国内

ヤクザが芸能人と付き合う理由は組織内で発言力が増すから

 島田紳助の騒動は、多くの人に芸能界と暴力団の“切っても切れない関係”を再確認させた。なぜ両者は深く付き合うのか。芸能人にとってどんなメリットがあるのか。ノンフィクションライターの窪田順生氏が解説する。

 * * *
 たとえば、日本レコード大賞をとったこともある大物男性シンガーは、稲川会の新年会で熱唱し、会長の葬儀にまで参列している。

 個人的な付き合いだと説明はするが、宴の場で、会長の妻を「お母さん」と呼ぶその姿は、盃をもらっていると言われてもまったく違和感がない。

 このような「親密すぎる交際」は、彼らにどのようなメリットをもたらすのだろうか。

「芸能人は有名になればなるほど因縁をつけられたり、トラブルに巻き込まれたりすることが本当に多い。プライベートだったりすると、事務所としても守れない。そこで、組の名前が出せるというのは心強いので関係を持ってしまう」(芸能事務所社員)

 ビートたけしが、右翼団体からの抗議を受け、誰に頼ることなく暴力団の会長のもとを訪れて土下座したことを週刊誌で明かしたが、芸能人の多くは、このような窮地で、つい“力をもつ者”に頼ってしまうのだ。

 一方で、暴力団側はどんなメリットがあるのか。関東の某広域組織幹部が明かす。

「ヤクザは人脈でメシを食っているところがあるので有名芸能人のトラブルを解決したというのは、組織内でも自分の力を誇示することができる。商売の話をしていても、有名芸能人と付き合いがあると言えば信用も増す。要するに知名度を利用している」

 それゆえ、自分の仲間に因縁をつけさせて、そ知らぬ顔で仲介役にのりだす「自作自演」で、芸能人とパイプを持とうと目論む輩もいる。

 このような話を聞くと、一つの疑問が浮かぶ。ヤクザといえば「縄張り争い」のイメージが強いが、異なる代紋を「ケツ持ち」としている芸能人同士でトラブルがあった場合、どのような解決方法が取られるのか。暴力団に詳しいジャーナリストはこう言う。

「芸能界のケツ持ちには“シマ争い”のような概念はない。もし組同士で利害が衝突するような場合は、互いの組織に顔がきく“相談役”と呼ばれる人物が仲介に立って丸くおさめるのが一般的だ」

 ちなみに、(紳助騒動で“Aさん”として名前の挙がった)元プロボクサーの渡辺二郎氏の肩書も、「山口組極心連合会 相談役」だ。

※SAPIO2011年10月26日号

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン