師。1983年、大阪府生まれ。ポピュラー文化の歴史やモノのメディア論の理論枠組を研究している。著書に『模型のメディア論:時空間を媒介する「モノ」』(青弓社)など●研究テーマ:モノがなぜメディアになるのか?私は社会のなかでメディアがどう形づくられ、どんな役割をもつのかを研究しています。新聞、雑誌、テレビといった従来のメディアはもちろん、現代はスマホや通信アプリ、SNSなど、インターネットを活用するメディアが増えました。一方で、例えばテーマパークやフェスなどの場、人、展示物やガンプラなどのキャラクターグッズといったモノも、メディアと捉える見方が登場しました。ポップカルチャーと親和性の高いこの分野を探究しています。松井さんに聞いてみました!Q. 幼少期、どんな家・街で暮らしていましたか?A. 駅や商店街に近い下町の、古い家に住んでいました都会でも田舎でもない下町で暮らしていました。家のすぐ横を近鉄とJRが走っていたので、常に電車の音が聞こえ、隣家はカラオケ店、その横は酒屋さん、さらに隣は駄菓子屋さんという、電車や人の往来が多い場所でした。妙に古い木造の一軒家に両親と妹と住んでいて、庭には物置になっていた離れがあり、よく探検しました。いつ誰が使っていたのか分からない昔の物や本が出てくるので、埃まみれなんですが、宝探しのようで本当に面白かったです。家のなかで特徴的なのは、滑り台。なぜだかリビングに、小学生でも滑れるくらいしっかりした滑り台があったんです。これがあるので幼稚園や学校帰りに友達が立ち寄り、滑りながらビデオデッキでアニメを観たり、連れ立って駄菓子屋さんに行ったりしました。リビングの滑り台が我が家の象徴となり、人と人をつなぐメディアになっていたわけですね。リビングの滑り台が象徴となっていた松井さんのご自宅の間取り(イラスト/3rdeye)Q. 家がご自身にどんな影響を与えましたか?A. 予期せぬ出合いで興味の幅を広げてくれました離れの物置空間は、「世の中には自分の知らないものが存在している」と実感できる場所でした。この空間が歴史に興味をもつきっかけとなり、今の研究にも役立っています。また当時、家にビデオの宅配業者が毎週7本ほど映画やアニメを持ってきていたので、よく観ました。開封して、観た分の料金を後日支払う仕組みでした。レンタルショップと違って観たいものが選べず、好みではない作品もセレクトされているのですが、あるとつい観てしまう。選り好みしないで幅広く興味をもつようになりました。Q. 子どもにどんな家を与えたいですか?A. パブリックとプライベートが両方備わった家私の経験則から、子どもにはある程度の刺激が欲しいと思います。問いやアイデアは人とのコミュニケーションから生まれやすいので、滑り台じゃなくても庭にビニールプールを置くとか、リビングが広くて人を招きやすいとか、人とのつながりをはぐくむきっかけや開放性があるといいですね。ただし、物事を探究するときは、自分自身と向き合うことが必要です。他との交わりを断って内にこもるような、秘密をもてることは大事です。開放性と閉鎖性、どちらが欠けてもいけないと思います。松井さんのFavorite time~当時のお気に入りの過ごし方(左)タイムカプセルのような離れの物置を探検。江戸川乱歩の小説や、ブリキのおもちゃなどを発掘しては、自室に持ち帰り楽しんだ(右)考えた物語を妹に伝え、リカちゃんや怪獣のおもちゃで小さな劇団ごっこをして遊んだ。妹にはお兄ちゃん風を吹かせていたそう(イラスト/3rdeye)松井さんのHINT FOR KIDS~子どもたちへのヒント好奇心を養い、問いを見つけるには、人と交流したり刺激を受けたりするような、遊び心のある空間は大事です。しかしそれだけでは、人の顔を見て右往左往する、世の中の関心事に引っ張られるような人になってしまう恐れが。時には外からの刺激を遮断してみると、安心できますよ。インタビュー3:“ロボットで「生き物」をつくる研究者”梅舘拓也さん●プロフィール:梅舘拓也さん信州大学学術研究院繊維学系准教授。2005年、名古屋大学工学研究科計算理工学専攻修士課程修了後、一般企業への就職を経て、2009年に東北大学大学院工学研究科学位を取得。2019年より現職●研究テーマ:日常生活に溶け込む、やわらかいロボットとは?日常生活や自然環境で活躍する「ソフトロボット」の開発に取り組んでいます。ロボットというと硬い金属製のイメージがあると思いますが、“やわらかい材料”を用いることで、安全かつ自然に生活環境に溶け込めるのではないかと考えています。筋肉や皮膚をどんな素材でつくるか、ロボットをどう自律的に動かすか、ハードウェア、ソフトウェアの両面から研究を重ねています。私が開発した「イモムシ型ロボット」は学習塾で教育用キットとしても活用されています。梅舘さんに聞いてみました!Q. 幼少期、どんな家・街で暮らしていましたか?A. 母屋の向かいに工場があり、そこが遊び場でした子どものころに暮らしていたのは、田舎の古い一軒家でした。1階で曽祖父母が、2階で僕ら家族が生活していましたね。2階には4つ部屋がありましたが、ふすまを開けると全部つながるんです。だから、プラレールの線路で全部屋を結ぶなど、空間をフルに使って遊んでいましたよ。また、母屋から道路を挟んだ向かい側には、祖父母が営む製材工場がありました。空き地と隣り合っていて、そこでもよく友達と遊びましたが、工場自体もよい遊び場でしたね。流行りのおもちゃをほとんど買ってもらえない家だったので、欲しいものは工場で手づくりするんです。転がっている端材を使って、磁石で走る車とか、天体観測用のキットなんかをつくったのを覚えています。今思えば、おもちゃを買ってくれなかったのは、母の教育方針だったのかもしれませんね。自分で創意工夫する力を育てようとしてくれていたのだと思います。ふすまで全室をつなげて、プラレールなどを楽しむことができる間取り(イラスト/3rdeye)Q. 家がご自身にどんな影響を与えましたか?A. 学んで成功に近づく面白さに気付きました欲しいものを自作したといっても、実際は失敗だらけ。頭にある完成形の4~6割くらいのものしかつくれませんでした。でも、そこで満足できなかったからこそ、新たに知識を得て完成度を引き上げていく楽しさに気付けたんじゃないでしょうか。思い出深いのは、小学生の時に母に連れて行かれた近所の電機メーカーのワークショップ。イチからスピーカーを組みました。自分がつくったものから音が出ることに感動し、将来は「もっとすごい何かをつくりたい」と思えた、大きな出来事でしたね。Q. 子どもにどんな家を与えたいですか?A. 試行錯誤してモノづくりができる空間を僕でいう資材工場にあたる場所は与えてあげたい。それも、家族で何かをつくるスペースがいいですね。ガレージに作業場を設け、みんなで囲む机を置きたいです。そして、そこで子どもたちと遊びたい。僕には3人の子どもがいて、今の家でも色々とつくっていますよ。小2の息子はCADソフトで図面を引いて、3Dプリンターでおもちゃをつくっています。何でも簡単に手に入れるのではなく、まずは自分で試行錯誤する人になってほしい。そんな願いどおりに育ってくれているのかなと思います。梅舘さんのFavorite time~当時のお気に入りの過ごし方(左)小学校低学年からは資材工場に入りびたり、ものづくりに没頭。不要になった電気製品などを分解するのも好きだった(右)土間の上に釜が置かれた昔ながらの台所では、曽祖父母たちと餅をつくなど、多世代に渡る交流を楽しんでいた(イラスト/3rdeye)梅舘さんのHINT FOR KIDS~子どもたちへのヒント大事なのは、何でもまず自分でやってみることです。例えば自転車がパンクしたら、すぐ修理に出さず自分で直してみる。うまくいかなくても、そこで構造や仕組みを覚えることで好奇心が刺激されますし、得意なこと、好きなことが見つかるきっかけになるんじゃないでしょうか。インタビュー4:“「作品をつくること」を問い直す哲学者”千葉雅也さん●プロフィール:千葉雅也さん哲学者、作家。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。著書に『動きすぎてはいけない:ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』、『勉強の哲学』、『意味がない無意味』、『アメリカ紀行』、『デッドライン』などがある●研究テーマ:作品をつくるとはどういうことか?作品と聞いて何を思い浮かべますか?一般的に作品とは広く「work」を指しますが、芸術作品ばかりでなく、研究、仕事、手仕事など、区切りのある仕事や作品の一切を「work≒仕事≒作品」として、“作品をつくるとはどういうことか”を根本的に問い直しています。広い意味で「work」の哲学を考えているのです。そして、「作品をつくる」「仕事を完了させる」「形にする」ための哲学、方法を探究し、シェアすることで、「つくり方を哲学する方法論」を民主化したいと考えています。千葉さんに聞いてみました!Q. 幼少期、どんな家・街で暮らしていましたか?A. 離れにあった「パパのアトリエ」がお気に入りでした8歳まで住んでいたのは、2階建ての古い家。そこに祖父母と両親、僕と妹が生活していました。遊び場だったリビングには図鑑がたくさんありましたね。親戚のおじさんがお年玉代わりに、生物の図鑑などをプレゼントしてくれたのを覚えています。当時、自分の部屋はありませんでしたが、「離れ」があって、そこでよく遊んでいました。多趣味な父親の隠れ家、遊び場のようなところで、母屋2階のベランダから階段で入れるようになっていたんです。オーディオマニアの父は壁にJBLのスピーカーを埋め込んで、部屋の音響にもこだわっていました。ほかにも、ラジコンや電子工作など色々な遊びを教えてもらいましたよ。「パパのアトリエ」と呼んでいたその空間で父親と同じ趣味を共有する。「アンプの真空管を変えたら音がどう変わるか」みたいなことを教わるのがとにかく楽しくて。素敵な時間でしたね。お気に入りの「パパのアトリエ」でよく遊んでいた幼少期の千葉さん宅(イラスト/3rdeye)Q. 家がご自身にどんな影響を与えましたか?A. 両親を見て「本気で遊ぶ」楽しさを知りましたそんなふうに親が趣味に没頭する姿を間近で見て育ちました。母親も絵が好きで、自作の絵を部屋に飾ったりしていましたからね。僕の両親は子どもと「遊んであげる」のではなく、子どもを自分の遊びのプロジェクトに巻き込んでいるところがあった。改めて振り返ると、僕もそんな両親に感化されましたね。父の姿を見て、僕も本気で遊ぶ大人になろうと思ったし、母の影響で僕も描いた絵を飾るようになった。大人の本気に圧倒されるなかで、自分の価値観や創造性が育っていった気がします。Q. 子どもにどんな家を与えたいですか?A. 親子で一緒に没頭できる空間がある家遊びが大事とはいえ、個室で一人黙々と趣味に勤しむだけでは、クリエイティブな展開につながりづらいのではないかと思います。ですから僕にとっての「パパのアトリエ」や母親と絵を描いたリビングなど、誰かと一緒に何かをやる空間があるといいですよね。そして、親はそこで子どもが興味をもったこと、何かを集めたり、うんちくを語ったりしているのを受け止めてあげることが大事。そんなコミュニケーションが、子どもの探究力をさらに伸ばすカギになるのではないでしょうか。千葉さんのFavorite time~当時のお気に入りの過ごし方(左)男の子が憧れそうなものは何でもあったという離れのアトリエ。帰りの遅い父親を待って、ここで一緒に遊ぶのが何よりの楽しみだった(右)中学からはMacが一番のおもちゃに。プログラミングなどをして遊んだ。創造性を育む道具は惜しみなく与えてくれる両親だったそう(イラスト/3rdeye)千葉さんのHINT FOR KIDS~子どもたちへのヒントよく遊んでほしいです。家に自分の部屋がないなら「空間を遊び場化」させればいい。家にあるものを障害物に見立て「シューティングゲームごっこ」をしたりね。遊び場がない、ゲームを買ってもらえない。そんな状況でこそ、想像力を働かせてほしいです。子どもの探究力をはぐくむ家のアイデア7第一線で活躍する研究者のインタビューを通じて「身近に想像力を刺激するものがある」「多くの人と接する」「自分だけの空間をもつ」など、子どもの探究力を伸ばす家の共通点が浮かんできた。家探しの参考にしてほしい。本棚ならぬ“本壁”がある壁一面の本棚で、絵本や図鑑、文学、写真集など、さまざまな本を家族で共有しよう。本を通じた意外な出合いが子どもの好奇心や想像力につながる。難しければ、図書館の近くに住むのもひとつの手(画像提供/@morningsun3480)秘密基地がある好奇心のタネを、子どもがひとり熟成できる場所を用意したい。一部屋でなくても、ロフトや屋根裏、屋内テントを設置するのもいいだろう(画像提供/@lokki__talo)おうち美術館を開く子どもの描いた絵や工作を部屋に飾ってみよう。できれば専用の場所を設けるといい。子どもの創作意欲を刺激し、自己肯定感をはぐくむ(画像提供/@uk__502)自然と身近に触れ合う山や海に近い環境は理想的だが、利便性との両立が難しい場合も。庭付きの家や、自然公園の近くに住めば、日常生活のなかで自然と触れ合いやすい(画像提供/@589littlegarden)おうちオフィスを構える大人が本気で取り組む姿を子どもに見せるのに、自宅ワークスペースは最適。最近は共用施設にスタディールームを持つマンションもある(画像提供/Unsplash)庭を開いてみる色々な人とかかわりをもつのに、庭を交流空間として開放するのも一案。マンションなら敷地内公園やキッズルームがある物件もあるので活用して(画像提供/PIXTA)相棒と暮らすペットと一緒に暮らすことで、動物たちの豊かな感情表現が感受性をはぐくみ、子どもに命の尊さを教えてくれる。マンションの場合、ペットの飼育が可能か事前に確認しよう(画像提供/@mattam_interior(ICHIMIRI))研究者たちの幼少期の住まいや暮らしぶりから、育った環境がその後の成長に大きな影響を与えていることがわかります。人とのつながりをはぐくむリビングや、両親と一緒にものづくりができるアトリエなど子どもの好奇心をかきたてるような住環境に加えて、その好奇心を受け止める家族の存在がより“子どもの探究力”を伸ばすのかもしれません。●スタディサプリ・スタディサプリ三賢人の学問探究ノート(1)人間を究める・スタディサプリ三賢人の学問探究ノート(2)社会を究める・スタディサプリ三賢人の学問探究ノート(3)生命を究める取材・文/小野雅彦(長谷川眞理子さん)、寺井真理(松井広志さん)、やじろべえ榎並紀行(梅舘拓也さん、千葉雅也さん)※この記事はSUUMOマガジン2020年5月27日発売号からの提供記事です(SUUMOマガジン)
2020.06.25 07:00
SUUMOジャーナル
なぜ人は映画が小説化されると不満を覚えるのか、に迫る
なぜ人は映画が小説化されると不満を覚えるのか、に迫る
【著者に訊け】波戸岡景太氏/『映画ノベライゼーションの世界 スクリーンから小説へ』/小鳥遊書房/2000円+税 明治大学理工学部総合文化教室のHPに、『映画ノベライゼーションの世界』の著者・波戸岡景太氏(43)は、〈私はふだん、アメリカの新しい小説や映画を研究しながら、理工学部の英語教育を担当しています〉〈一方で、研究者としての私は、言葉やイメージを人に届けることの難しさをテーマにしています〉と率直な紹介文を寄せる気鋭の学者だ。 前作『映画原作派のためのアダプテーション入門』が〈小説の映画化〉を巡る違和感の解体書だとすれば、本書はその応用編。〈映画の小説化〉という、これまた厄介な文芸の歴史を紐解き、その魅力と可能性に迫る。 そもそもadaptationとは生物等の〈適応〉を意味し、それが脚色や映画化を意味する専門用語に転じたとか。その成果をさらに活字にするnovelizationに関しても「大事なのはプロセス」と著者は言い、媒体を超えてなお物語ろうとする人々の営みを、面白がりこそすれ、否定するはずもない。 専門は1937年生まれの米国人作家トマス・ピンチョン及び、ポストモダン全般だ。「1970年代に一世を風靡したピンチョン以降、小説と映画の境目が薄くなり、研究の場でも小説を読み解くために映画を観ることが増えていきました。そんなこともあり、前著は『なぜ人は小説が映画化されると不満を覚えるか』について考えてみたのですが、その逆の『映画の小説化』でも不満な人は不満なんです(笑い)。 それこそ『オリジナルなきコピー』がポストモダンのキーワードなのに、それでもオリジナルを求めてしまうのが人間の常。才能はオリジナルを作った個人に宿るという錯覚や、自分の好きな小説や映画を唯一絶対と思いたい心理が、たぶん皆さんの心をザワザワさせるんだと思います」〈ウディ・アレンはノベライゼーションがお嫌い〉と題した序章からしてニクい。〈映画と同じことが小説でもできるし、その逆も可能〉と公言するアレンにして、ノベライズ本は論外らしく、短編小説「売文稼業」では主人公の自称純文学作家と自称大物プロデューサーにこんな会話をさせている。〈ノベライゼーションというのは知っとるかね〉〈映画の数字がよかったときにだな、プロデューサーがゾンビを一人雇って、映画を本にさせるということだ〉〈空港とかショッピング・モールの棚に置いてあるガラクタを見たことあるだろ〉〈ああ〉「要はアレン自身を彷彿とさせる主人公にノベライゼーションの依頼をしようというシーンなのですが、アレンは映画『マンハッタン』でも“ノベライゼーション=現代特有の愚かしい現象”と嘆いたり、とにかく偏見が物凄いんです。 実はアメリカでは当時、『オーメン』(1976年)の小説版が700万部売れるなど、大変なノベライズブームに沸き、自身も小説を書くアレンが近親憎悪をこじらせたのも仕方ない。ただ、『売文稼業』に登場する作家が結局は仕事を引き受けたのも、〈努力次第では、ノベライゼーションが芸術の域に達することだってある〉と説得されたからで、それも真理だと私は思うんです」〈この文芸ジャンルに集った有能な書き手たちは、想像を絶するさまざまな物理的制約のなかで、映画公開時のみならず、後世に読み継がれるような作品をも残してきた〉と本書にはある。現にディーン・クーンツ等、ノベライザー出身の大作家は多く、「才能を発掘したかったら、今読むべきはノベライゼーションとラノベです!」と波戸岡氏は話す。 日本でもノベライゼーションの歴史は意外に古く、中でもフランスの連続映画『ジゴマ』(1911年)の展開が面白い。江戸川乱歩も熱中したというこの探偵活劇を巡っては粗悪な和製映画やノベライズ本が量産され、活字との相乗効果で人気を過熱させていったという。「1909年創刊の『活動写真界』の発刊趣旨が映画の粗筋を予め知る重要性にあったり、日本人は映画を活字で読むことに結構早くから馴染んでいます。他にも米映画『名金』のノベライザーが荒畑寒村だったり、永井荷風が新作映画の筋書だけ発表していたり、大抵は欲が絡んでいますが(笑い)歴史が長い分野です」◆映画の考古学として大事な存在 また、映画本編より怖い小説版『ジョーズ2』や、内外でリメイクが相次いだ『ゴジラ』など、権利関係が複雑になればなるほど、物語本来の原型がノベライズ本だけに残されることも。「記号学者エーコの対談書にもありました、ノベライゼーションは映画の考古学としても大事だと。映画の完成前に締切を設定されるノベライザーたちは、撮影過程で変更される前の脚本や数枚の企画書を元に小説化するしかない。時として小説版が映画本編への従属を拒絶し、主従関係が瓦解することもあり、そこも面白いですよね」 自身、中学1年生の時に初めて『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』のノベライズ本を購入。それを観る前に読み、〈初めて目にするものばかりなのに、自分はすべてを知っているという、デジャブにも似た体験〉が、本書にも生かされたと言う。 とかく難解になりがちなポストモダン論に関しても、波戸岡氏の場合は個々人の体験や「ノスタルジア」に訴えるアプローチが新鮮だ。一方に旧世代、一方に未来の人々からの郷愁すら見据え、双方から挟み撃ちする形で現代を照射してみせる。「実はポストモダンの基本もノスタルジアにあって、モダンはもう手に入らないという感覚に基づいたわかりやすい話なんです。 人は印象的な出来事に出会うと、それと似た経験を過去や未来に探して生きようとします。新型コロナの影響下の空気の中で、3.11の頃を思い出すとかもそうですよね。ハイカルチャーとサブカルの区別もあまり意味をもたなくなった現代において、小説でも評論でも、とにかく作品を生み続けることが、100年前と100年後のノスタルジアを繋ぐと僕は思うのです」 ゴダールの『勝手にしやがれ』がリチャード・ギア主演『ブレスレス』としてアメリカでリメイクされ、さらにその仏語小説版が『勝手にしやがれ、メイド・イン・USA』となる事態を、〈過剰な商業主義的態度〉と揶揄するのは容易い。だが、本書の目的は〈正統的な「映画愛」の持ち主〉に疎まれ、俎上にも上らなかった作品の再評価にこそある。批判一辺倒の旧来的で20世紀的な態度からの解放を、波戸岡氏は後世のために飄々と目論むのだ。【プロフィール】はとおか・けいた/1977年生まれ。千葉大学卒。慶應義塾大学大学院後期博士課程修了。博士(文学)。明治大学理工学部教授。「理系の学生に語学と各々の専門領域を教えるのがこの教室で、実は教える側から芥川賞作家が3人も出ている面白いところなんです」。著書は他に『ピンチョンの動物園』『コンテンツ批評に未来はあるか』『ラノベのなかの現代日本』『ロケットの正午を待っている』『教師の悩みは、すべて小説に書いてある』等。172cm、62kg、AB型。構成■橋本紀子 撮影■国府田利光※週刊ポスト2020年4月10日号
2020.04.03 16:00
週刊ポスト
宮崎駿氏が影響を受けた本を語る(時事通信フォト)
孫正義氏、横尾忠則氏、宮崎駿氏ほか 偉人の人生変えた1冊
 各界の成功者たちは、ある共通体験をしている。子供の頃に読んだ本が、その後の人生に大きな影響を与えたというのだ。ソフトバンクグループを率いる孫正義・会長は、歴史上の偉人に影響を受けた。「15歳で司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで人生観が変わり、16歳で脱藩するように高校を中退して渡米した」──2017年、坂本龍馬に関するイベント会場でそう語った孫氏。「その後も創業時や入院時など人生の節目で読み返し、龍馬の考え方や精神が私の指針になっている」と語ったこともある。 クリエイティブな分野で才能を発揮する芸術家はどうか。 1960年代から第一線で活動する美術家・横尾忠則氏は、本を読まない少年時代を過ごしたという。しかし、中学生時代に例外的に読んだのが、江戸川乱歩の「少年探偵」シリーズの『青銅の魔人』、南洋一郎の『バルーバの冒険』だった。『SAPIO』(2017年11・12月号)で、どちらも挿絵に惹かれて読んだことを明かしている。〈僕の中では、小林少年たちが閉じ込められるお屋敷の地下室と、南洋の密林の洞窟がつながっているんです……その2つの世界を何度も作品のモチーフにしてきました〉 日本のみならず、世界をリードする建築家・安藤忠雄氏が建築家を志す若い世代に求めるのは、読書を通じて「人間を学ぶ」ということだ。その教材として20世紀を代表する米文学者・ヘミングウェイの『老人と海』を勧めている。 書評家の杉江松恋氏によると、同作が描くのは「人生の厳しさ」だという。杉江氏が語る。「短編『老人と海』は緊密な文体で獲物と真摯に向き合う老人を通して、人生の厳しさを教えてくれる。小説の最後、ようやく釣り上げたカジキはサメに食われてしまうのですが、行為に打ち込む姿、報酬を顧みない努力が描かれています」 安藤氏が若い世代に勧める理由もそこにある。〈ヘミングウェイが言いたかったのは、結局人生とは“挑戦”であり、だからこそ生きることは面白い、ということだったのじゃないかな……。大海原に乗り出していっても、収穫があるかないかわからない。それが人生の真理なのだと〉(『Casa BRUTUS 特別編集 安藤忠雄 ザ・ベスト』) アニメ監督の宮崎駿氏は、中学生の頃に出会ったある本についてこう語っている。〈アニメーターは、いや応なく自分の記憶を引っ張り出してきて絵を描く。机を持ち上げる描写ひとつでも「この机ならこれくらいの重さだ」と、必ず覚えがあるものを描く。記憶の総量の中に埋もれていた配線にパッと電気が通る、そんな感じです。そういう体験を、中学生の頃、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』という本でしました。中の挿絵を見た瞬間に、なぜか「懐かしい」という配線に電気が通った〉(朝日新聞2009年10月11日付) 2018年に同作の漫画版が発行されると、たちまち250万部を突破し、社会現象にまでなった。宮崎氏は、引退撤回後の第1作となるスタジオジブリの新作長編アニメ(2022年夏公開)のタイトルに、本と同じ『君たちはどう生きるか』と名付けたという。 子供の頃の読書という原体験がいくつになっても偉人たちを動かし続けているのだ。※週刊ポスト2019年11月22日号
2019.11.17 11:00
週刊ポスト
増える“シャーロックドラマ”、人物名「もじり技」の妙
増える“シャーロックドラマ”、人物名「もじり技」の妙
 ディーン・フジオカが主演する月9『シャーロック』(フジテレビ系)が話題だが、“シャーロック”が登場するドラマはこれだけではない。それらの作品にはある特徴が…。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * そんなわけで月9ドラマ『シャーロック』は、フリーの犯罪専門コンサルタントの獅子雄(ディーン・フジオカ)が、精神科医の若宮(岩田剛典)とともに毎回、難事件に挑んでいる。先日放送された第五話では、感じ悪いパワハラ男(永井大)の部屋に致死量を超える大量の血痕が発見されたものの、死体はなし。死体が歩いた?などと騒がれる中、獅子雄は、関係者の家のゴミやインテリアをヒントに謎を解いた。 獅子雄はマントのようなコートを着用し、バイオリンを奏で、ボクシングも大好き(第四話ではボクサーの失踪事件を捜査)というようにサー・アーサー・コナン・ドイルが生み出した元祖シャーロック・ホームズの嗜好を踏襲しているシーンも多い、元祖の相棒ジョン・H・ワトソンは元軍医で、若宮とはタイプは違うが、医学的知識があるのは共通していて、若宮は「あの包帯の巻き方は医療関係者のやり方」などとなかなかの観察力を見せたりする。元祖同様、シャーロックには女っ気もないようだ。ただし、さすがに受動喫煙に厳しい東京が舞台だけに元祖が愛してやまないパイプはなし。 それにしても、近年、日本のドラマにはイメージも含めて“シャーロック”がよく出てくる。2016年、織田裕二が主演した『IQ246~華麗なる事件簿~』、昨年は世界で初めて女性コンビでドラマ化した竹内結子の『ミス・シャーロック』も話題に。そして、今回の月9ディーン版。そんな中、結構気になるのが、レギュラーメンバーの「名前」である。シャーロック・ホームズはもとより、ワトソン、スコットランドヤードのレストレード警部、宿敵モリアーティ教授など、元祖が生み出したキャラクターの名前をさまざまな形で織り込んでいる。 たとえば織田裕二の場合、役名が法門寺沙羅駆(ほうもんじ・しゃらく)で、彼にこき使われる女性刑事が和藤奏子(土屋太鳳)。大悪のマリア・Tを演じたのは中谷美紀だった。また、竹内結子は、役名が通称シャーロックとそのまんま。彼女に振り回されていつも困惑しているのが橘和都(貫地谷しほり)で、呼び名は和都さん。おー、ワトソン。彼女らの横にいるのは、礼紋元太郎警部(滝藤賢一)で、怪しい男守谷(大谷亮平)も現れる。今回のディーン・フジオカは、フルネームが誉獅子雄。音はホームズ・シャーロックに近い? アルファベットのアナグラムになっていたりして?と思ったが、微妙になっていなかった…。 こうしてみると、ドラマ作家たちの登場人物の名前を当て字にしたり、もじる情熱、“もじり熱”はすごい。ただ、わからないのが、『シャーロック』岩田の若宮潤一だ。ワトソンとはかなり音も違うし、むしろ、江戸川乱歩原作の『黒蜥蜴』に出てくる女盗賊の忠実な手下・雨宮潤一と似ている気もする。もっとも江戸川乱歩先生の名前もアメリカの推理作家エドガー・アラン・ポーが元だ。日本人のもじり熱の歴史は古い。日本版シャーロック・ホームズドラマは、そのもじり技も含めて記憶に残る仕組みなのだ
2019.11.08 16:00
NEWSポストセブン
ゲイバーママが明かす文豪との交流 江戸川乱歩、水上勉など
ゲイバーママが明かす文豪との交流 江戸川乱歩、水上勉など
 各界の昭和スターたちが集った六本木の伝説のゲイバー「吉野」。この店で38年間ママを務めた吉野寿雄氏(88)は、芸能界だけでなく、スポーツ界や文壇にいたるまで幅広い交流を持っていた。三島由紀夫をはじめ昭和の文豪たちの“創作意欲”も掻き立てていたという吉野ママが、その交遊録を明かす。 * * *〈美術評論家の青山二郎、時代小説作家の村上元三など、名だたる文豪たちと交流があった吉野ママ。中でも、特に深い付き合いがあったのが三島だ〉 先生と初めて会った時、見た目がタイプじゃないから正直興味がなかったの(笑い)。小説家って知らなかったし、当時はまだ新人だったからね。でも毎晩、お店で顔を突き合わせて喋っているうちに親しくなって、『仮面の告白』(1949年刊)っていう作品を書いているって聞いて、あぁ小説家なんだって思ったのよ。 先生って豪快で、独特な笑い方をするの。お酒を飲んでは「ガハハハ!」って笑って、私たちのバカ話を楽しんでいたわ。〈三島のほかにも、文学界、芸術界から、そうそうたる面々が店を訪れ、吉野ママにしか見せない「素顔」を見せた。すでに還暦を超えていた作家・江戸川乱歩も豪快な飲みっぷりを披露していたという〉 乱歩先生は、十七代・中村勘三郎さんと「やなぎ」に来てくださっていたの。高名な作家だと知ってはいたけれど「おじいちゃん」くらいにしか思わなかった。 でも乱歩先生、本当に元気でね。お店に来ると豪快にお酒を飲みながら、ちょっと「助平」な話したり私たちのお尻をふざけて触ったりして、“まだまだ現役なのね”って思ったわよ。〈日本最初のゲイバー・新橋「やなぎ」のママにスカウトされた吉野ママは「やなぎ」で修業を積んだ後独立し、1960年頃に数寄屋橋に「ボンヌール」を開店する。その後、「吉野」に店を移してからも、名だたる文豪の来店は続いた〉 吉行淳之介先生もよく来てくれたわ。ある日、常連だった中村メイコさんが連れてきてくれたのよ。先生の話は小難しい内容ばっかりで、私あんまり理解できなかったの(笑い)。でも、女の人って、ああいう知的な人が好きなんでしょう。とにかくモテたわ。〈もう一人、吉野ママが親交を深めた作家がいた。水上勉だ。奇しくも水上は、三島と同じく金閣寺放火事件(1950年)を題材に小説を書いた一人。水上は『金閣炎上』で、三島の描いた「美の極致たる金閣寺への崇拝と反感」という観念的な放火説を真っ向から否定し、堕落した住職や仏教界への怒りと失望ゆえの放火だったとして物語を紡いだ。同じ題材を相反する視点で執筆した2人の作家が、吉野ママの元で交差していたのだ〉 水上先生は、銀座の女の子が連れてきてくれて。水上先生は優しかった。極貧で小さい頃に寺に預けられたり、ずっと苦労してきたでしょう。だからかしら、決して偉そうにしないの。いつだったか、小説で「吉野」を取り上げてくれたこともあったわ。「サービスがとてもいい」って書いてくださった。〈主義主張も職業も、まるで異なる人々が集った吉野ママの店。その「人間交差点」のど真ん中で、吉野ママはいくつもの出会いと別れを経験し、ドラマを目撃した〉 いま思うと、店の中には本当の意味での「平等」があったのね。スターも大作家も、男も女も関係ない。お金を払ってくれた人は、みんな同じお客さん。私がそんな姿勢でやってたから、人が集まってくれたのかしらね。その記録をこうして残すことができて、もう何も望むことはない。 天国に行ったら、またバーでも開こうかしらね。常連さんたちと一杯やってるから、よろしくね。取材・文/宇都宮直子※週刊ポスト2019年9月13日号
2019.09.07 16:00
週刊ポスト
第72回日本推理協会贈呈式
推理作家協会新代表理事・京極夏彦氏が出版界にエール
 壇上に並んだ4人の視線からは、「創作」をもって現実に対峙しようという強い矜恃と覚悟が感じられた。 今年で第72回を数える日本推理作家協会賞。その贈呈式(5月27日)では、初代の江戸川乱歩から数えて15人目となる協会代表理事に京極夏彦氏が就任することが発表された。 乾杯の挨拶に立った京極氏は、受賞作である、葉真中顕氏の『凍てつく太陽』(長編および連作短編集部門)、澤村伊智氏の「学校は死の匂い」(短編部門)、長山靖生氏の『日本SF精神史【完全版】』(評論・研究部門)について、「日本のエンターテインメントを代表する3作」と激賞。 さらには、出版界をとりまくネガティブな動向が報道で散見されることにも触れ、「こうしたよくない風潮を打開するのは優れた創作だ」と力強く語り、来場者が大きく頷く一幕もあった。 令和初の受賞者となった3氏には、これからも存分に筆を揮ってもらい、読者を唸らせてもらいたい。写真は右から京極氏、葉真中氏、澤村氏、長山氏。※週刊ポスト2019年6月14日号
2019.06.06 16:00
週刊ポスト
満島ひかり、ママチャリを駆ってひとり焼き肉5時間超
満島ひかり、ママチャリを駆ってひとり焼き肉5時間超
 今年、女優人生の大きな節目を迎えたのが満島ひかり(33才)だ。3月に事務所を退所し、フリーに。その後、仕事は空白状態が続いた。「秋に、都心にほど近い住宅地のマンションに引っ越しました。3LDKの新居は、仕事部屋も兼ねているそうです。“今後の仕事はすべて自分で管理したい”という理由で独立を決めた満島さんは、しっかり基盤を固めようと、この間準備をしていたそうですよ」(芸能関係者) 最近は本業を再開。12月30日にはスペシャルドラマ『満島ひかり×江戸川乱歩』(BSプレミアム)に出演する。 11月30日に33才の誕生日を迎えた満島。新居近くのネオンが光る薄暗い飲食街で、ママチャリをこぐ彼女の姿をキャッチしたのは、その翌日、午後7時過ぎのことだった。 慣れた様子で自転車を止めて入っていったのは、庶民的な焼き肉店だ。店内は流行りのK-POP音楽が大音量で流れている。「満島さんは昔からの常連で、3人いる40~50代くらいの女性店員さんみんなと顔なじみのようでした。店員さんとテーブルで賄いを囲んで食事をしていて、焼酎のようなお酒を湯のみに入れてグイグイと飲んでいましたね。他にお客さんもいたのに、すっぴんでタメ口で大きな声で会話していて、すごいなぁ…と」(居合わせた客) 店内では、こんな会話が交わされていたという。店員「今日はずっと寝てたの?」満島「うん。でも、請求書を処理したり」 その間もお酒はすすむ。店員「引っ越したばかりでしょ? もう慣れた?」満島「まだもうちょっと時間がかかるかなぁ。今まで事務所にお願いしてたのを、全部自分でやってるから。新居ではそういう事務作業も自分でできる空間を作ってるの。今は大きな机と電話を用意して、電気スタンドを買ったところ。カーテン屋さんに行って“どれくらいお金がかかりますか?”って。聞かなきゃわからないことも多いから」 さらには、タブレット端末を店員に見せながら、自身のインスタグラムを話題に「ファンの人から誕生日のコメントがきてる。すご~い!」と笑顔を見せる場面も。 リラックスムードでおしゃべりを楽しんでいた満島は、思わずこんな話まで…。「そういえばさ、高橋一生くん(37才)と森川葵ちゃん(23才)ってつきあってるんだけど、報道されるずっと前から私、聞いてたんだ! 2人はバレないように頑張ってたみたい。15才の年の差がお互いに恥ずかしかったのかなぁ(笑い)」 高橋と森川の交際は今年3月に本誌既報通り。満島は昨年1月のドラマ『カルテット』(TBS系)で高橋と共演。「ちょうどその頃に高橋さんと森川さんは交際を開始したようです」(別の芸能関係者)というから、ドラマの撮影中に相談を受けていたのかもしれない。“ぶっちゃけ晩酌”は深夜12時を過ぎても続いた。※女性セブン2018年12月20日号
2018.12.07 16:00
女性セブン
中尾彬が語る終活「アトリエ・マンション・ねじねじも処分」
中尾彬が語る終活「アトリエ・マンション・ねじねじも処分」
「終活」──。2009年に登場したこの言葉は、人生の“終わり”に向けた準備であり、天寿を全うするための助走を意味していた。ところが、この10年で「終活」は変わりつつある。人生の残された時間と向き合うことで、第2の人生を豊かに過ごすきっかけとなっている。それは、著名人も同じ。俳優・中尾彬(76)が語った。 * * * 今年、『終活夫婦』という本を出したけれど、私は死ぬための準備とは思っていないんですよ。 終活の契機は11年前、病気で倒れ生存率20%と言われたことです。この年は(妻の池波)志乃も大病をしたし、おふくろも亡くなるなど複数のことが重なって、そのときに志乃が今後は色々と整理をしておかねばと考えたらしい。でも、病気になってすぐに言われたら、私は気が進まなかったね。それから5、6年経って、病気をしたことも忘れてしまうくらい元気になったところで志乃から「そろそろ考えてみない?」と切り出されて、ようやく「そうだな」という気持ちになった。こういう話は、どちらかが弱っているときにするべきではないと思ったね。 最初に用意したのは遺言。次が墓。それから、徐々にモノを減らしていった。千葉にあったアトリエも、沖縄のマンションも手放しました。我々の体力が衰えているので、以前のような使い方ができなくなっていたんです。 アトリエは窓ガラスなどが特注品ばかりで修理をするなら総額500万円はかかると言われた。それで、修理してでも使うか、売るかを考えた。不動産屋に査定を頼んだら、現状のまま売るのと、更地にして売るのとほとんどトントンだと分かったので、マイナスにならなければいいということで売却話をまとめてもらいました。こういうことはガツガツするとダメ。「もっとまけろ」とか言い始めると、結局けじめがつかなくなる。決断するだけだね。 沖縄のマンションも、沖縄に行くこと自体が体力的に厳しくなった。楽しむために行っていたはずが、いつしか掃除をする目的で行くようになって疲れてしまってね。それなら手放して、沖縄に行くときはホテルに泊まればいい。家を手放しても、そこでできた友達は財産になっているから、それでいいんだよ。 モノも処分しています。大量にあった食器や洋服は業者に引き取ってもらったけれど、びっくりするほど安い。買ったときの値段しか頭にないからだろうね。 困ったのは書籍。江戸川乱歩の初版本の全集などもあったので、捨てるには忍びない。志乃がインターネットで欲しい人の手に渡りやすい古本屋を見つけてきました。こういうことがわかると、処分もやりがいが出てくる。 私がいつも首に巻いている“ねじねじ”も、200本を処分しました。何百本あっても、結局は好きな色や生地しか巻かないので、使うものだけを残して、あとは捨てました。 今でも新しい“ねじねじ”は買っているんです。ただ、今までは何でもかんでもという感覚でしたが、良いものを選んで一本一本買うようになったね。 年を取ると体力も衰えるし嗜好も変わる。すると、不必要なものもたくさん出てくる。私の終活は、年齢相応に生活を見直して、これから新たに生き、過ごしていくための作業だと思う。※週刊ポスト2018年9月21・28日号
2018.09.15 16:00
週刊ポスト
舞踊家・田中泯 人間って、はっきり言って野蛮です
舞踊家・田中泯 人間って、はっきり言って野蛮です
 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優としても活躍する舞踊家の田中泯が、『メゾン・ド・ヒミコ』の台本を読んで気づき、仕事を選択する基準が変わったことについて語った言葉をお届けする。 * * * 舞踊家・田中泯は二〇〇二年に映画『たそがれ清兵衛』に出演して以降、役者としても活躍するようになる。二〇〇五年の『メゾン・ド・ヒミコ』ではゲイの老人役を演じた。「『たそがれ清兵衛』に出演してから、似たような仕事の依頼が結構来たんです。でも、全て断りました。そんな時に『メゾン・ド・ヒミコ』の台本を送っていただき、読んだら面白かった。 その時に気づいたことがあります。それは、人間にはちょっとした違いで『もしかしたら、ああなっていたかもしれない』という『もう一つの可能性としての自分』もいるのではないかということです。 たとえば江戸川乱歩が『私は生まれた時から、私という群れの中の一人でしかない』と言っているように、あるいは寺山修司が『寺山修司という職業を私は生きている』と言っているように、私もまた『他にたくさんいるかもしれない私』の中の一人を今やっているだけではないか。そして、この台本を読んだ時に、『私はこの人を知っている。自分自身の可能性の一つではないか』と思えたんです。 それから仕事を選択する基準が変わりました。『別のタイミングで生まれていたら、こんな人になっていたかもしれない』『この人に生まれてきてたらどうだったろう』と芝居を通じて考える楽しみが出てきたんです。 そして、『この人は踊りの中に現れるかもしれない』と思うようになることで、凄く脱皮することができました」 二〇〇七年のNHKドラマ『ハゲタカ』での職人役、二〇一〇年の大河ドラマ『龍馬伝』の土佐藩執政・吉田東洋役。いずれも大友啓史演出の作品でインパクトの強い芝居を見せた。「本当はテレビには出たくないってずっと言っていたんです。断りにいったつもりが、いつのまにか衣装合わせをしていた──みたいな感じで出たのが『ハゲタカ』でした。大友さんには凄く説得されましたよ。『これってセリフが長いから、たぶん俺はダメだよ』って言っていたら、『大丈夫、大丈夫』って励まされて。結果としてそれが評価されたので、その流れに『龍馬伝』もありました。 あの時代のことは自分なりに勉強していましたが、吉田東洋のことは知りませんでした。それだけに、かなり驚きました。演技以前の勉強といいますか、ああいう人間の心境を支えているものは何なのか、知りたかった。結局、七割くらいは世の中を諦めている人なんだと思いました。それでも残りの三割に希望があって、若者たちに未来を託そうとしていたんじゃないかと。自分という壁を見て壊そうと思う衝動、そのモチベーションを抱ける若者を見抜ける力を持っていたように思えます。 それでも、彼はその若者たちに殺されてしまった。そういうことは歴史の中にごまんとあります。人間って、はっきり言って野蛮です。同じ種の命は奪わないという、他の動物は絶対にしないことをやっている。ルールをいまだに作れない。その流れの中に、僕はほとんどのドラマを見ようとしています」●かすが・たいち/1977年、東京都生まれ。主な著書に『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』(ともに文藝春秋刊)、『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮社刊)など。本連載をまとめた『役者は一日にしてならず』(小社刊)が発売中!◆撮影/五十嵐美弥※週刊ポスト2018年3月16日号
2018.03.09 16:00
週刊ポスト
絶対はまる!?子どもに大人気の児童書「おしり探偵」
絶対はまる!?子どもに大人気の児童書「おしり探偵」
世間では、若者の活字離れが話題になり、「最近の若い人は本や新聞を読まない」などといわれていますが、小学生の間では人気の児童書があります。その名も「おしり探偵」シリーズ。ちょっと笑ってしまうようなネーミングと、ポップなキャラクターが子どもたちに受けています。今回は、おしり探偵の人気の秘密を探ってみましょう。子どもに大人気「おしり探偵」って何?「おしり探偵」とは、子どもに人気の絵本・児童書のシリーズです。あの「かいけつゾロリ」でおなじみのポプラ社が出版しています。作者はトロルというペンネームでユニットを組んでいる、田中陽子さんと深澤将秀さん。深澤さんが作画を担当しています。絵本から始まった人気シリーズ「おしり探偵」のデビュー作は、2012年に刊行された絵本です。幼稚園に通う4~6歳くらいの子どもたちに向けて描かれたこの絵本の主人公は、おしりにそっくりな顔をした「おしり探偵」です。助手のブラウンくんと一緒に、あらゆる事件を解決します。「見た目もすいりもエクセレント!!おしりたんていがどんなじけんもププッとかいけついたします」というキャッチコピー通り、大活躍。絵本の人気を受けて、2015年に小学生向けの児童書シリーズが出版されました。小学生向けのシリーズはページ数も増え、ストーリー性が濃くなり、よりパワーアップしています。スマホアプリからアニメまでメディアミックス人気の本なので、図書館では常に貸し出し状態。あまり本屋さんへ行く機会がない方は、目にする機会が少なかったかもしれません。しかし!2018年5月に、NHKでアニメ放送が決定しました。現在は、おしり探偵のオフィシャルサイトで予告編動画を見ることができます。動くおしり探偵はとってもキュートです。ぜひ一度、お子さんと一緒に見てくださいね。おしり探偵には、スマホのアプリもあります。お出掛けの際、電車の待ち時間などに利用するといいかもしれません。おしり探偵は、お弁当箱やぬいぐるみ、ガチャポンのフィギュアにもなっています。人気のほどがうかがえますね。児童書「おしり探偵」人気の秘密とは?おしり探偵が、そこまで人気になっている背景には何があるのでしょう?そこには、最近話題になった「うんこドリル」に通じるものがあります。また、息の長いゆるキャラブームや、デジタル世代の子どもたちにささる面白さが大人気の理由になっているようです。フロイトが提唱する「肛門期」子どもは、「うんこ」「おしり」「おなら」など、ちょっと下品な言葉が大好きです。18世紀の精神医学者であるフロイトによれば、人間の性的欲望(リビドー)は子どもの頃から存在し、成長に応じて形を変えて表出します。2~3歳頃の排せつに興味が出てくる時期を「肛門期」といい、子どもは排せつにまつわる言葉や行為を面白がるようになります。男の子は5~6歳頃の「男根期」を経て、小学生の学童期には一時的にリビドーは潜在化して落ち着きます。知的な好奇心や欲求の方が、肉体的欲求を上回るのです。しかし、欲求自体はなくなったわけではなく、潜在化していますので、おしり探偵に出てくるおならのシーンや、見た目がおしりそのものという造形に面白みを感じ、人気が出ているのだと考えられます。子どもを飽きさせない展開本を手に取るとわかりますが、おしり探偵の児童書は「横書き」です。紙媒体の本を多く読んできた人間にとっては驚きですが、電子媒体では横書きの文章は当たり前ですね。子どもにとっても、横書きの文章はなじみやすいものだと思います。また、どのページもフルカラーで、とてもポップな印象を受けます。ページをめくるのが楽しくなりますね。構成は、大きな謎を追う過程でいくつもの小さな謎を解いていくという入れ子形式になっていて、読者を飽きさせません。ゲーム「レイトン教授」のシリーズに似てる!といった感想も聞きました。どんどん新しい謎が出てくる展開は、子どもを飽きさせません。1冊の中にふたつの事件簿が収録されていて、お得感もありますよ。決めゼリフが面白い!おしり探偵には、事件解決のときに発する決めゼリフがあります。彼は、「失礼こかせていただきます」と紳士的に宣言したあと、口元?から「ぶっふぉ~」とおならのような黄色い気体を吹き出し、犯人の気力をすべて奪ってしまうのです。あまりの臭さにもん絶した犯人は、抵抗する元気もなく犯行を自供。このシュールな展開とお約束の安心感がおしり探偵の魅力だといえるでしょう。彼は常に丁寧な言葉を使っていて、身だしなみもばっちり。まさしくジェントルなので、下ネタにも嫌みがありません。そこがお母さんにも安心して受け入れられるポイントになっているようです。「おしり探偵」の楽しみ方おしり探偵は、絵本でもよし、児童書でもよし、これから始まるアニメとしても楽しめるコンテンツです。せっかくたくさんのシリーズがあるので、どのような楽しみ方がいいのか、おすすめの読み方をご紹介したいと思います。親子のコミュニケーションの手段に子どもには読書好きになってほしいと望んでいる親御さんは多いでしょう。読書は、思考力を育てますし、ネットサーフィンよりも多くの知識と、より正確な知見を手に入れることができます。大学卒業時に必要な論文を書く能力は、ネットでものを読むだけでは身につかないという大学教授もいるくらいです。おしり探偵のような、子どもが手に取りやすく興味を持続しやすい本は、読書の導入として期待されているでしょう。しかし、おしり探偵は、ひとつの長い物語をじっくり読み込むお話ではなく、ゲームブックのような感覚で読めるライトな本です。紙媒体の本を手に取ったり、図書館へ行ったり、本屋さんをのぞいたり、本に親しむ一助として考えるとよいでしょう。親子が頭を突き合わせて一緒に読んで、謎を解いたり笑ったり、親子のコミュニケーションの手段として面白がって読むのがおすすめです。次の読書への導入に知的好奇心が大きくなる小学生の時期には、おしり探偵のような謎解きを主題にした物語に人気が集まります。古くは、江戸川乱歩の「怪人二十面相」の明智小五郎から、漫画で大人気の江戸川コナンまで、名探偵には大人も引き付ける魅力があります。おしり探偵も、見た目は変ですが、数々の名探偵のエッセンスを取り入れている正統派です。もし、探偵ものに興味が出ているようなら、次の段階の読書へ導入に利用してみてください。名探偵ホームズシリーズは、いまもなお魅力的な物語ですし、海外の児童小説には子どもが主人公になっている名作がたくさんあります。スウェーデンの「名探偵カッレくん」アメリカの「こちらマガーク探偵団」など。日本なら「都会のトム&ソーヤ」シリーズが人気です。おわりに「おしり探偵」の主人公は、どう見てもおしりそのもの。しかも臭いおならで犯人をやっつけるというちょっと品のない内容に見えますが、実は子どもを引き付ける魅力がいっぱいのお話です。親子で楽しめるツールとして、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
2018.01.17 20:00
たまGoo!
見応えあるビジュアル系社史 総重量4.6kg、海外VIP写真など
見応えあるビジュアル系社史 総重量4.6kg、海外VIP写真など
 退屈すぎて社員にすら読まれていない──会社の歴史が書かれた「社史」のイメージは見事に覆される。社史編纂に会社を挙げて取り組み、見応え、読み応えのある社史を作った企業がいくつも存在するのだ。 日本最大の社史コレクションを誇る神奈川県立川崎図書館所蔵の「見て刺激的、触って興奮」の“ビジュアル系社史”を紹介する。 川崎図書館所蔵の社史で最も重いのが『東京急行電鉄50年史』。重量は4.64kg、厚さは7.7cmで、とても片手では持ちきれないほどである。私鉄トップ、年間11億人以上の乗客を乗せる“重み”を感じさせる。 1999年に刊行されたワコールの社史はとにかく華やか。女性の社会進出と社会情勢、ファッションには深く関わりがあるところから時勢を反映したつくりとなっており、中にはパルコのヌードポスター(1975年)やマドンナの写真なども載っている。 帝国ホテルの『帝国ホテルの120年』には、戦前、戦後の帝国ホテルの建物だけでなく、女優のマリリン・モンロー、ロバート・ケネディ(元米司法長官)、映画俳優のアラン・ドロンら宿泊したVIPがくつろぐ写真が収められている。 東京駅・丸の内駅舎内にある東京ステーションホテルの100年史『東京ステーションホテルのあゆみ』は、関東大震災などの歴史を写真で振り返り、宿泊した江戸川乱歩など文豪に加え東郷平八郎らの顔もずらりと並ぶ、名門ホテルとしての歴史を感じさせる1冊。 江戸時代からの三井の歴史を綴った『三井事業史』(2001年最終巻刊)は本編・資料編合わせて全10冊に上る。江戸時代前期に創業した「越後屋」の時代から始まるグループ企業のルーツを横断的に描き、本編の最終巻(本編第三巻下)には戦後の三井財閥解体について記されている。NHK朝ドラのモデルになった三井家出身の広岡浅子の実家や兄弟も登場する。※週刊ポスト2018年1月12・19日号
2018.01.09 07:00
週刊ポスト
美術家・横尾忠則が語る「我が人生の書」6冊
美術家・横尾忠則が語る「我が人生の書」6冊
 少年時代、僕はほとんど本を読みませんでした。両親が尋常小学校しか出ていなくて家に本が一冊もなかったし、僕が本を読んで勉強したことを話すと、両親が寂しがるのです。息子が自分たちの知らないことを知り、どこか遠くへ行ってしまうという思いだったのではないでしょうか。それで一人っ子の僕は本を読まなくなり、代わりに野原や田圃や小川や川で遊びまくっていました。 例外的に中学時代に読んだのが江戸川乱歩と南洋一郎です。山川惣治さんの挿絵に惹かれ、【1】『青銅の魔人』を手始めに江戸川乱歩の「少年探偵」シリーズを読みました。同時に夢中になったのが、鈴木御水さんが挿絵を描いていた南洋一郎の冒険小説【2】『バルーバの冒険』です。僕の中では、小林少年たちが閉じ込められるお屋敷の地下室と、南洋の密林の洞窟が繋がっているんですね。後に僕が45歳で画家に転向してから、その2つの世界を何度も作品のモチーフにしてきました。いまだに血沸き肉躍る世界です。僕にとって少年性は創作の核になるものです。 その意味ではジュール・ヴェルヌの作品も同じです。やはり挿絵に惹かれて【3】『十五少年漂流記』から入り、『神秘の島』、『八十日間世界一周』と、一連の作品をダーッと読みました。よく読んだのは1985~1986年頃、50歳の頃ですね。ヴェルヌはまだ実現していない未来の科学を想像力で書き、それが後に実現している。凄い予言者です。もうひとつ面白いのは、ある作品で登場させた人物を、別の作品でも出してくること。『海底二万里』で謎の人物として登場し、『神秘の島』でその正体が明かされるネモ船長がそうですね。僕はその方法論に驚きました。それで、自分も昔描いた絵を何年後かに反復して描くようになり、それが僕のスタイルになったのです。 少年時代に本を読まなかった僕が、大人になってから本を読むきっかけになったのがアンドレ・ブルトンの【4】『シュルレアリスム宣言』。1960年に24歳で上京した頃、よく耳にしたのがシュルレアリスムという言葉でしたが、何のことかさっぱりわからない。それでこの本をこっそり読みました。難しくてよくわからなかったけれど、シュルレアリスムの原則であるデペイズマン、メタモルフォーゼ、オートマティズム、この3原則をご神体のように自分のデザインに取り入れました。シュルレアリスムを知ってから、デザイナーより美術家の人達との交流が多くなりました。ネオダダの時代です。 1960年代に大きな影響を受けたのはヘルマン・ヘッセの【5】『シッダルタ』。インドを舞台にある若者が悟りの境地に至るまでの道を描いた物語です。1967年に初めてヒッピーカルチャー最盛期のニューヨークに行ったときにはヒッピーの間でヘッセはスイスの聖者として尊敬され、この本はバイブルになっていました。この本をきっかけにして後に何度もインドに行くことになります。 老齢になってからよく読むようになったのが、貝原益軒の【6】『養生訓』です。益軒さんは体だけでなく心の養生も説いていて、体の養生と心の養生が一対になっているんですね。ひと頃いろんな人の養生訓を読みましたが、帰ってくるのは結局益軒さん。いろいろな訳のものを読んでいて、いま手に入るものは全部持っているんじゃないかな。ちなみに、最近は本屋さんに行くと、日野原重明さんの本ばかり買って、読んでいます。 僕にとって本は、教養を得るためではなく、生き方に興味があって読むもの。それと、どこかで自分の創作に結びつくんですね。だから、そんなにたくさん読むわけではありませんが、ここで挙げた本も含め、気に入った本は折あるごとに繰り返し読みます。【PROFILE】よこお・ただのり/1936年兵庫県生まれ。『ぶるうらんど』(中公文庫、泉鏡花文学賞)、『言葉を離れる』(青土社、講談社エッセイ賞)、『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』(光文社新書)他、著書多数。自身の作品を展示する横尾忠則現代美術館(兵庫県)、豊島横尾館(香川県)がある。※SAPIO 2017年11・12月号
2017.12.10 07:00
SAPIO

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