国際情報

韓国大統領候補2名 アジアの問題児は中国でなく日本と発言

 12月に迫ってきた韓国の大統領選挙。その有力候補2人が同じセミナーでそろって日本を非難した。その様子を産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏が報告する。

 * * *
 ソウルに日中韓の政府(外交当局)による「3国協力事務局(TCS)」という組織がある。韓国主導で昨年9月、ソウルに開設された。韓国が事務局長を務め、その下に日中から1人ずつ参事官級の代表が派遣されている。

「東アジア共同体構想」と同じで「日中韓協力」の看板は美しいが、いざ具体的に何をやるかとなると安保や経済、さらには領土問題など難しい話は抜きというから、苦労している。

 発足1周年ということで3国から識者が出席して記念の国際セミナーが開催された。セミナーはともかくとして、終了後のレセプションに関心が集まった。12月の大統領選へ向けて勢力争いがたけなわの時、有力候補の朴槿恵(パク・クネ/セヌリ党)と安哲秀(アン・チョルス/無所属)がやって来たからだ。

 セミナーのスポンサーになった朝鮮日報が連れてきたのだ。大統領選は三つ巴だからもう1人有力候補の文在寅(ムンジェイン・民主党)がいるが、こちらは来なかった。盧武鉉(ノムヒョン)政権以来の朝鮮日報との対立関係から、出席を断わったようだ(文は盧大統領の秘書室長)。

 朴と安は簡単なスピーチをしたが、ライバルとして様々な点で意見が異なる両者に、共通点が1つあった。「ヨーロッパでのドイツに学べ」という日本への注文である。

 朴は3国協力による地域発展には歴史的和解が条件だとして「正しい歴史認識」を強調。ポーランドでのナチ犠牲者記念碑にひざまずいたブラント西独首相の話(1970年)を引用し「過去を忘れる者に未来はない」と語った。

 またドイツの話かと思ったが、次にスピーチした安もヨーロッパを例に「ドイツの徹底した歴史への反省がドイツ自身の繁栄とヨーロッパの統合および平和の基礎になった」と述べている。いずれも日本を名指ししていないが、明らかに「日本が問題」といっているのだ。

 ヨーロッパで歴史的、文化的に中国に相当するような国は存在しない。アジアで中国が経済力増大と軍事的膨張、領土拡張で帝国主義化しつつあるこの期に及んでも、韓国の次期指導者たちは、この地域の“問題児”は中国ではなく日本だというのだ。

※SAPIO2012年12月号

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン