国際情報

韓国が河野談話はすりあわせなく日本が勝手に作成とする理由

 第二次大戦中の旧日本軍の慰安婦募集への関与を認めた「河野談話」について、6月17日に韓国外交部は「日本側の自主的な調査と判断を基に発表された文書」とのコメントを発表。同じ主旨のコメントはその2日前にも出されており、執拗に「河野談話は日本が勝手に出したもの」と主張している。

 1993年8月に出された河野談話は、16人の元慰安婦への聞き取り調査をもとに発表された官房長官談話。慰安婦募集は〈軍の要請を受けた業者〉が行ない、〈本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあった〉とある。文言は曖昧であるが、韓国側は「日本が軍による強制連行を認めて謝罪した談話」と位置づけている。

 安倍晋三首相は河野談話の継承を3月に明言したが、韓国が今回問題にしているのは談話の「作成過程」を検証するチームの動きだ。

 2月20日、衆議院予算委員会に参考人として出席した1993年当時の官房副長官・石原信雄氏が、談話の作成過程で内容や表現について日韓の間で、〈何らかの連絡というか事務的なすり合わせというのはあったのかもしれません〉と答えたのである。これにより、この文言は日本政府が自主的に作ったのか、韓国側の要請に従ったものなのかわからなくなった。

 それをきっかけに、安倍政権は法律家や報道関係者ら5人の有識者で構成される検証チームを立ち上げ、4月から談話の作成過程についての検証を始めた。

 その動きに対して朴槿恵(パククネ)政権は「すり合わせなんてしていない。日本が勝手に作った談話だ」と猛烈に反発しているのである。

関連記事

トピックス

高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン