ライフ

南三陸町の仮設商店街 モアイ像が目玉、うに丼売る店も多数

 東日本大震災の被災地、宮城県石巻市は、コラムニストの木村和久さんが高校卒業までを過ごした地。木村さんが、縁ある人々の安否を自身の足で尋ねながら、震災直後から現在の状況までをレポートします。

 * * *
 南三陸町へ向かいましょう。そこには日本一ホットな南三陸さんさん商店街があります。仮設商店街というと、近所のそば屋さんとか、パン屋さんが近所づきあいの営業をしているイメージがありますが、ここのターゲットは完全に観光客です。なにしろツアーバスが何十台と止まるのですから、いかに注目されているかですよね。

 最大のウリは、イースター島から寄贈されたモアイ像があることです。なんで贈られたかというと、もともとイースター島のあるチリ共和国と南三陸町は、1960年のチリ地震津波が縁で友好関係となり、モアイ像が贈られていたのです。ところが大震災でモアイ像が流され、じゃまた贈りましょうとなった次第です。

 本物を見ると頭にのせている帽子のようなかぶり物がデカいのに驚きです。目がぎょっとしてて、今作ったような感じと思ったら、日本に来てから、目を入れるセレモニーでこしらえたといいます。イースター島以外でモアイ像を見られるのは世界でここだけですよ。

 さらに商店街を歩いて気づくのが、うに丼を売っている店の多さです。NHKの『あまちゃん』効果なのか、多くの店でうに丼や海鮮丼を扱っていますから、どれもがおいしそうで選ぶのに迷ってしまいます。

 あと驚くのが、パッケージの素晴らしさですか。BRT(バス高速輸送システム)の志津川駅もそうですが、デザインが秀逸なんです。仮設のプレハブ店舗なのに、店の外には大きなポスターや看板が貼られて、なんか楽しそう。上を見上げれば万国旗がはためいているではないですか。簡単な手法ですが、賑やかに見えます。

 商店街の中央には、みんなが集まって休んだり、食事ができるスペースもあったり、やたら旗やのぼりを立てて、賑やかさを演出しています。ほかの仮設商店街も、南三陸を参考にして、元気で賑やかな仮設商店街をこしらえてみてはいかがでしょうか。いや~うに丼は実にうまかったですよ。

※女性セブン2013年8月15日号

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン