ビジネス

北米でバカ売れのPS4 日本発売を「来年2月」に遅らせた理由

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が日本に先駆けて北米市場で販売している家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」が売れに売れている。

 発売初日に100万台を超えたのは前代未聞のこと。その後も売れ続け、わずか半月(12月1日時点)で210万台を突破したと発表された。だが、そんな快挙も「ソニーにとっては想定通りの数字」と話すのは、エース経済研究所アナリストの安田秀樹氏だ。

「PSはこれまでのシリーズも5年間で約1億台の世界販売を目標とした戦略を立ててきました。そのくらい売れないと、莫大な開発費や1台売って1万円前後と言われる逆ザヤが回収できないのです。

 特に発売初年度はマニアも含めた人気が見込めるし、11月の発売はクリスマスプレゼントを含めた年末商戦でさらに需要増が期待できることも考慮すると、SCEの掲げた通期500万台の目標も当然達成しなければならない数字なのです」

 もちろん日本でも年末商戦に間に合うよう年内に発売すればそれだけ販売台数の増加も見込めたはずだが、発売予定を来年の2月22日に遅らせた。

 その理由についてSCEは「日本人のゲーム愛好家が喜ぶコンテンツが揃う時期に発売したい」(同社のアンドリュー・ハウス社長)と説明するが、安田氏は違った見解を述べる。

「日本で発売するときに出るゲームタイトルは、ほとんどがアメリカやヨーロッパ向けのソフトを日本語版に修正したものになるでしょう。日本人が好きなキラーコンテンツを抱えるソフトメーカーは、とにかくハード機の売れ行きがよくなければ最低でも10億円、本格的なゲームなら30億~50億円は普通にかかる開発費をかけたがらないのです。

 だから、マーケットサイズの小さい日本市場を遅らせてでもアメリカでたくさん売れたほうがアナウンスメント効果は絶大で、日本のソフトメーカーの開発意欲も高められると考えたのでしょう」(安田氏)

 日本で最も売れるキラーコンテンツのひとつ、『FF(ファイナルファンタジー)』の最新作はすでにPS4とマイクロソフトの新型ゲーム機「XboxOne」で発売されることが決まっているものの、「PS4でのお目見えは2年後ぐらいになるのではないか」(業界関係者)との噂もあり、PS4の発売当初にどれだけ魅力的なコンテンツが揃えられるかは疑問だ。

 では、実際に日本でPS4はどれだけ売れるのか。

関連記事

トピックス

事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン